和歌山県の日高広域消防事務組合消防本部によると、管内(日高郡)の今年の熱中症による搬送人数は35人(24日現在)で、50人以上ある例年を大きく下回った。新型コロナウイルス感染拡大による外出の自粛が影響したとみられる。
 熱中症は、温度や湿度が高い中で体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れて体温の調節機能が働かなくなる。体温上昇やめまい、けいれん、意識の異常といった、さまざまな障害を起こす。家の中などでじっとしていても、室温や湿度が高い場合は、体から熱が逃げにくくなり、熱中症になる場合がある。
 管内で今年、熱中症により搬送されたのは男性22人、女性13人。入院が3週間以上となった重症は1人で、入院に至らなかった軽症は29人だった。
 屋外は19人で農作業中やスポーツ中の他、高速道路建設工事のトンネルの中などもあった。屋内は16人で自宅がほとんどだが、体育館や船内もあった。
 過去の熱中症の搬送人数は2017年が59人、18年が60人。19年は67人で10年以降で最多だった。
 同本部警防課によると、新型コロナ予防のためのマスク着用が熱中症の要因になったとみられるケースは、管内ではなかったという。一方、感染予防のための外出の自粛の他、各種スポーツの大会やイベントや行事の中止なども、搬送人数が少なくなった理由として考えられるという。
 同課は、水分補給といった従来の熱中症対策とともに、マスク着用時の対策も呼び掛けている。気温や室温が高い状況では、ソーシャルディスタンスを確保した上で、マスクを口から一定時間外すなどの工夫を呼び掛けている。