■美肌の最大の敵って?
「え、 歳には見えない!」という女性が増えてきていますが、美意識が高い女性は、年齢を問わず増えてきているように思います。メディアには、美肌を作るためのありとあらゆる情報が氾濫していますし、ドラッグストアでも百貨店でもたくさんの「アンチエイジング」グッズが並んでいます。

けれども、美容にとって一番の敵は、何か知っていますか。それは「ストレス」です。どんなに食事に気をつけていても、高級化粧品を使っていても、ストレスがかかっていたら、無駄になってしまいます。

あなたは、どんな風にストレスとつきあっていますか? ストレス発散の方法は人それぞれですが、ここでは、肌荒れのメカニズムと共に、ストレスと戦うホルモンや、ストレスとの付き合い方についてお話していきたいと思います。

■お肌が荒れる原因って?
化粧品にはお金をかけているし、スキンケアもちゃんとしている。それなのに、なんだか肌荒れが治らない……そんな経験はありませんか。原因はさまざまですが、肌荒れの原因は、一言で言えば活性酸素です。活性酸素は、肌の細胞を老化させる作用があります。

活性酸素は、ありとあらゆることで発生する物質です。寝不足や喫煙、紫外線でも発生する他、実は、食事や呼吸でも少しずつ発生しているのです。活性酸素をゼロにすることは不可能なので、少しでも無力化することが美容には重要。ゆっくり寝ることや、分煙されていない店はできるだけ避ける、などでも随分変わります。

活性酸素を取り除くこと=抗酸化は、もちろんスキンケアも大切なのですが、毎日の食事がとっても重要。野菜や果物に含まれるビタミンやミネラル、そして、野菜に含まれる第七栄養素であるファイトケミカルは、強い抗酸化力があります。

食生活を自炊に切り替えただけで、ずいぶんと体調がよくなったり、お肌がきれいになったりという声を聞くのは、抗酸化力の強い野菜を、自炊のほうがより意識して食べやすいからです。外食産業で使用されている古い油なども、活性酸素の原因になってしまうからでもあります。

カッコよく仕事もこなすけど、やっぱりキレイではいたい。今や、働く女性すべてが、そう思っているのではないでしょうか。いわゆる「高級化粧品」を買い、休みの日はエステやフィットネスに通い……なんていうキャリアウーマン像ができつつある昨今ですが、どんなにお金をかけても、なかなかすっぴんには自信が持てない……という女性の声を、多く聞きます。

まだまだ男性社会の要素が強い日本では、男性と同等の仕事ぶりを求められたり、うまくいかないことがあったりで、どうしてもストレスを抱えがち。気を使っているのに肌荒れが治らない女性のキーワードは、「ストレス」です。

■なぜストレスで肌荒れするの!?
ストレスが身体に及ぼす影響はさまざまで、いろいろな方面から、身体にダメージを与えます。

1. 活性酸素によるダメージ
紫外線やタバコ同様、精神的ストレスによって、活性酸素が発生します。活性酸素は、細胞を酸化=錆びつかせて、細胞の炎症を引き起こします。また、メラノサイトを刺激して、シミの原因となるメラニン色素の合成を促進する作用があります。

シミやくすみだけではなく、色素沈着や黒ずみの原因にもなります。活性酸素によるダメージは、抗酸化力の強いビタミンやファイトケミカルをしっかり摂ることで解決できます。

2. ホルモンバランスの乱れ
女性の体は、エストロゲンとプロゲステロンのバランスで身体の変化が保たれています。ストレスによってホルモンの分泌バランスが崩れてしまうと、さまざまな身体の不調を引き起こします。たとえば、エストロゲンには女性の肌や髪を美しくし、女性らしい身体にする働きがあるので、不足すると、肌荒れの原因になります。

また、ストレスを感じると、アドレナリンが分泌されます。アドレナリンは、胃腸の運動を抑制するので、食欲が減退します。下痢や便秘を起こしやすくなります。

慢性的にストレスを感じると、コルチゾールという、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンが過剰に分泌されます。コルチゾールには、皮脂の分泌を盛んにしてニキビができやすくなったり、血糖値を上昇させて太りやすくなったりなどの作用があります。

最近の研究では、コルチゾールによって脳の中で記憶を司る部位である「海馬」が萎縮することもわかっています。コルチゾールが過剰になることは、肌トラブルだけではなく、鬱などの精神疾患にも関わると言われています。

3. 代謝が落ちる
ストレスが慢性的にかかると、身体の新陳代謝が全体的に低下します。ストレスによって血流が悪くなり、冷えや肩こりの原因になります。また、新陳代謝が低下することで肌のターンオーバーが乱れて、古い角質が溜まりやすくなり、ニキビなどの原因になります。

また、角質の潤いが減少して、皮膚表面が硬くゴワゴワになります。化粧ノリが悪くなり、ザラザラした手触りの肌になります。

4. スクワレンの過酸化脂質
皮脂の中には、スクワレンという保湿成分が含まれています。普段は、肌が本来持つ天然保湿成分として働くスクワレンですが、ストレスを受けると、酸化してしまいます。過酸化脂質となったスクワレンが、皮脂を酸化させて、肌トラブルの原因になるのです。

ストレスは、適度に発散することが一番です。身体を動かしたり、趣味を楽しむ、人と会う、など、人によって発散方法はさまざまです。

ストレス対策について少し医学的にお話すると、ストレスと戦うホルモンであるセロトニンとどう付き合うかがポイントです。

■セロトニンって?
セロトニンとは、ホルモンの一種です。必須アミノ酸のトリプトファンというアミノ酸とビタミンB6によって生成されます。小腸で生成されるホルモンで、ストレス緩和や睡眠などに関わります。具体的なセロトニンの働きは、次になります。

1.?眠りが深くなる
セロトニンは、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの材料になります。逆に、セロトニンが不足すると寝つきが悪くなり、イライラとした気分になりがちです。

2.?ストレスと戦う
セロトニンは、感情のコントロールに作用していることがわかってきました。ストレスをなくして、ハッピーな気持ちにしてくれる「ハッピーホルモン」なわけです。

3.?どか食いを防いでスリムなカラダに
セロトニンは、満腹中枢を刺激する作用があるので、食べ過ぎを防ぎます。「ストレスでどか食い」なんて、負のループで、いつまでもダイエットできない!という人も多いのではないでしょうか。

「おなかいっぱい、胸いっぱい」と、セロトニンで幸せな気持ちを感じていたら、おなかが空かないということなんですね。では、セロトニンを増やすには、何に気をつければいいのでしょうか。

■ちょっとしたことで、セロトニンは増やせる

1.?セロトニンの「材料」をたっぷり摂って
セロトニンの材料は、必須アミノ酸であるトリプトファンとビタミンB6によって作られます。トリプトファンの多い食材は、大豆です。良質のタンパク質を効率良く摂取できるので、大豆を意識して取り入れるのがよいでしょう。

最近では、大豆タンパク質のプロテイン飲料などもありますね。また、肉や赤身の魚、乳製品にも多く含まれるので、意識してみてください。ビタミンBは、落花生やピーナッツなどに多く含まれます。また、果物の中ではバナナに多くのビタミンB、セロトニンが含まれています。

2.?空気をキレイに
キレイな空気をたっぷり取り込むと、血流が良くなって、セロトニン生成・分泌が高まります。特に、呼吸が深くなる睡眠時間の空気が重要。「部屋をキレイにすると気分が上がる」のは、空気がキレイになって、セロトニンも分泌されるからなんですね。

3.?腸をキレイに
セロトニンは、腸で生成されます。腸が汚いと、当然ながら、その働きも弱ってしまいます。食物繊維で腸の中を掃除してあげることと、「善玉菌」で腸を元気にしてあげましょう。

酸化した油は、腸の働きを鈍くしてしまいます。外食が多い人は要注意。できるだけ、外食では揚げ物よりも、焼き魚やお刺身など、油を使わないメニューを選びましょう。食物繊維の多い野菜やフルーツを意識して摂ることも忘れずに。

腸の中には、善玉菌と悪玉菌がいて、善玉菌優位のとき、腸内環境が整い、悪玉菌優位になると、腸の動きが悪くなったり、栄養の吸収が阻害されたりします。ちなみに、この他に、「日和見菌」という、善玉菌優位のときには善玉菌として、悪玉菌優位のときには悪玉菌として働く菌がいます。善玉菌優位な腸内環境を保つことが大切ですね。

善玉菌を増やすには、

・乳酸菌を多く含む食べ物(乳製品や納豆などの発酵食品)
・善玉菌の餌になる、オリゴ糖を多く含む食べ物
・食物繊維を多く含む食べ物(食物繊維は分解されると、善玉菌優位になりやすい酸性の腸を作り出すから)

を積極的に摂ってください。サプリメントなどの栄養補給食品によってこれらを補うのもよいでしょう。

■いい恋愛は、美肌のキーワード!?
セロトニンの分泌に関わるもう一つの大きな要因は、「恋愛感情」だと言われています。

恋愛の初期段階では、セロトニンの分泌が低下し、気持ちを昂らせるドーパミン分泌が増えます。ちょっとしたことで不安になったり、夜なかなか眠れなかったりする経験、あるのではないでしょうか。それは、セロトニンが低下しているせいです。「切なく苦しい恋心」は、セロトニンの低下、つまり、美容にはあまり良くないということでしょうか?

いいえ、心配なかれ。恋をしてドキドキしたり、恋するパートナーとキスをしたり、手を繋いだりすることで、オキシトシンという愛情を感じるホルモンや代謝を上げるアドレナリンの分泌が高まります。それによって、肌のターンオーバーが正常化して、よりいっそう、美しく輝くことができます。

恋愛が熟成し、お互いへの信頼関係が構築されて「ドキドキ感」がなくなって以降は、セロトニンの分泌は高まります。「一緒にいて安心できる」のは、セロトニンの仕業だと言うべきでしょう。

信頼しあえるそんな素敵な関係が生まれると、脳内からは常にセロトニンが分泌されます。つらいことや嫌なことがあっても、支え合うパートナーがいることで安心感を感じることができるのは、セロトニンのおかげなわけです。

美容の大敵とも言えるストレス対策に、一歩先ゆく女性は、ストレス解消の気分転換の時間を取りつつ、今回お話したセロトニンを増やすための努力を惜しみません。

食事や腸内環境ももちろんですが、忙しい女性の間では、美容とストレス解消を同時に得るために、恋愛を楽しむ人も増えています。「けれど、出会いもないし、好きな人もいない」と言う女性のために、最近では、疑似恋愛を楽しめるようなツールがたくさんあります。

疑似恋愛、といっても、何も、複数の男性とのアバンチュールを楽しむ、というわけではありません。どうしても、ホストクラブやセックスフレンドなど、少しマイナスのイメージに傾きがちですが、恋愛シュミレーションゲームや、好きな男性アーティストのコンサートに行くことも、ある意味では「疑似恋愛」のひとつの形ともいえるでしょう。

最近では、もっと手軽に疑似恋愛を楽しませてくれる「レンタル彼氏」を利用するキャリアウーマンも増えているんだとか。楽しく恋愛することは、ストレスを貯めずに美しくい続ける秘訣なのかもしれませんね。

山下 真理子