厚生労働省は29日、前日に行われた第22回「医師の働き方改革に関する検討会」で取りまとめられた報告書を公表した。

報告書では2024年4月から適用される医師の残業時間上限に関して、一般の医師の上限は「年960時間」を原則とした上で、特例として地域医療に関わる一部の勤務医や集中的な診療を必要とする研修医などに関しては「年1860時間」を上限とした。

この上限は月換算すると155時間となり、複数月で平均80時間とされる「過労死ライン」の2倍近い。対象者については連続勤務時間の制限や面接指導などによる健康確保措置を義務付けることも報告書に盛り込まれた。

一部の医師を対象とした特例とはいえ、過労死ラインの2倍近い上限設定を容認せざるを得ないことにより医師の働き方改革の抱えるジレンマが改めて浮き彫りとなった形だ。医師自身の健康問題はもちろんのこと、時には患者の生死に関わる判断や処置が要求されるという「労働」の特殊性も重要な課題。外科医不足や医師の地域偏在など、労働問題とは別軸の抜本的な対策も急務だ。

医師の働き方改革に関する検討会 報告書(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04273.html

医師・専門家が監修「Aging Style」