すでに今季2勝を挙げて通算20勝を挙げた鈴木愛のセッティングを分析。アマチュアの参考になる点はどんなところかをフィッター兼クラフトマン吉田智に聞いた。



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5Wを抜いて7Wを入れているのが鈴木プロのセッティングの特徴ですね。7Wの長さは5Wと同じ長さで調整しています。これをロフト調整機能で20.5度から1.5度立たせて19度で使っているのです。5Wと7Wのキャリーの差がなければ、どちらか1本で十分。FWの性能がどんどん上がっているので、1本抜いてより小さい番手を使うのが賢明でしょう。5Wと7Wの2本を無理に入れなくてもいいし、3Wの代わりに5Wを使うことも全然ありだと思います。

FWを1本抜いてほかの番手を厚くするのは、最近の女子プロの傾向とも言えます。FWは番手が大きいほどヘッドが大きくてダフリやすいので、ミスヒットする可能性が高くなります。1本抜いて下の番手を厚くするほうが戦略的といえますね。

彼女のセットでほかに特徴的なのが、ウッド系を”逃げ顔”で設定している点でしょう。インサイドに上げてプレーンに下ろしてドローボールを打つ彼女は、フェースが閉じているのを嫌がります。引っかけが出る怖さがあるのでしょう。調整機能でロフトを立てるとフェースがオープンになるので、右に打ち出す感覚が作れるのだと思います。1Wはロフトを10.5度から9度に、7Wは20.5度から19度にロフトを調整している点は参考になります。逆に、フェードヒッターはロフトを寝かせてフェースアングルを閉じる設定にすると、コスリ球を怖がらずに振れるようになると思いますよ。

最後に彼女は、トッププロには珍しい純正シャフトを多用するプロです。これは非常にアマチュアに参考になるセッティング。メーカーのヘッドを最大限に性能を発揮するのは、同じメーカーが製作した純正シャフトといえます。特にピンは高慣性モーメントヘッドで重いヘッドが特徴。シャフトがカウンターバランスで設計されているため、バランスが重すぎることがなくなるのです。それを知らずにカスタムシャフトに変更して、バランスをD0などに保とうとすると、シャフトをどんどん短くしないとバランスが取れなくなる可能性があるので注意してください。

【鈴木愛のクラブセッティング】
1W:ピン G430 LST(9度/ALTA J CB スレート S、45.5インチ、D0)
3W:ピン G430 LST(15度/ALTA CB ブラック 65R、43インチ、D0)
7W: ピン G425 MAX(19度/ALTA CB レッド 65R、42.5インチ、D0)
4U:ピン GT430(23度/TOUR 2.0 クローム 85R、39.5インチ、D0)
5U:ピン GT430(27度/TOUR 2.0 クローム 85R、39.5インチ、D0)
6I〜PW:ピン BLUEPRINT S(N.S.PRO 950GH neo R、36.75インチ【#7】、D0)
50度:ピン s159(CFS R、35.5インチ、D1)
54度:ピン s159(CFS R、35.2インチ、D1)
58度:ピン s159(CFS R、35インチ、D2)
PT:ピン PLD KUSHIN C
BALL:タイトリスト プロV1x

■吉田 智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている

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