和歌山県紀南地方の各地で多くの秋祭りが営まれる「文化の日」の3日、今年は新型コロナウイルスの影響で規模の縮小や行事の自粛が相次いだ。各神社では関係者だけで神事を営むなどし、例年のようなにぎわいはなかった。
■境内での披露取りやめ 春日神社「上野の獅子舞」
 県指定無形民俗文化財「上野の獅子舞」の奉納で知られる田辺市下川下(大塔地域)の春日神社では例年、住民や出身者らでつくる「上野の獅子舞保存会」(湯川剛会長、16人)が、多くの見物人が集まった境内で「乱獅子」や「花かがり」「扇の舞」など7演目ほどを披露しているが、今年は「練習でも密になってしまう」などとして披露を取りやめた。
 この日は関係者で神事を執り行い、獅子舞は五穀豊穣(ほうじょう)や住民の安全を祈願するため、幣や鈴を持って舞う「御神楽(おかぐら)」のみを拝殿で奉納した。
 保存会の湯川会長(54)は「今年は残念だが、こういうことも乗り越え、獅子舞を絶やさないよう頑張っていきたい」と話した。
 神社そばのグラウンドでは毎年「ふる里富里まつり」(実行委員会主催)が開かれてにぎわうが、今年はコロナ禍の影響で中止になった。
■本殿祭でみこの舞奉納 芳養八幡神社 駆馬は中止
 迫力の「駆馬(かけうま)」などを見ようと毎年多くの見物人が訪れる田辺市中芳養、芳養八幡神社の秋祭り(県指定無形民俗文化財)は、コロナ禍で人の密集を防ぐため、駆馬や渡御行列などを取りやめた。
 正午から関係者で本殿祭を営み、例年は御旅所で奉納しているみこの舞を、今年は特別に拝殿前で披露。地元の小中学生4人が「鈴扇」と「豊栄の舞」を舞った。