和歌山県は5日、全国一律で新型コロナウイルス陽性者の全数届け出を見直してからの1週間について県内の把握状況を公表した。重症化リスクが低い発生届対象外の陽性者には「県陽性者登録センター」への自主登録を求めているが、ほとんどの人が応じていると推定され、おおむね順調とした。一方で、仕組みの変更による利点は見られないとの見方を示した。
 発生届の対象は、これまでは陽性者全員だったが、入力項目が多く、医療機関や保健所の負担になっているとし、国は9月26日から全国一律に65歳以上や妊婦など、重症化リスクがある人に限定した。一方、医療機関が確定した陽性者数については、発生届対象か対象外かを問わず、年代別人数のみを「日次報告数」としてシステムに入力することになっている。
 県では、地域の感染状況の傾向をつかんだり、症状悪化時の救急対応が混乱しないようにしたりする必要があるとし、発生届対象外の陽性者についても「県陽性者登録センター」への自主登録を求めている。
 県によると、仕組み変更が初めて反映された9月27日〜10月3日の1週間の発生届数は342人。センターへの自主登録者数は1415人(医療機関受診者1343人、自主検査72人)で計1757人。「日次報告数」は1722人だった。
 入力や登録時期などの違いで誤差はあるが、ほぼ相違はなかった。県福祉保健部の野尻孝子技監は会見で「正確には分からないが、9割以上の人は、センターに登録してくれていると推定する。非常にありがたい」と話した。
 一方、全数届け出見直しが、その目的とされていた、重症化リスクがある人への重点的な対応につながったかについては「県ではいままでもそういう考え方だったので、わざわざこれにして(効果があった)とは思っていない」。医療機関の負担軽減についても、以前から「県では、発生届の入力が困難な医療機関があれば、県(保健所業務支援センター)が引き取って、代わりに入力していた」とし、効果について明言しなかった。
 また、この1週間の死亡者4人のうち、和歌山市在住の50代男性は自宅療養中に死亡した。9月26日に保健所に症状を訴える連絡があり、医療機関を紹介したが、実際に受診したか確認できないまま、28日に自宅で死亡しているのが発見されたという。野尻技監は「システム移行期に自宅療養者が死亡したことは重く受け止めている。医療機関の紹介だけでなく、受診状況を確認するよう職員に周知した」と話した。