国土交通省が、和歌山県のすさみ町江住―串本町サンゴ台を結ぶ「すさみ串本道路」(延長19・2キロ)の整備を進めている。各地で本体工事が始まっており、掘削に着手したトンネルもある。開通時期は未定だが、地元は早期の完成を望んでいる。
 すさみ串本道路は、紀勢自動車道すさみ南インターチェンジ(IC)から串本町和深に造る和深IC(仮称)を経て、串本IC(同)までを結ぶ2車線。すさみ南―和深は約7・1キロ、和深―串本は約12・1キロ。総事業費は約960億円。
 現在の計画では、すさみ南、和深の両ICはハーフICになる。すさみ南ICは田辺方面からの出口と同方面への入り口、和深ICは串本方面への入り口と同方面からの出口ができる。
 南海トラフ巨大地震による被害が想定される地域であるため、路面高は海抜約30〜50メートルとし、想定津波高よりも高く設計している。防災面だけでなく、開通すれば利便性も高まり、観光振興にも役立つと期待されている。
 国交省紀南河川国道事務所によると、用地取得率は昨年11月末時点で約9割。各地で工事が進んでおり、全16本できる予定のトンネルのうち、2本で掘削が始まった。別のトンネル4本は工事発注を済ませている。
 19・2キロのうち、約5キロはトンネル。最長は串本町和深に造る833メートルという。橋は22本で、計約4キロ。最長は同町有田にできる381メートル。
 すさみ串本道路を巡っては、すさみ町は早期の開通とともに、すさみ南ICを上下線とも乗降可能な「フルIC」とするよう、国交省に要望している。
 並行する町内の国道42号は海抜が低く、カーブも多いことなどが理由。岩田勉町長は町議会12月定例会で、要望を説明した上で「国交省の感触は甘くないが、今後も(要望を)続けたい」と語った。フル化ができなければ、串本方面への入り口を整備して「4分の3IC」とする案も持っていると明らかにした。
 一方、初めて高速道路ができることになる串本町は「現時点では、まずは『早期開通』というのが一番」と話す。

 紀南ではこのほか、串本太地道路(串本町―那智勝浦町、延長18・4キロ)や新宮紀宝道路(新宮市―三重県紀宝町、延長2・4キロ)なども国が事業化している。すべて完成すれば、三重県側も含め紀伊半島を一周する高速道路が実現することになる。