女子プロたちの使うクラブは気になるところ。ティーチングプロ兼クラブフィッターのQPこと関雅史がクラブセッティングを解説する。今回は2016年に17歳で「日本女子オープン」を制してプロ転向。翌年から米国女子ツアーを主戦場とし、米国6勝、国内7勝(アマ時代の優勝を含む)を挙げている畑岡奈紗のクラブをチェックする。


1998年度生まれのいわゆる黄金世代のエースだ。今年の「DIOインプラントLAオープン」で米女子ツアー6勝目を挙げるなど、世界ランキングは7位(6月20日現在)と日本勢最上位。あまりクラブを替えない選手として有名だが、今年3月に大きな変化があった。

これまでウッド系はスリクソンシリーズを使用していたが、今年3月からドライバーを昨年12月に発売された『ゼクシオ エックス』に変更している。12代続く日本一売れている『ゼクシオ』と路線の違ったシリーズだ。『ゼクシオ エックス』についてQPは「ゼクシオとスリクソンの間ぐらいの感覚。ゼクシオで初めてカチャカチャ機能がついたモデルです。カチャカチャをいじることでつかまりを抑えることもできるので、ツアープロの選手にも対応できる“ゼクシオ”といえます」と解説。優しさと操作性の良さを両立したモデルにスイッチした。

キャディバッグの中身でQPが注目したのはシャフトだ。まずドライバーの『ベンタス レッド』。世界的に人気のベンタスシリーズだが、赤は日本未発売モデル。「日本で展開する青や黒は先が硬いタイプですが、赤は先中しなりのモデルでしなりを感じられます」。そしてアイアンはカーボンと金属繊維が融合された『スチールファイバー』。「スチールよりもしなり感が強いため、ボールを押しつぶせるのでスピン量が増えます。特徴的に全体的に“ドローン”としなってタイミングが取りやすい。これはベンタス赤も同じ傾向で、統一感があります」。

全体的にしなるシャフトを好む理由としては、「畑岡選手は小柄ですがハードヒッターです。もしかしたらスイングスピードがどんどんクイックになる傾向があるので、ドローンとしなるシャフトだと、打ち急がずにタイミング的にいいイメージで振れるのだと思います」。

また、ボールも3年ぶりに変更した。この2年はスリクソンの軟らかいタイプの『Z-STAR』を使用していたが、この春から『Z-STAR XV』に替えている。もともと米国のグリーンで止まらないことから軟らかいタイプに替えていたが、畑岡自身は「(XVは)硬いと思っていましたが、グリーンで止まっていたので迷いなく替えました」と実戦の中で硬さを感じなくなったことで戻したという。

ボールが硬く感じなくなったのは、ボールの進化もさることながらQPはアイアンのシャフトも影響しているとも。「スピンが入ってボールが止まるから、打感的にもイメージ的にも硬い印象がなくなったと考えられます」。

さらに『XV』に替えたことでドライバーとのマッチングが良くなったと見ている。「ボールが上がりやすい『ゼクシオ エックス』と『XV』の愛称は非常にいいので、高打ち出し低スピンで飛距離も伸びていると思います」。世界のトップを守る畑岡を支える組み合わせという。

ボールが低スピンのモデルなら、上がりやすくつかまりのいいヘッドが合う。逆にスピンが入るボールなら、左に行きにくいちょっとハードなヘッドが合う。ヘッドの性能とボールの性能の組み合わせを考えることで、スイングを変えずによりいい結果につなげることができるのは、アマチュアにも参考になりそうだ。

【畑岡奈紗のクラブセッティング】
1W:ゼクシオ エックス ツアーモデル(8.5度/ベンタス レッド 5S 45インチ)
3W:スリクソン ZX(15度/ベンタス レッド 5S)
3,4U:スリクソン ZX(19、22度/ベンタス ブルー HB 7S)
5I〜PW:スリクソン Z785(スチールファイバーi 95S)
51,54,58度:クリーブランド RTX2.0(N.S.PRO 950GH S)
PT:ベティナルディ TOUR DEPARTMENT SS3 DASS
BALL:スリクソン Z-STAR XV

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