■ノンカロリーの水は飲んでも太らないはず……
よく「水を飲んでも太る」人がいるといわれますが、これはホントなのでしょうか?

結論から言うと、これは「ウソ」です。

水を飲めば一時的に体重が増えますが、数時間後には尿となって排出されます。また、たとえ尿にならなかったとしても、人のカラダは不感蒸せつといって、呼吸の際や、汗として、絶えず水分が失われていっているものなので、水はいつのまにか使われてしまうのがホントのところ(大体、尿とこの不感蒸せつで、1日2リットル以上の水が失われています)。

水は生きてゆくのに必要ですが、全くカロリーがないので、太らないはずなのです。

例えば、極端な話、海で漂流して、水しか飲めなかったという方が救助されたというニュースがたまにありますが、そういった方がその漂流の間、太るということは絶対ありえないですよね。

もちろん、非常に特殊な状況で、体に取り入れた水を排出できなくて、一時的にむくむことはあるかもしれません。例えば、手術直後の人は、血管以外の場所に水がたまってしまうので、2〜3日は顔が変わるほどむくみますし、腎臓が悪くて尿が出せない人は、水を飲みすぎればむくんで、体重が増えるでしょう(人工透析の患者さんは尿が自分で出せないので、毎日体重を量りますよね)。そこまで極端ではなくても、女性なら月経前はむくみますので、2kgくらいの体重差が出ることはよくあることです。

でも、これは普通に「水を飲んでも太る」といわれる状況とはちょっとちがいますよね。通常、水は飲んでも太らないのです。

それでは、なぜ「水を飲んでも太る」といわれるのでしょうか?

■「水を飲んでも太る」といわれるそのワケ
つまり、「水をのんでも太る」と思っている人は、「自分が実際に食べている量」と「自分が実際に食べていると思っている量」の間にずれがあるということです。

人間の食欲は、

・実際に食べ物が体に入ったことを神経か血液を介して脳の視床下部という所が認識すること
・今までの経験や記憶、価値観、それに伴った好みを脳の大脳皮質という部分で処理して、視床下部に指令を送ること

の2つでコントロールされているのです。

人間は、ほかの動物に比べて脳が発達しているので、後者の部分の比重が大きいと考えられています。だから、「いままで食べておいしかった」とか「なんとなく食べたい」とか、そういった今までの記憶や習慣、気持ちといった、ある意味高い脳の機能が、実際の食物を介して送られるカラダの情報を超えてしまうのだと考えられています。

つまり、「水を飲んでも太る」と考えている人はこの脳の高次機能によって「実際に食べている量」より「自分が食べていると思っている量」が少ないという錯覚を起こしているということなのです。

■認識のずれをチェックする
それでは、今度はこの「認識のずれ」を自分が起こしていないかをチェックしてみましょう。

・食事の量は少ないけれど、実は間食の回数と量が非常に多い
・間食を間食としてカウントしていない(「これはちょっとだから食べたことに入らないよね?」など)
・間食はしていないと思う。でも、仕事をしながらジュースや砂糖の入ったコーヒーはよく飲んでいる

また、認識の「ずれ」ではないですが、同時に陥りやすい「クセ」もあわせてチェックしてみましょう。

・目の前に食べ物があると、つい手が伸びてしまう
・イライラするとつい食べ物に手が伸びてしまう
・仕事をしながら、テレビを見ながら食べてしまうなどの「ながら食い」が多い

さて、いかがでしたしょうか?

■自分の行動パターンを理解しましょう
それではこの行動と認識の「ずれ」や「クセ」を自分で把握するためにはどうしたらいいのでしょうか?

一番のオススメは、とにかく1週間、3日でもいいので、自分が食べたものを書き出してみることです。この際、時間に沿って書いてゆくのがよいでしょう。書き出してみて初めて、自分の食べている量や、食べ方のクセがわかることも多いのです。

ダイエットを目的としている方は、これに加えて1日数回、決めた時間に体重を量ってグラフにするとよいでしょう。クセを直してゆくと体重が減ってゆくことが多いので、励みになります。

山田 恵子