3密回避ができるアウトドアスポーツとしてゴルフが人気を集めている。コロナ禍では、そんなニュースを多く耳にした。確かにゴルフ場、練習場とも混み合っている気はするが、ゴルファー急増は果たして本当なのか、ゴルフ業界各所に話を聞いてみた。
「コロナ前と比べてゴルフ場の来場者数は2割アップ」

ゴルフ場は平日の集客が伸びています。以前ならシニア層が中心でしたが、新たにゴルフをはじめた方やリモートワークの影響で、若い世代のゴルファーの姿が目につきます。アクセスが良く、カジュアルで、コスパが良いと三拍子揃ったコースが人気になっています。コロナ禍ではスループレーが広まりました。また「一人ゴルフ」のプランを導入するゴルフ場も見受けられます。どちらも新たなプレースタイル、時間短縮に、「周りを気にせずプレーに集中できる」などの理由で選ばれています。ALBA.Netのゴルフ場予約件数も増えていますね。
(ゼビオコミュニケーションネットワークス株式会社 ALBA事業部 斎藤健一郎氏)

「ゴルフショップでは初心者セットの売り上げが倍増」

新品から中古まで、幅広くラインナップするゴルフパートナーでは、コロナ禍で「ゴルフをはじめた人が多い」を裏づけるデータが。初心者用セットの販売は、コロナ前比でフルセットが197%、ハーフセットも179%と大幅アップ。客数も105%に。中でも20代は157%、10代も135%と顕著な伸びを見せている。
(数値はゴルフパートナー販促企画部調べ)

「練習場の来場者は前年比120%に」

来場者数は前年の120%前後で推移しており、ゴルフ人気を実感しています。今まであまり見ることのなかった、ゴルフ経験のない20代の方などがその象徴です。貸しクラブで練習して、精算時には「1ゲームいくらですか?」と言うような方も楽しんでいます。時短営業をしていたため、これまで仕事終わりに来ていた方は短時間で集中して練習し、来場回数も増しているように感じます。営業終了ギリギリまで、熱心に打たれる方も増えました。またリモートワークの影響か、日中の来場者数が増加しているため駐車場も混雑しています。3密回避のためスクールは、以前より人数を減らしています。レッスンを受けるのに数か月待ってもらうこともありますが、それでもスクールに通っていただく姿を見るとゴルフ熱の高まりを感じます。
(小山田ゴルフガーデン副支配人 大谷好美プロ)

「昨年末より会員権の相場が上昇中」

これまで低空飛行を続けていた会員権相場は、昨年11月から上昇基調が続いています。2021年上期は3.9%の上昇でした。とりわけ300〜500万円未満の価格帯が10%以上と大きく伸びています。コロナ禍の中、3密を避ける屋外スポーツとしてゴルフは見直され、メンバー志向が高まっています。入会相談は日を追うごとに活発で、売りに対する買い倍率は1.5〜2.0倍の様相です。安定した個人需要を中心に法人へと注文は広がり、しばらくこの状況は続くでしょう。買い方の変化も"予算を上乗せしてワンランク上の会員権を購入”、”ワーケーションの広がりによるリゾート会員権の購入"は新しい動きです。名門コースでも入会条件が緩和されるなど、ゴルファーにメリットのある施策が進んでおり、会員権の人気が高まっています。
(株式会社 桜ゴルフ 代表取締役 佐川八重子氏)

「ゴルフ関連アプリも大きく進化!」

ゴルフブームとスマホの進化で、ゴルフ関連アプリ開発に注力する企業が増えてきているように感じています。GPSナビやスイング分析をはじめ、最近ではゴルフに特化したマッチングアプリも話題です。中でも注目しているのが、弾道計測アプリ。高価な機材がなければかなわなかった弾道計測が、スマホがあればできてしまう。精度などはまだまだ発展途上ですが、ゴルフアプリの可能性を広げた革新的なテクノロジーです。
(ブログやYouTubeでギアやアプリをわかりやすく紹介するゴルフ雑記帳まささん)

こんなヒット商品もゴルフ人気ゆえ!?

もともと普段使いのバッグでラインナップしていた透明のPVC素材(塩ビ)を使った、中身丸見えのスケルトンキャディバッグ。発売当初は「見向きもされなかった」というのはmuta JAPAN株式会社の武田哲氏。ところが、雑誌に広告を載せたことがきっかけで問い合わせが殺到。「基本的に同じ商品は造らないんですが、あまりの人気で…、」と追加生産をするも、入荷すれば完売を繰り返すことに。優れたデザインはもちろん、SNSでの広まりや昨今のゴルフ人気が作ったヒット商品だ。


文/兵藤 宙
ALBA 825号から加筆転載