明日開幕する「三井住友VISA太平洋マスターズ」。第48回を迎えることとなりましたが、今年は新型コロナウイルス感染症という今までにない状況に見舞われています。その中で大会側と選手たちは観戦できないファンの皆さまや社会のために何ができるかを考え、『ゴルフで支えよう、新型コロナ対策支援チャリティプロジェクト Supported by三井住友VISA太平洋マスターズ』というテーマを掲げました。

開催を迎えるにあたって、新型コロナ対策支援への取り組みとして、これまでオンライン上でのチャリティオークションや大会オリジナルチャリティグッズの販売、プロモーション動画の配信など様々な催しを行ってきました。その中でも選手や大会側が取り組んだ目玉企画のひとつが9日(月)に行われたジュニアゴルファーに向けた『ドリームレッスン』です。

ジュニアゴルファーへ夢や希望を与えたいという思いから立てられたこの企画。トーナメントのセッティングで、大会の開催週に行うレッスンとしてはツアー史上初の試みとなります。今回はそのドリームレッスンの模様をお届けします。ジャパンゴルフツアー選手会理事ジュニアゴルフ担当、小田孔明選手、重永亜斗夢選手の思いとともにご紹介していきたいと思います。

■これまでにない試みに、ジュニア選手たちも緊張ぎみ…!?
参加したジュニアゴルファー10人を教えたのは、小田選手、重永選手に加え、池田勇太選手と正岡竜二選手。4チームに分かれて、それぞれ5ホールを回りながらレッスンを行っていきました。

まず1組目池田選手の組には、「日本女子オープン」にも出場した双子の姉妹、岩井明愛(あきえ)さんと千怜(ちさと)さん(ともに埼玉栄高校3年)の姿が。トーナメントの開催コースで、しかも男子ツアーを代表する選手からのプライベートレッスン。スタート直後は「緊張しますね…!」と若干硬くなっていたようでしたが、「なんだかオレ、引率の先生みたいですよね(笑)」(池田選手)と冗談を交えつつ進むレッスンに、どんどん笑顔が増えていきました。

アプローチやパターの打ち方など、その都度アドバイス。うまくいかなければ「もう1回やってごらん」と丁寧に指導を行っていきました。

「男子プロのセッティングで回れる機会は中々ないので、とても楽しかったです」(明愛さん)。「アプローチをたくさん教えていただきました。今日1日で変わったところもあるので、続けていきたいと思います」と、レッスン会が終わった後も練習に打ち込んでいました。


■「ちょっと怖かったけど(笑)」プロのすごさを感じた5ホール
一方、1組後ろで回っていたのが小田選手の組。「優勝争いをしているときなら、こういう攻め方で… このピン位置だと、ここではアイアンのほうがいいから…」とマネジメントをメインにアドバイス。

この組で回っていた清水蔵之介さん(練馬区立八坂中学校3年)は、「はじめは小田選手って怖そうな選手だなと思っていたのですが…(笑)」と、こちらもやはり緊張していたそうですが、すぐに打ち解けた様子。「すごく優しくて、コースの攻め方が本当に勉強になりました」と進んで質問をする場面もありました。

「ゲームの組み立て方が、とても勉強になりました。5ホールで、プロとの大きな差を実感することができました」というのは、新垣厚樹さん(浜松日体高校3年)。プロトーナメントのセッティングの厳しさや、プロの技術を間近で見て、「いつか自分も、ここで戦いたい」という思いがますます強まったようでした。

■「自分の経験を、下の世代に教えていけたら」
レッスンを終え、キラキラした表情で帰っていったジュニア選手たち。そんな姿を見送る小田選手と重永選手に、あらためてジュニアゴルフ担当としての思いを聞いてみました。

記者「ジュニア選手たちとのラウンドはいかがでしたか?」

小田選手(以下、小田)「本当に飛ぶし、巧(うま)い!プロに対して教えているような感覚でしたね。ああいう若い子がすぐにでもツアーに出てくるでしょうし、それだけレベルが上がっているということですね」

記者「レッスンでは、どのようなことを意識して教えていましたか?」

小田「レッスンというよりも、コース攻略をメインに教えたつもりです。ジュニアだと2日間の試合が多いですが、将来はQTやプロテストなど4日間の大会が増えてくる。1日の戦いと4日間では戦い方が違うということを伝えました」

重永選手(以下、重永)「今のジュニアはやっぱり巧いですし、こうやって賞金王と一緒に回れる環境があるというのはいいですよね。僕たちの時代では考えられなかった。こういった機会を、ぜひ生かしてもらいたいですね」

小田「若い子たちが、憧れたプロにどんどん話しかけられるようになればいいですね。もっとフレンドリーに、どんどん聞ける状況を作ってあげれば、それだけ伸びていくと思います。そうやって我々が経験したことを下の世代に教えていければと思いますし、女子ツアーのように若手がどんどん増えて、新しいスターが出てきて盛り上がればいいなと思います」

■ジュニア選手たちから質問攻めを受けた、意外に教え上手な正岡選手は…
正岡「自分から聞きたいことを積極的に質問してくれたので、教えやすかったです。それをこれからの練習に生かして、ぜひ結果に結びついてくれたらいいと思います。頑張ってもらいたいですね。僕もこの試合でいい結果が出せる様に頑張りますので(笑)」

ジュニア選手たちが回ったコースは、明日からはプロが戦う舞台。その姿に未来の自分を重ね、よりいっそうゴルフへの思いを強くしてくれたらと願います。

いよいよ明日からは本戦がスタート。待ちに待った外国籍の選手たちも今週から参戦し、今週を終えればそのまま翌週の「ダンロップフェニックストーナメント」へ向かいます。

次週、宮崎で行われる同大会へは、JGTO(日本ゴルフツアー機構)としてチャーター機を用意しての移動。コロナ禍での大会開催に万全を期するための異例の措置ですが、プロスポーツ界でも恐らく初の試みとなったチャーター機での移動について、次回はじっくりご紹介したいと思います。

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