■元SPEEDの今井絵理子参議院議員の不倫に思うこと
週刊誌のスクープで、元SPEEDの今井絵理子参議院議員の不倫報道がありました。スキャンダル相手の橋本市議と「一線は越えてない」と発言したことが話題になり、連日ワイドショーやネットニュースで報道されています。

実は、私は前職で務めていたレコード会社で、今井絵理子さんが在籍していたSPEEDを担当していました。デビューから解散までの数年間、ほぼ毎日のように行動を共にしていました。当時の彼女は真面目で何事にも一生懸命で裏表がない、関係者の誰からも評判が良い素晴らしい女の子でした。30代になった今と単純に比較することはできませんが、素直でまっすぐな彼女だからこそ、気持ちを止められなかった……という見方もできます。今回の一件は、マスコミや世間から糾弾される彼女を見るのがつらい気持ちもありながら、橋本市議の奥様の心情や二人の政治家としての行動として考えると、やはり容認されることではないという気持ちがせめぎ合うニュースでした。

今回のケースでの「一線」とはずばり肉体関係を指しているのですが、本当に「一線を越えた」のかどうかという真偽はさておき、当事者が「肉体関係がなければ(もしくは、肉体関係があったと証明されなければ)、正式な不倫ではない」という認識を持っていることが世論との大きなズレとなり、大きな物議を醸してしまったのではと思います。なぜなら、仮に「一線を越えていなかった」としても世間では通用しないのは明らかです。別居中とはいえ、妻帯者と一連の行動をした事実は、絶対に認められないでしょう。

発覚後の橋本市議と奥様の言い分も食い違い、「夫婦関係は破たんしていた」「いや、破たんしていなかった」という平行線で、まさに不倫劇以外の何物でもありません。

■男女で違う? 不倫の一線とはどこを指すのか
今回の事件から、独身女性のみなさんが学べることがあります。それは、男性と女性の考える、不倫や浮気の認識の違いについてです。

「浮気の境界線はどこから?」というリサーチ(2012年10-12月 ウレぴあ総研)によれば、以下のような報告がまとめられています。

■男性が考える「浮気の境界線」
1位:セックスをしたら 31.2%
2位:二人きりで出かけたら(デート) 18.4%
3位:キスしたら 16.0%
4位:好きという感情が芽生えたら 12.8%
5位:手をつないだら 8.8%

■女性が考える「浮気の境界線」
1位:好きという感情が芽生えたら 27.2%
2位:キスをしたら 20.34%
3位:手をつないだら 16.95%
4位:二人きりで出かけたら(デート) 16.1%
5位:セックスをしたら 14.41%

この結果からも、男女の浮気の境界線に差があることがわかります。簡単に言えば、男性の考える浮気とはより肉体的なものであり、女性は逆に精神的なものが基準になっていることがわかります。詳しく説明します。

■男性の不倫・浮気の一線は、「肉体関係」
結婚していながら他の相手と「肉体関係を持つこと」は貞操義務違反と不貞行為とされ、離婚原因や損害賠償責任の原因になり得ます。男女に関わらず、当事者の認識としても「完全にクロ」でしょう。

ただ、男性の場合、肉体関係を結ぶまでは「口説いている最中」であり、「正式な浮気や不倫ではない」という認識があるよう、罪の意識はほぼないと言えます。すでに、相手の女性に恋愛感情が芽生えていた場合も芽生えていなかった場合も、まだ浮気未満・不倫未満だと考えているのです。

そうなると男性が思う不倫は、「既婚ながら、肉体関係まで到達した関係」のことだと考えられます。

さらに、男性にとって、「恋愛感情が入っている肉体関係」と「単なる遊びの肉体関係」という2つに分類ができます。後者の場合、最初から「不倫・浮気をしたい!」と思っているケースで、「たまたま口説いたらうまく一夜を共にできた=浮気」を指しているのです。浮気をしたいときの男性は、真剣な恋愛感情がなくても女性を口説けるものです。

肉体関係という「裸の一線」を越えていない場合、不倫や浮気ではないという考え方を持つ男性が大半であるということは、夫を持つ妻としても知っておかなければいけません。女性がOKすれば肉体関係を結ぶ寸前の仲の不倫予備軍の相手がいるケースもあるからです。

■女性の不倫・浮気の一線は「恋愛感情」
一方、女性の場合は、既婚でも未婚でも、最初から「不倫・浮気をしたい!」と思う人は少なく、「好きになった相手が既婚だった」「好きだから不倫でもいい」という考え方を持ちがちです。

そもそも「好き」という感情があるからこそ、デートに出かけたり、手をつないだり、キスや肉体関係を結ぶものだと考える女性が多いので、どの段階であっても「好きという感情が芽生えたら浮気」という認識になるのです。この根本的で決定的な違いこそ、男女の不倫や浮気の認識の違いです。

女性は、男性に口説かれる時点で、恋愛感情があると感じます。それに応じたいと思う先に、肉体関係があるわけです。「好き」という感情が芽生えた後に肉体関係を結べば、相手に対する感情が高まっていくのは当然です。

しかし、相手の男性には、2つのパターンがあります。前述の「恋愛感情が入っている肉体関係」と「単なる遊びの肉体関係」のどちらで誘ったのか、ということです。つまり、恋愛感情があるのか、ただの遊びなのかによって、大きなギャップが生じてしまいます。

「もうすぐ奥さんと別れるって言ったのに!」「私が本命だって言っていたのに!」という修羅場に発展するのは、こういった認識の違いによるものではないでしょうか。

■「一線を越えてはいない」場合でも不倫や浮気になり得る
今回の当事者である橋本市議は「夫婦関係はすでに破たんしていて別居しているうえに協議離婚中である」と言っていて、暗に、「だから、これくらいなら大丈夫だと思っていた」という風に受け取ることができます。今井絵理子さんの主張も男性寄りの主張(=一線を越えなければ不倫ではない)なので、おそらく橋本市議とそのように話し合ったのでしょう。しかし、繰り返しますが、社会や妻から見れば「不倫関係」という認識になります。

このように、男女間でも認識の違いによって意図せずに恋愛から不倫に発展していくことは十分に考えられます。最初はそんなつもりがなかったとしても、既婚男性からの口説きやアプローチに感情が徐々に動かされて不倫や浮気に足を踏み入れてしまうことは十分に考えられます。

「自分たちでは身体の関係がないからまだピュアなのだ、不倫ではないのだ」というのは、周囲の人間にはまったくそれは通用しないというのが立証されたケースだと言えそうです。

久野 浩司