前週行われた米ツアー「テキサス・チルドレンズ・ヒューストン・オープン」で選手たちのボールを見てみると、タイトリストの『プロV1シリーズ』が76%で圧倒的な使用率を誇っている。米国では実に4人に3人のプレーヤーが『プロV1シリーズ』を選んでいる計算だ。


その強さは国内でも揺るがない。同じく前週の国内男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」では、出場132名中66名が『プロV1シリーズ』を使ってプレー。使用率は50%で2位の28%(37名)を大きく突き放した。主な使用者には、昨年ともに2勝を挙げた今平周吾や谷原秀人などがいる。なぜツアーで『プロV1シリーズ』が人気なのか、選手たちに聞いてみた。

昨年11月の「ダンロップフェニックス」でアマチュア優勝を成し遂げ、プロとしてのキャリアを歩み始めた杉浦悠太は長年『プロV1x』を使っている。開幕戦では最終ラウンドで「62」のチャージを見せて、41位から23人抜きの8位に食い込んだ。


■杉浦悠太はしっかりした打感が好き

ボールの気に入っているところを聞くと、「一番はショットの打感ですね。アプローチとパターは気にしたことがないんですけど、良いから気にならないのかもしれない」と話す。『プロV1』に比べると『プロV1x』の打感はしっかりめ。「練習場で他のメーカーのボールを打ったりすると、何か違うなという感じ。僕は軟らかいよりはしっかりしている方が好きですね」。

23歳の前田光史朗は昨年、「ANAオープン」で優勝争いのすえに2位に入るなど、賞金ランキング42位で初シードを獲得した。「今年はツアー優勝を目指して、(最終戦の)JTに出たい」と意気込む。そんな前田も『プロV1x』ユーザーだ。「アプローチでどの高さに飛んでいくとか、何バウンド目でスピンが入るとか、自分のイメージと合っている」。多くのアマチュアがそうであるように、アプローチでスピンが利くところを気に入っている。

また、ショット時の性能についても「自分の思った飛距離がしっかり出てくれるし、なおかつスピンもしっかり入ってくれる。自分の理想の弾道に近い再現性を出してくれる」とべた褒め。そんなバランスの良さも使い続ける理由の1つだ。

今季からタイトリストに契約を一新したのは米澤蓮。もともとウェッジ、パター、ボール、グローブはタイトリストを使っていた。「海外の試合に出たときにサポート体制が良かったり、もともとクラブに興味もありました」と経緯を語る。

ボールは3年前から『プロV1x』を愛用。「アプローチの打感とかスピンをすごく気に入っています。ロングゲームもしっかり高さが出てくれる。『こうしたらもっと良い球が打てるのに』というところをボールが補ってくれている」と、その良さを感じている。


■幡地隆寛は短期間に『プロV1』→『プロV1x』→『レフトダッシュ』とチェンジ

男子では圧倒的に『プロV1x』使用者が多いが、ツアー屈指の飛ばし屋でもある幡地隆寛は昨年まで『プロV1』を使っていた。それを昨年11月の「カシオワールドオープン」で『プロV1x』にチェンジしている。

「ショットでフェースにくっついている感じがあったほうがコントロールできるので、V1を使ってきました。でも秋に調子が上がってきたとき、もっとインパクトの打ちごたえが欲しくて、V1xに替えたんです。だけど、ドライバーでフェードを打ったときに最高到達点くらいでピュッとめくれるイメージがあった」

全クラブで『プロV1』よりも『プロV1x』のほうがややスピン量は多くなる。幡地は『プロV1x』で少しだけスピンが増えてめくれるのが気になっていた。そんなとき、「プロV1シリーズ」に第3のボールが登場。『-プロV1x』(レフトダッシュ)だ。幡地は1月の発売イベントで初めて打ち、投入を決める。日本人で『レフトダッシュ』を使うのは幡地ただひとり。いったいどんなボールなのか?

「V1、V1xと比べたら一番距離も出ていましたし、スピン量も適正で上がりすぎない。V1とほぼ同じ球が出て、強さや硬さが加わった。僕の中でより良いボールが見つかりました」。『プロV1』では打感が物足りなく、『プロV1x』では少しスピンが入りすぎてしまう。幡地にとって気になっていた点が『レフトダッシュ』では完全に払拭され、飛び方とフィーリングがバッチリはまった。

すると幡地はいきなり結果を出す。2月に行われたアジアンツアー「ニュージーランドオープン」で『レフトダッシュ』を実戦初投入すると、トータル17アンダーで初優勝を飾ったのだ。「あのコースは地面が硬かったというのもあるんですけど、めちゃくちゃ飛んでいて、キャリーは無風でも軽く310ヤードは出ていた。行ってみたら350〜360ヤード地点にありましたね(笑)」。持ち味の飛距離を存分に生かしてバーディ量産につなげた。

『レフトダッシュ』は米ツアーでは2018年からシーディングをスタート。19年には市販されている。日本では5年遅れて今年2月に販売開始。順調に売り上げを伸ばしている。第3の『プロV1』登場で、今後のツアーでの使用率や市場での人気も変化していきそうだ。


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