和歌山県串本町の友好都市、オーストラリア・トレス市の訪問団が19日から同町を訪れている。22日には潮岬小学校を訪問し、児童らと伝統音楽などを通して交流する予定だ。24日まで滞在し、町民らと親睦を深める。
 トレス市はオーストラリア北東部、ヨーク岬半島とパプアニューギニアの間に広がる島々とヨーク岬半島の先端部2地域を管轄している地方自治体で、行政本部が木曜島に置かれている。明治以降、木曜島周辺では高級ボタンの原料となる白蝶貝の採取に多くの日本人が従事し、串本町からも多くの人が渡航。過酷な条件の中、木曜島だけで潜水病や遭難などにより約700人の日本人が命を落とし、そのうち162人が串本町出身者であったことが確認されている。木曜島には日本人墓地があり、町から定期的に墓参団が訪れている縁で、両市町は2011年に友好都市関係を結んだ。
 今回の訪問団のメンバーは、木曜島へ渡航して晩年に帰国していた同町潮岬の故・山口政平さんの親族ら23人。山口さんが今年1月に亡くなったため、その追悼が主な目的で訪れた。
 訪問団は2班に分かれて来町。シバサキ・ロンダさんら1班の7人は20日、同町潮岬の高松寺、潮岬墓地で先祖を追悼した後、田嶋勝正町長を表敬訪問した。
 田嶋町長は「お久しぶりです」と一行を握手で出迎え、5年前に木曜島を訪れた際の写真を見せながら歓談した。初めて串本を訪れたという男性は「串本とトレス市の海は、色は同じだが、海岸が違う」と話していた。