<ダイキンオーキッドレディス 事前情報◇2日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6561ヤード・パー72>

2021年の初戦となる「ダイキンオーキッドレディス」。その指定練習日の初日から、渋野日向子は昨年との変化を見せた。6番アイアンを2本入れたセッティング、1.2メートルほどのスティックを使用したパッティング練習。もちろん、それらは東京五輪での活躍、そして米ツアーで戦うための準備にほかならない。


その変化の1つには、練習ラウンドの“回り方”の変化もあった。1番ホールから明らかにアプローチの数、パッティングの数が昨年よりも増えていた。特に驚いたのが8番のパー3。ティショットを打った渋野は、グリーンまで向かうと思いきやピンまで55ヤードの位置でストップ。そこからアプローチを打ったのだ。

いくら風が強い琉球ゴルフ倶楽部でも、55ヤードもショートすることを想定することはないだろう。そう思い、古賀雄二キャディに確認したところ、やはり「課題克服のためです」という返答だった。他のホールでもそういった100ヤード以内から打つ場面が見られた。それはつまり、ウェッジを持つ機会が多い米ツアーを見据えてのことだろう。

日本よりも全体的に距離が長く、且つグリーンのアンジュレーションがきつくコンパクションも硬いことが多い米ツアーでは、必然的にパー5の3打目でウェッジを持ってボールを止めに行くことが多くなる。いわゆる100ヤード以内で、いかにピンに絡めることができるのか。そこでバーディ数に大きな差がつく。

もちろん、距離の短いパー4でもそうだ。チャンスホールをいかにしてものにするか。守備面だけでなく、攻撃面でもこれまで以上にウェッジの精度、アプローチの精度が求められるのだ。4番ユーティリティとピッチングウェッジを抜いて、ウェッジを4本(48°、52°、55°、58°)入れたのもパーを拾うアプローチだけでなく、攻めのバリエーションを増やす意味合いもある。思えば石川遼も米ツアー参戦時から同じように練習ラウンドで、「そこから試合で打つの?」といった40〜50ヤードの“中途半端”な場所から打つことが多くあった。

一方でショットの練習回数が減った。日本の女子ツアーは練習ラウンドで同じ場所からのショットは2球までと定められていることと、プレー時間を考慮してのことだろう。それだけショートゲームに時間と労力を割いている。

目の前の試合だけでなく、“その先”を見据えての練習も増えてきた渋野。4本のウェッジが体の一部となったとき、2つ目のビッグタイトルがより鮮明に見えてくる。(文・秋田義和)

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