<三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日◇13日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>

最終日を3打差のトップでスタートした蝉川泰果は、1番ホールでいきなりピン横1メートルにつけてバーディを奪い、「蝉川の日」を予感させた。一気に独走態勢に入るかと思われたが、バーディはこの1番ホールのみ。そのあと5つのボギーと1つのダブルボギーを叩いて「76」と崩れ、8位でホールアウト。松山英樹と並ぶプロ転向2戦目での優勝はならなかった。


勢いを失ったのは、バーディ直後の2番ホールだった。ピン奥3メートルのバーディチャンスから3パットのボギーを喫した。そして4日間を通じて一番やさしい3番パー5では、ツマ先下がりのフェアウェイバンカーからの2打目をトップして土手に当たるミスから3オン。7メートルのバーディパットを1.6メートルショートして再び3パット。連続ボギーで石川遼に並ばれてしまう。

「いいバーディスタートだったんですけど、そこから短いパーパットを外して、連続で3パットをしてしまって、流れが悪くて…何もうまくいかなかった。今年の関西オープンでもあったんですけど、それと同じようなミスをしてしまっていた。実力不足だと思いました」。蝉川は涙をこらえながら、言葉を吐き出す。初めての最終日最終組となった4月の「関西オープン」では、「77」と崩れて17位タイに沈んだ。その悔しさと重なる。

バーディが獲れないなかでも、終盤まで首位に食らいついていた。つないでいた気持ちが切れてしまったのは、実測196ヤードの13番パー3。ピンは右奥だった。6番アイアンで打ったティショットはキャリーでグリーンをオーバーし、奥のバンカーの縁に止まった。「自分の距離的には奥はないなと思いながら打ちました。完璧なショットでペタピンだと思ったらバンカーのへりの上に止まっていて、そこからおかしいなという感じでした」。

足場はバンカー、ボールはヒザの高さの芝の上という奥からのアプローチは2メートルほどショートし、パーパットを入れることができずにボギー。「ボギーで上がれたんですけど、そこでちょっとアレって思いすぎたのが良くなかった」。その時点で首位に立っていた石川と星野陸也とは2打差で、残りホールを考えれば、追いつく可能性もあったが、16番パー4で4オン・2パットのダブルボギーを打ち、優勝争いから脱落した。

「周りを見すぎた。優勝スコアとか、自分の流れが悪くなったときに自分のプレーを見失っている部分もあった。1打1打集中していかないといけないと言っていたことが、まったくできていなかった。調子自体は悪くないと思うので、気持ちの持ち方であったり、流れを崩したときの対処を研究して、自分自身でもっともっと成長して次の試合を迎えられるように頑張りたい。またイチから作り上げていきたいと思いました」

蝉川のプロ人生はまだ始まったばかり。ほぼすべてのホールでドライバーを握る攻撃的なゴルフを貫き、そのスイングスピードや打撃音、そして飛距離は多くのギャラリーの度肝を抜いた。今週木曜日に開幕する「ダンロップフェニックス」でも、蝉川らしいビッグドライブを連発してくれるだろう。(文・下村耕平)

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