新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界各国で中止が余儀なくされているゴルフトーナメント。国内女子ツアーは「アース・モンダミンカップ」で開幕することができたが、まだ次戦の見通しは立っていない。そんな状況のなか、少しでもツアーに思いを馳せてもらおうとツアー取材担当が見た選手の意外な素顔や強さの秘訣、思い出の取材などを紹介。今回は開幕戦で大活躍した田中瑞希の“1cmにかける熱い思い”(?)について。


今週月曜日まで行われていた、国内女子ツアーのシーズン開幕戦「アース・モンダミンカップ」では、またしても黄金世代から新たなタレント候補生が登場しました。それが田中瑞希プロ。単独トップで最終ラウンドに臨むなど、初優勝に大きな期待がかかりましたが、最後は惜しくも1打差でプレーオフに進むことができず3位タイに終わりました。しかし、可憐な“お団子ヘアー”で、堂々と優勝争いをする姿で注目度が一気に上昇。今後のさらなる活躍が楽しみな選手です。

そんな田中プロの持ち味は、身長151cmと小さな体から繰り出される飛距離バツグンのドライバーショットで、ドライビングディスタンスで昨年は242.99ヤード(ツアー24位)を記録しました。アース期間中にも、それが話題に。飛ばしに関しては「小さい頃から大きくスイングをしていて、体が小さいなりにクラブを目いっぱい使って打ってきました。飛距離で悩んだことは、これまでにないですね」と本人も武器と考えているようです。

そんな『小さな飛ばし屋』の活躍をインターネット中継で見ていた時、田中プロが身長に関する“ある悩み”を口にしていた現場に居合わせたことを思い出しました。

それは去年の「フジサンケイレディスクラシック」で、田中プロが5位タイと好発進を決めた初日ラウンド後のこと。プレーを終えクラブハウスに戻ってきた際に話を聞かせてもらったのですが、この年がツアーデビュー1年目の田中プロを取材するのは、私にとって初めてのこと。そのためゴルフ歴やら何やら、あれこれと質問。このなかで、その日同じ順位だった同い年の吉本ひかるプロ、新垣比菜プロとは、日ごろからよく食事に行く大の仲良しという話も出てきました。そして、この流れから、田中プロの“悩み”を聞くことになったのです。それが…。

「並ぶと絶対に一緒なんです!(笑)。でも(JLPGAの)プロフィールでは、私の方が1cm低くて…。私も152cmって言ってもバレないですかね?」

これ、なんの話かというと、吉本プロとの身長差について。協会のプロフィールでは、田中プロの身長が『151cm』になっているのに対して、こちらも小柄な吉本プロは『152cm』と記載されています。ただ、並ぶとどうも一緒の高さのような気がする。それならば『私も公称152cmって言っても大丈夫なんじゃないか?』というのが、田中プロの“主張”だったわけです。

この1cmの差は、田中プロにとって大きな意味を持つようです。そんなやり取りをした後、帰り際の新垣プロを見かけたので、この話をしてみました。するとニコッと笑顔を浮かべ、いつも通りのおっとり口調ながら冷静な一言。

「私からしたら、どっちでも同じですけどね(笑)」

どうやら身長165cmの新垣プロからすると、“ドングリのなんとやら”という感じなようです。ただ、この一連の流れから3人の普段のやり取りや、仲睦まじい様子が想像できて、ほっこりとした時間になりました。

そこから1年以上が経過し、大きな注目が集まった今季開幕戦で田中プロは主役の一人になりました。この活躍によって各メディアに大々的に取り扱われましたが、ということは…。今後しれっとプロフィールを変えたとしたら、すぐに“バレて”しまう可能性が大?(文・間宮輝憲)

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