世界遺産・闘雞神社(和歌山県田辺市東陽、長澤好晃宮司)は、本殿と上殿(かみでん)を中心とした社殿を修復した。塗装が剝がれていた部分に、江戸後期の彩色を再現。檜皮(ひわだ)ぶきの屋根も新しくした。約360年前に2棟が再建されて以来、修復作業は数回あったが、今回が最も大がかりな修復という。

 2020年9月から始まった修復工事の中で、神社から委託を受け、県文化財センターなどが調査を開始。修復は今年8月に終えた。
 本殿はケヤキの木目を生かした建物で、上殿はヒノキを使い、彩りをつけることを想定した建物。
 センターの下津健太朗さんによると、軒部分や軒下の「藤」「龍」「鶏合わせ」などの彫刻部分は、元々色付けられていたが、いずれも明治時代ごろの修理を最後に塗り直しがなく、劣化が進んでいた。わずかに残る塗膜や傷跡などの細かい部分を調査し、かつての彩色を忠実に再現したという。
 檜皮ぶきの屋根は、本殿が36年、上殿が25年経過しており、劣化していた。屋根を支える小屋組や、軒部分でも腐朽やシロアリ被害を伴う破損があったといい、その影響で軒の高さが変化したり柱が傾いたりしていた。そこで上半分の木組みを分解し、ゆがみの修整や補修を行った。
 長澤宮司は「色の付いた姿を見たことがなかったので、私自身もとても楽しみにしていた。多くの人に再現したかつての彩色を見てもらいたい」と話した。
■8日に奉祝祭
 闘雞神社では8日午後1時から社殿修復の奉祝祭を開く。
 奉祝祭の後には、特別講演「本殿・上殿の彫刻に込められた意図」と題して下津さんが話すほか、奉納演奏や浦安の舞などがある。
 和歌山ファイティングバーズとの共同企画によるコラボレーションイベントとして、弁慶鬼若太鼓の演奏や、選手紹介もある。午後4時からは縁日として、グッズ販売やたこ焼きなどの出店が境内や馬場に17店並ぶ。