和歌山県田辺市は、人口減少対策をまとめた「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」と、公共交通の在り方を示す「地域公共交通網形成計画」の素案をそれぞれ作った。計画期間はいずれも2020〜24年度の5年間。市民の意見を募った上で、3月末までに策定する。
 どちらも前計画の期間が本年度で終わることから、新たな計画作りを進めていた。
 第2期総合戦略の基本目標は「新たな人の流れの創出・拡大」「安定したしごとづくり」「結婚・出産・子育て支援」「暮らし続けることのできるまちづくり」―の四つ。おおむね第1期を踏襲し、観光推進や農林水産業の振興、少子化対策、広域連携などの具体的な施策や数値目標を掲げている。
 新たに打ち出したのは、特定の地域と継続的に関わる「関係人口」の創出・拡大。首都圏での戦略的なプロモーションやふるさと納税を通じて、市の魅力や価値を発信するとしている。
 転出超過数は18年が565人だったが、24年に250人まで抑制することを目標とする。第1期での目標は160人だった。
 24年度までに市を通じた移住者数を60人(18年度は36人)に、市内宿泊者数を49万人(18年は44万4211人)に、県外からのスポーツ合宿利用者数を4万5千人(18年度は3万5111人)に引き上げることなども盛り込んでいる。
 地域公共交通網形成計画では、利用者の減少や乗務員不足といったさまざまな課題を抱える中、行政や交通事業者だけでなく、地域住民も主体となって維持していく方向性を示している。
 重点施策は「地域公共交通ネットワークの維持・利便性向上」「地域公共交通の利用環境の改善」「乗って維持するための利用促進」の三つ。
 事業の一つとして「新たな交通手段の導入」を挙げている。具体的には、地域住民主体の自家用有償運送を導入するほか、1台のタクシーを相乗りして活用するなど新しい交通システムについて調査研究するとしている。自家用有償運送については現在、同市龍神村のNPOが導入に向けて取り組んでいる。
 市内を走る路線バスと住民バスの年間利用者数は14年度が計80万2千人だったが、路線バス再編の影響で15年度は計65万3千人と大きく減少。18年度は計64万5千人だった。計画では、目標値を現状よりやや多い計65万人としている。
■21日まで意見募集
 市は21日まで(必着)、それぞれの素案に対する市民の意見を募集している。
 素案は市のホームページで閲覧できるほか、市企画広報課と市役所玄関案内係、各行政局総務課にも備え付けている。
 意見を提出できるのは、市内在住、在勤、在学している人など。指定の用紙に記入し、企画広報課か各行政局総務課に提出する。
 問い合わせは、市企画広報課(0739・26・9963)へ。