新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断していた日米女子ツアーが再開されてから約2か月。まだまだ予断を許さない状況のなかだが、一部ツアーではプロアマが始まったり、ギャラリーを入れたりと世界のゴルフはどんどん動き出している。そこで、今後のゴルフ観戦をより楽しんでもらうため、ツアー取材担当が見た選手の意外な素顔や強さの秘訣、思い出の取材などを紹介。今回は河本結のブレない芯について紹介する。


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以前このコラムで渋野日向子プロが「KKT杯バンテリンレディス」で史上2人目となる最下位から予選突破を果たしたことをその場にいた記者で唯一記事にしたと自慢させてもらいました。それは大里桃子プロ、そして大里プロのお父様の充さんのおかげで、感謝しかありません。一方で自分しか取れない記事をとれるような動きをしているということは、普段からトリッキーな動きだった、という部分もあります。約1年前に、それが裏目に出た話をさせてください。

それはKKT杯バンテリンレディスから約半年後の「スタンレーレディス」のことです。この時、河本結プロは2020年シーズンの米ツアー挑戦を決意して、出場権をかけたQスクールに出場することを決めていました。そして試合前日、各社合同での囲み取材があったのですが…、私はそんなこととはつゆ知らず、練習グリーンで全く別の選手を取材していたのです。

情報を手にしたときには後の祭り。とっくに囲み取材は終わっていました。完全にネタを落とした(逃した)…。そう思っていると、まだ河本プロはコースにいました。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも、「先ほど話したと思うのですが、もう一度お話しいただけませんか?」と聞くと快諾。確実に2度目であろう質問に笑顔で答えてくれました。

そうして無事に「米ツアー出場決意」という記事を出すことができたわけですが、囲み取材に出ていた他社の記事を見て驚きました。僕が聞いた内容とほぼ同じだったのです…。

確かについさっき話したことを、もう一度私に話してくれたわけですが、人間話しているうちに考えが変わるまではいかなくとも何かしら変化があるものです。例えば「もっとこういう言い方すればよかった…」と思うこともあるでしょう。ところが、河本プロにはそれがなかった。つまり、自分の中で確固たるものがあったということです。

河本プロは新型コロナウイルス感染のリスクもあるなか、さらには2週間の自主隔離期間があるにもかかわらず渡米しました。そしてスコットランド、アメリカと米女子ツアーで戦い続けています。ゴルフはもちろん、それ以外の部分でも、慣れない英語、食生活…。心が折れそうになるほどの、大変なことがたくさんあるでしょう。気軽なことは言えません。ですが、断固たる決意を持って米ツアーに挑んでいる22歳が、カップを掲げる姿を早く見たい。その思いは1年前から変わりません。(文・秋田義和)

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