日本の女子ツアー開幕まで1カ月を切った。これを楽しみにしてくれているファンは、いったいどれくらいいるのだろうか。


潜在的なファンの数をきちんと把握することなど難しいのはいうまでもない。もちろん、コアな女子ツアーファン(女子プロファン)は開幕を心待ちにしているだろう。しかし、オフシーズンの間、それ以外の人の目に女子プロやツアーが触れる機会は激減したまま。工夫によっては金もかからず、PR効果も高いイマドキのツール、SNSはオフィシャルサイトを見る限り、サイト内記事のインスタグラム転用以外、ほとんど活用されていない。

今さら、説明する必要もないかもしれないが、SNSは、自ら望めば、不特定多数の相手と直接、つながることができる便利なものだ。人気商売であるツアーが、ファン獲得にこれを活用しないのは、愚の骨頂といっていい。

わかりやすくいえば、ゴルフにまったく興味がなくても、SNSで誰か一人の選手を見て「カワイイ〜」「カッコいい!」「なにこれ、おもしろい!」と感じてもらったり、ツアーの活動を見て賛同してくれる人がいれば、あっさりとつながることができる。ここでまず存在を知ってもらうことができるのだ。これがファン予備軍となる。

この予備軍のうち何%かの心をしっかりととらえ、ファンにすることができるのか。ツアーそのものの魅力だったり、選手一人ひとりの良さだったり、ゴルフそのものの楽しさだったりと“実力”が問われることになる。しかし、まずは予備軍を増やさないことには話にならない。イマドキ、人気商売なのにSNSを十分に活用しないことは、その機会をどぶに捨てているようなものだ。個人の問題ではない。組織としての怠慢といっていいだろう。

オフィシャルウェブサイトは、亀のような歩みではあるが進化している。こう書くと、過去を知らない人からは「いったいどこが?」と鼻で笑われそうだが、過去を知る身としては、それは確かなことだといえる。“Better than before”ではある。しかし、ニュースを見ても、昔ながらの宣伝ばかり。すでに開幕している米女子ツアーでプレーする日本人選手の活躍すら、上がってきていない。ルーキー、山口すず夏は日本のLPGAメンバーではないとしても、上原彩子、野村敏京はプレーしているにもかかわらず、だ。

オフィシャルフェイスブックの状態も大して変わらない。インスタグラムも、いわゆる公式行事のものばかり。ツイッターはない。これでは、ファン予備軍に興味を持ってもらえないだろう。

オフィシャルサイトに英語版もなく、サイトマップも見つからない。ここでのBetter than beforeは、「以前よりいい」ではなく「以前よりはマシ」と訳す以外にないようだ。

テレビ放映権の帰属を自分たちに主張し、以前とは違うビジネスモデルを構築しようとしているLPGA。旧態依然としたビジネスの状態を改革しようとすることが悪いことではない、というのは以前からここでも書いてきていることだ。しかし、そうであればなおさらに、自分たちで新しいPR方法をも積極的に模索していくのは当然のこと。それが見えてこないのは残念としかいいようがない。自立しようとしている以上、これまで以上にファンへの努力が必要だ。そのためには予備軍を増やすこと。オフシーズンだからといって忘れられてしまうような状態を放置していては、それはかなわない。(文・小川淳子)

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