少子化が進み、15年後の中学卒業生は現状に比べて3割減ると予想される中、和歌山県の将来的な県立高校の在り方について議論してきた有識者会議「きのくに教育審議会」は7日、県内の全日制29校を将来的に3分の2の20校程度にするのが適正だと、県教育委員会に答申した。県教委はこれを受け、具体的な再編整備の計画案を12月までに作成する。
 県内の中学卒業生は、平成に入った1989年3月は1万8014人だったが、2019年3月は半数以下の8607人。さらに、15年後の34年には19年の69・4%に当たる5974人まで減少すると推計されている。田辺・西牟婁は19年3月の1028人から34年には69・1%の710人、新宮・東牟婁は522人から60・7%の317人になると見込まれる。
 県教委は昨年10月、少子化に対応した高校の在り方などについて、審議会に諮問。中学校や高校の校長、PTA関係者、大学教授、弁護士ら委員15人が今年5月まで5回にわたって議論、答申にまとめた。
 県教委はこれまで、全日制1学年の適正規模について、4〜8学級としてきたが、答申では、施設の効果的な活用や活力維持などの観点から、原則6学級と定めるべきだという考え方を示した。
 その上で、和歌山市内には現在5校ある普通科高校を4校に、工業、商業、総合学科の拠点校を各1校配置。
 それ以外の地域では、原則、各市か周辺部に普通科高校を各1校、紀北と紀南、それぞれに、工業や商業、農業が専門的に学べる学校か学科を一つずつ配置するのが望ましいとした。
 また、県内高校からの大学進学率や、国公立難関大学や医学部への進学率は、近畿6府県の中で著しく低いとして、教員の意識改革や指導スキル向上などに積極的に取り組むことが急務とした。スポーツについては、高レベルの競技力がある生徒の県外流出に歯止めをかけ、県外から流入する高水準の体制整備が望まれるとし、競技ごとに拠点となる高校を定め、優秀な指導者を配置すべきだとしている。
 各地域ごとの在り方にも言及。「田辺市と周辺地域」では、県立中学校を併設する普通科高校は、紀南地域から「難関大学への進学を保障する役割」を担うとした。普通科以外では、専門学科を集約した専門高校1校と、総合学科と専門学科を併設した高校1校に再編すべきだとしている。また、専門高校は、学科ごとの分校舎や分校制、小規模校として存続させることも考えられるとしている。
 「串本地域」では、一定規模の高校存続は難しいとし、小規模校か分校舎、分校として整備する必要があるとしている。「新宮市と周辺地域」は1校に再編整備する必要があるとし、全国募集も可能な特色ある教育内容を検討すべきだとした。
 答申は、元大阪体育大学教授の●川恒弘・審議会会長と弁護士の波床昌則副会長が7日、宮﨑泉県教育長に手渡した。●川会長は「どのような段階を経て整備していくか、広く県民の理解を得ながら進めてほしい」と話し、宮﨑教育長は「高校の今後の進むべき方向が具体的に示された。答申を十分踏まえ、県民の意見を聞きながら、進めていきたい」と応えた。
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