昨年、小さいころからの「夢」と語っていた舞台に挑むことを決断し、それを実行に移したのが“黄金世代”の一人、河本結だ。国内ツアーが佳境を迎える昨年秋に今シーズンの米国ツアー出場権を得るために渡米し、Qシリーズ(予選会)を受験。見事9位で通過し海外挑戦の扉をこじ開けた。長い米ツアー転戦を経た河本は、来週の「樋口久子 三菱電機レディス」から国内ツアーに出場予定。どのような活躍をみせてくれるだろうか。今回は今季の夏以降の戦いぶりを振り返る。


新型コロナウイルスによる中断期間中は日本へと戻り、6月28日に最終日が行われた国内ツアー開幕戦「アース・モンダミンカップ」で17位タイという成績をおさめた河本は、再び米国で戦う準備もすでに進めていた。そして7月14日、羽田空港から再渡米した。

国内ツアーのシード権も持っているため、もう少し日本で状況を見守ることもできた。しかし「もちろんコロナは怖い。でも、どうしたいかを考えたらアメリカに行きたかった」と、このタイミングで夢へのリスタートを切ることを決断。“志”と“大量のマスク”を持って機上の人になった。

現地到着後は2週間の自主隔離期間を経て、ツアーの中断明け初戦となった7月31日開幕の3日間大会「LPGAドライブ・オン選手権」に臨んだ。そして、ここでいきなり優勝争いに加わる。初日を首位と4打差の2アンダー・8位タイで滑りだすと、かつて「全米オープン」など男子のメジャー大会も開かれた難コースで2日目も一つ伸ばして、トップとの差を2打に縮めた。

しかし4位からスタートした最終日は前半にダブルボギーを叩くなど、なかなか伸ばせない展開のなかガマンを続けた。最終的には優勝したダニエル・カン(米国)に4打差をつけられるトータル3アンダー・4位に終わったが、それでも米初優勝を期待させるのに十分なゴルフは続けた。「自分の精神力も、経験も、技術力も上げていかないといけない。優勝できるように強くなっていきたい」。この気持ちをさらに強くする3日間となった。

しかしここから“苦闘”の時期に入る。翌週の「マラソン・クラシック」で予選落ちを喫すると、メジャー大会出場のため渡った英国でも前哨戦の「スコットランド女子オープン」、さらに「AIG女子オープン(全英女子)」で決勝ラウンド進出に失敗した。米本土に戻り臨んだ「ウォルマートNWアーカンソー選手権」、メジャー2大会目の「ANAインスピレーション」は4日間戦ったものの、それぞれ66位タイ、69位タイ。上位争いからはほど遠い場所でのプレーになってしまった。

さらに9月18日に開幕した「キャンビア・ポートランド・クラシック」で1打及ばずの予選落ちを喫すると、いつも前向きな河本の気持ちも大きく乱された。「日本に帰りたい。アメリカに来て正解だったのか…」。大粒の涙とともに、こんな弱音もこぼすほどだった。それでも気持ちを立て直し、10月の「ショップライトLPGAクラシック」、そしてメジャーの「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」でともに40位台ながら4日間をプレーしきった。

現在は日本に戻り、来週の30日(金)から始まる国内ツアー「樋口久子 三菱電機レディス」出場に向け再び2週間の自主隔離期間を過ごしている。慣れない異国生活のなかでいくつもの喜びと、そして苦しみを味わった22歳は、変わらぬ明るい笑顔と、成長した姿を日本で見せてくれるはずだ。

【河本結・再渡米後の海外ツアー成績】
LPGAドライブ・オン選手権:4位
マラソン・クラシック:予選落ち
スコットランド女子オープン:予選落ち
AIG女子オープン:予選落ち
ウォルマートNWアーカンソー選手権:66位タイ
ANAインスピレーション:69位タイ
キャンビア・ポートランド・クラシック:予選落ち
ショップライトLPGAクラシック:40位タイ
KPMG全米女子プロゴルフ選手権:48位タイ

<ゴルフ情報ALBA.Net>