<ダンロップフェニックス 最終日◇22日◇フェニックスカントリークラブ(宮崎県)◇7027ヤード・パー71>

伸ばし合いの大混戦となった「ダンロップフェニックス」は、17、18番を連続バーディで締めたチャン・キム(米国)がトータル17アンダーまで伸ばし、追いすがる片岡尚之と木下稜介を1打差で振り切って逆転優勝。賞金3000万円を加えて、賞金ランキングでもトップに立った。そんなチャンのキャディバッグの中身を見てみよう。


チャンが10月に勝った「バンテリン東海クラシック」のときのセッティングと比べると、ドライバーと3番ウッドのシャフトを『Tour AD DI』から『Tour AD UB』変更している。『UB』は先端から先中部の剛性を高めることでヘッドの無駄な動きを抑え、強く叩くことができる。グラファイトデザインが公開しているシャフトのイメージチャートを見ると『UB』は『DI』よりも少し低弾道となる。

チャンといえば、16、17、19年シーズンに3度ドライビングディスタンス1位に輝いたツアー屈指の飛ばし屋。11位に入った17年の「全英オープン」ではロンゲストアベレージドライブ部門で1位となっており、その飛距離はワールドクラス。12歳で280ヤード、15歳ですでに300ヤード飛んでいたというから驚きだ。

今シーズンのドライビングディスタンスは307.48ヤードで、幡地隆寛に次いで2位となっているが、「トップで終われたらいいけど、シーズン終盤は良いプレーすることのほうが大事。4番と12番が計測ホールだったけど、飛距離を狙うというより、しっかり堅実にいいショットを心がけた」とチャンは語る。賞金王レースが過熱する秋にシャフトを換えたのは、より確実性を求めてのことだろう。

ウッドの組み合わせはドライバー、3番ウッド、7番ウッドの3本で、5番ウッドは入っていない。これについてチャンは、「5番ウッドは自分にとってちょうどいい距離にならない。7番ウッドで5番ウッドくらいの飛距離は飛ばせる」と理由を説明する。

昨年、チャンが優勝した「日本シリーズJTカップ」では、3番アイアンが入っていて7番ウッドは入っていなかった。「アグレッシブに攻撃的にいく必要があるときに7番ウッドを入れる。例えば、ラフから飛ばしたいときは7番ウッドを使う。ほかのコースでアイアンが必要になるときは3番アイアンを入れることもある」とチャン。最終日のフェアウェイキープ率は28.57%で全体59位と低かったが、ラフからも積極的に攻めて9バーディを量産しており、フェニックスCCでは7番ウッドがはまったようだ。

バッグのなかで気になったのはパター。ツアーではインサート入りのパターを使う選手が大半だが、チャンはピンのブレード型ノンインサートパター、『HEPPLER ANSER2』と使っている。

「パターはフィーリングが大事。今年の全英オープンまではインサート入りだった。でも音と自分の感覚がマッチしていなかったので、ノンインサートパターに換えた。そこから音と感覚が合うようになり、自信につながっていった」。豪快な飛ばし屋のチャンだが、グリーン上では繊細な一面を見せる。

もうひとつ気になるのは、パターの白いシャフト。これも日本のツアーではあまり見ない。「デシャンボー選手が使っているのと同じシャフトで、ストロークが安定するという理由で使っている」とチャン。

この白シャフトはLA GOLFの『TPZ 135』で、ゴルフの科学者、ブライソン・デシャンボー(米国)が監修したもの。135グラムと重く硬く、ネジレを極限まで抑えた低トルクシャフトとなっている。カラーバリエーションにはホワイトとブラックがあり、デシャンボーはブラックを使う。ちなみに価格は4万円前後とドライバーのシャフト並みに高価。チャンはノンインサートヘッドと白シャフトの組み合わせで入れまくり、最終日の平均パットは1.5で全体6位の数字だった。

フェアウェイが狭くてもおかまいなし。飛ばして、乗せて、入れる、チャンのゴルフ。15キロのダイエットで体調も万全。初めての賞金王に向けてチャンに死角はない。

【チャン・キムの優勝セッティング】
1W:ピンG425 MAX 9度 Tour AD UB-7X
3W:ピンG425 LST 14.5度 Tour AD UB-8TX
7W:ピンG425 MAX 20.5度 VENTUS BLACK 8X
4I〜PW:ピンBLUEPRINT N.S.PRO SYSTEM 3+ TX
52、56度:ボーケイSM8 DG EX TOUR ISSUE X100
60度:ボーケイ ウェッジワークス DG EX TOUR ISSUE X100
PT:ピン HEPPLER ANSER2 LA GOLF TPZ 135
BALL:タイトリストPRO V1x

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