和歌山県田辺市新庄町、新庄公民館のサークル「新庄の歴史に親しむ会」(岡崎美次会長)は、新庄町内の3カ所にチリ地震津波碑を建てた。「チリ地震津波の碑」の文言のほか、チリ地震で発生した津波の到達地点と潮位を示している。親しむ会は「大きな揺れを感じない津波もあることを伝えたい」としている。

 チリ地震は1960年5月、南米チリのサンティアゴ沖を震源に発生。地震の規模は世界最大規模のマグニチュード9・5とされている。
 地球の反対側で発生したこの地震による津波は、24日の明け方ごろに日本の太平洋岸に押し寄せた。
 田辺市では新庄町を中心に500戸を超す民家が床上・床下浸水し、大量の木材や木炭が流失した。橋や道路も流失・決壊し、田畑も冠水するなど多くの被害が出た。
 今年がチリ地震による津波から60年の節目に当たるため、会が碑の建立を計画し昨年から準備を進めていた。
 津波碑は45センチ角の白御影石製、高さ約110センチ。新庄公民館と橋谷会館、波止場大師堂出井地区集会所の各敷地内に設置した。公民館の碑には別にチリ地震を解説した説明板も付けた。事業費(約80万円)には市の補助金と新庄愛郷会からの助成金を充てた。
 この会は、活動の一環で2018年に公民館管内にある記念碑66基を網羅した冊子「新庄地域の記念碑―石碑を中心として」(新庄公民館発行)を編集している。この冊子には宝永、安政、昭和の各南海地震によって発生、襲来した津波の潮位を示した津波碑19基も収録。いずれも国土地理院のウェブ地図に掲載されており、今回追加した3基も掲載を申請する考えだ。
 会の繁行良一さん(82)は「大地震があると津波が来ると伝えられているが、チリ地震津波は、地震という前触れもなく私たちの地区を突然襲ってきた。こういう特殊な津波があることも知っていただき、改めて津波に関心を持ってもらえたら」と話している。