新型コロナウイルスの感染拡大で一変した生活様式に対応しようと、和歌山県紀南地方の飲食店がテークアウトに特化した店舗をオープンしている。新規事業としてはもちろん、業態をテークアウトのみに転換した店もある。

 田辺市秋津町の「to market(トゥー マーケット)」は、総菜や弁当、スイーツのテークアウト専門店で、11月にオープンした。
 手掛けているのは市内で飲食店や、家庭やオフィスにオードブルを届けるケータリング店などを経営する室井良友さん(49)。外食部門は宴会の利用が減少し、回復が見通せない。「to market」は既存の店舗がそれぞれ得意とする和食や洋食、スイーツなどが持ち帰りできる。
 室井さんは以前から、外食と自宅で料理した食事(内食)の中間を意味する中食に注目。若者や子育て世代の需要を見込み、いち早くケータリングに参入した。これまでイベントや期間限定の出店でテークアウトの販売をし、手応えを得ており、コロナ禍で新規出店の計画を前倒ししたという。
 現在は昼食での利用を想定しているが、春以降は夕食での利用を視野に仕事終わりに立ち寄れるよう営業時間の拡大を検討している。
 室井さんは「新規客はもちろん、各店の常連客が楽しみにしてくれる店にしていきたい」と話している。
 営業は午前10時〜午後5時(売り切れ次第終了)。不定休。
 上富田町市ノ瀬のギョーザ店「玲玲」は、ギョーザのテークアウト専門店。「餃子(ギョーザ)はサラダ」を掲げ、国産野菜をたっぷり詰めた薄皮のギョーザを販売している。
 店主の岡林大介さん(39)は横浜市でギョーザが目玉の居酒屋を2年間経営していたが、コロナ禍で休業。5月に妻の実家がある上富田町に移住し、9月に業態を転換して、営業を再開した。
 広報は写真共有アプリ「インスタグラム」による発信ぐらい。事業が軌道に乗るか、不安はあったが、口コミで人気が広まり、常連客も付いてきたという。冷凍ギョーザの発送もしている。
 岡林さんは「居酒屋をしている時は仕事が終わるのも遅いし、家賃などの負担も大きかった。いまは2歳の子どもと触れ合う時間も増えた。コロナを機に働き方は劇的に良くなった」と話している。
 営業は午前11時〜午後7時(売り切れ次第終了)。水曜と第1、第3木曜定休。