第16回「田辺・弁慶映画祭」(実行委員会主催、紀伊民報など協賛)のコンペティション部門の表彰式が13日、和歌山県田辺市新屋敷町の紀南文化会館であった。最高賞の弁慶グランプリは、大西諒監督(33)の「はこぶね」が受賞した。
 若手映画監督の登竜門とされる映画祭。コンペ部門には過去最多180作品の応募があり、入選7作品を11、12の両日に上映。プログラムディレクターの掛尾良夫さんらによる特別審査員、全国から公募したキネマイスター審査員、県内在住の市民審査員らが審査した。
 「はこぶね」は、漁協の合併を控えた港町を舞台に、事故で視力を失った青年の日常生活や心の移ろいを描いた作品。弁慶グランプリのほか、海外発信を後押しする「フィルミネーション賞」や「観客賞」も受賞した。
 普段は会社員として働きながら映画制作をしているという大西監督は「このような賞を頂き、ありがとうございます。次の作品も気合を入れて頑張っていきたい」と喜びを語った。
 特別審査員長の掛尾さんは「大西監督の社会人経験で得た観察力が作品にも表れており、安定感があった。障害や認知症など世界的なテーマにもしっかりと触れていた」と講評した。
 他の受賞は次の通り。受賞作品にはテアトル新宿(東京都)とシネ・リーブル梅田(大阪府)での上映権が贈られる。
 キネマイスター賞、映画.com賞=「明ける夜に」(堀内友貴監督)▽審査員特別賞=「夢見るペトロ」(田中さくら監督)▽俳優賞=菊池真琴「四人姉妹」、前田紗葉「夢見るペトロ」▽スペシャルメンション=木村知貴「はこぶね」
 映画祭はコンペ作品、招待作品を含め計12本を3日間で上映。延べ約2300人が来場した。