JR西日本の観光特急列車「WEST EXPRESS(ウエスト エクスプレス)銀河」の2年目となる紀南コース(京都―新宮間)の運行が始まり、夜行の第1便が4日早朝、和歌山県串本町串本のJR串本駅に到着した。乗客は早速、南紀熊野ジオパークのジオサイトの一つである国の名勝・天然記念物「橋杭岩」(串本町くじの川)を訪れ、ガイドが案内。JRとジオの連携は日本ジオパーク委員会からも評価されており、引き続きタッグを組んで魅力を発信する。

 「銀河」は2020年9月にデビューし、紀南コースは昨年7〜12月に初めて運行。海を望む車窓や地域の関係者による「おもてなし」が好評で、沿線自治体などからの要望もあって2年目の運行が決まった。
 今回は10月3日〜来年3月8日、1週間に2往復し、期間中計36往復する計画。6両編成で京都発の夜行の定員は85人、新宮発の昼行は101人。
 前日夜に京都を出発した第1便は4日午前6時過ぎに串本に到着し、乗客約30人はバスに乗り込んで橋杭岩に移動。道の駅「くしもと橋杭岩」の2階で奇岩の雄大な景色を楽しみながら、南紀熊野ジオパークガイドの会のメンバーである尾添宏進さん(61)=古座川町小川=から説明を聞いた。
 尾添さんは、南紀熊野ジオパークや橋杭岩の成り立ち、串本とトルコの友好の歴史、同町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」などを紹介。初めて銀河に乗車したという兵庫県芦屋市の手島秀和さん(41)は「橋杭岩の朝日がとても美しくてすごく満足だし、ガイドの説明も分かりやすかった。ロケットが打ち上がるというのを初めて知って驚いた。また串本を訪れたい」と笑顔を見せた。
 南紀熊野ジオパークは今年9月下旬、目指していたユネスコ世界ジオパークへの国内推薦が日本ジオパーク委員会の審査で見送りとなったが、JR西日本との連携は「広報や旅行列車などの新たな企画が展開された」などと評価された。
 JR西日本営業本部和歌山営業部の上段貴司部長(45)は「昨年、橋杭岩の案内をしていただき、こんなに素晴らしい景色があったのかとお客さまの満足度は非常に高かった。今年もガイドをしていただけるのはありがたい。日の出の時間帯は変わってくるので、それに合わせて観賞できるように工夫もしたい」。尾添さんは「期待に沿えることができるよう、一生懸命に分かりやすく説明していきたい。世界ジオパークを目指し、関係機関と協力しながらジオの魅力を拡散していきたい」と意気込んでいた。
 同町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターでも、センターを訪れた銀河の乗客を対象に、非売品である銀河オリジナルキーホルダーやジオオリジナルトートバッグをプレゼントする企画を始めた。