<トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン 最終日◇31日◇ダンドナルドリンクス(スコットランド)◇6494ヤード・パー72>

古江彩佳が米ツアー初優勝を飾った。最終日に10バーディの「62」をマークしての大逆転。安定感が光ったショットも要因のひとつだが、それよりも今週はパッティングが際立ってよかった。


最終日は26パット。10コのバーディを決めればパット数がいいのは当たり前だが、初日からグリーン上のパフォーマンスがスコアメイクに貢献した。

元々安定したパッティングが古江の武器のひとつだが、今週は傾斜や芝目が強いコースでも、あわてることなく乱れることなく、次々とカップに沈め続けた。

優勝をグッと引き寄せた15番の10メートルのパッティングが最たる例。ライン読みも完ぺきならば、そこに合わせて打つタッチも見事だった。このバーディパットの成功の裏には、古江なりの工夫があった。「今週からやっています」と、練習グリーンでの秘策を明かす。

「芯でヒットして、フェースを真っすぐに当てるため」とボール2コを並べ、同時に打つという練習。フェースがスクエアの状態でヒットしなければ、どちらかのボールが先に転がってしまう。きっちり同じ速度で同じ距離が転がるストロークを心がける練習が、本番でも絶妙なタッチを生んだ。

機械や練習器具を使ってストロークの矯正をする選手は多い。「全米女子オープン」に勝ったミンジー・リー(オーストラリア)はマットを敷いて、パターヘッドが通る軌道を挟むように5本のティペグを挿して練習するが、「機械も持っていないので、持ってないことで、自分にできるのは2つボールを一緒に打つこと」と、創意工夫で抜群の転がりを手に入れた。

ピンに絡むショットを連発した中盤での6連続バーディも、一見するとショットで奪ったものに見えるが、それを決めきる力がなければ1日10バーディを奪うことはできない。米ツアー参戦初年度。手探り状態で進んできたこの半年の成長は、こんな身近な発想から生み出されている。

平均飛距離は246.71ヤードで135位。いくら伸ばそうとしても限界はある。そのため勝負ができる部分を磨き続ける。そんな古江のたゆまぬ探究心と発想力、そして努力が実った今回の勝利だった。

次戦もリンクスコースの「AIG女子オープン」(全英)が待っている。「切り替えてやっていきたい」と淡々と見据える今季最後のメジャー大会。また新たな秘策を持ち込んでくるのか。スコットランドの公式試合で優勝した初の日本人として、再びゴルフの本場を驚かせる姿を見せてほしい。(文・高桑均)

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