今週は広島県の広島カンツリー倶楽部 八本松コースで、アマチュア日本一決定戦、「日本アマチュアゴルフ選手権」が開催。近年はほぼプロ志望の学生ゴルファーが優勝者に名を連ねているが、2000年に「日本アマ」を制した社会人がいる。当時38歳だった和田博である。


和田は17年に55歳以上のアマチュアゴルファー日本一を争う「日本シニアゴルフ選手権」を制覇し、「日本アマ」、「日本ミッドアマチュアゴルフ選手権」(96年)と合わせて、史上初となるアマチュア日本タイトル3冠を成し遂げた。そんな和田が、ゴルフ雑誌847号で「欲を捨ててスコアを伸ばす心と技のマネジメント術」という企画に登場している。そのうちの一部、「陣取り」と「謝る」とは?

■ドキドキするストロークを1打でも減らす「陣取り」

「3メートルの上りのフックライン。入ればバーディだと思うと、強めにヒットしがちです。もし外せば80センチの下りのスライスが残り、3パットする可能性が高い。多くの方は80センチが残ってから我に返り、ドキドキのパーパットを打っています。私なら、このケースはジャストタッチ。たとえ外しても、パーパットはタップインでドキドキせずにすむからです。

『なぜドキドキするのか』と考えると、そのショットに失敗の不安があるから。毎ショットにドキドキしていては、2、3度は成功してもいつかは大ミスが出てしまうでしょう。ですから私は確率の高いショットが打てるように戦略を立てています。技量はすぐに向上することはありませんが、ドキドキの回数は誰でも減らせるのです。

例えば、私のホームコースである八王子CCの1番パー5はわずかに右ドッグしていて、左サイド狙いがセオリー。でも左にはOBがあるので、私は右サイドでもOKと考えています。ティショットを右のラフに入れても、3打目勝負と考えれば、2打目はショートアイアンなのでドキドキしません。ゴルフは『陣取り』ゲーム。両サイドがOBのパー4であれば、ティショットで狙う『陣地』は200ヤード手前でもいいと考えます。

グリーンを狙うときも同様です。日本のコースは受けグリーンが多いので、下りのパットが残るピン奥は避けたいエリア。ピンがセンター近くに切ってあるときは、ピンを扇の要として手前90度の範囲を『陣地』と考えます。もしピンが左右に振られていたら、ピンの真横のグリーンセンター付近より手前に『陣地』を設定します」

■陣地を外してしまったら、1ショット「謝る」

「陣地を決めて打っても、常にそこにボールが飛ぶわけではありません。私はラフやバンカーなどのトラブルに見舞われたら、70%以上成功の自信があればグリーンを狙い、それ以下の確率の場合はレイアップしています。陣地に打てなかったことに対して、1ショット『謝る』ことで、次の陣地を確実にキープするのです。

ティショットをミスしてボールは右のツマ先上がりのラフ。グリーン左は深い谷になっている場合、グリーンに乗る確率は数%ですから、1ショット『謝る』。グリーンを狙わずレイアップで、3打目にフルショットの距離を残すことを考えます。中途半端な距離を残すと、ドキドキしますからね。

仮にレイアップが成功したとしても、残り距離が番手のちょうど間というときもある。このケースも番手間の距離を残したことに対して、再び1ショット『謝る』のです。大きい番手で距離を落としたり、小さい番手で強振したりせず、どちらかの番手でフルショットします。それでナイスショットすれば、ピンの奥か手前、5ヤードにはつけられる。2回謝ってもパーパットが打てるチャンスは残ります」

和田が登場する本企画では、「陣取り」や「謝る」のほかにも、和田が日常生活で歩くときに意識していることや、自宅の鏡でやるアドレスチェックも紹介している。プロは「バーディをいくつ獲れるか」が勝敗を分けるが、アマチュアは「いかにボギーやダブルボギーを打たないか」が大事になってくる。トップアマのマネジメントのほうが、70台を目指す一般ゴルファーには参考になるだろう。

※和田博さんはボランティアで取材を受けています

和田博(わだ・ひろし)/1962年6月16日生まれ、東京都出身。八王子CC所属。96年に日本ミッドアマを制して、翌年からJGAナショナルチーム入り。2000年に日本アマ、17年に日本シニアに優勝して、史上初のアマチュア日本タイトル3冠を達成。弟の和田雅英もトップアマで、JGAナショナルチームに在籍していた。

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