■カッコイイ、許せない?……さまざまな憶測を呼ぶ
所属していた大手事務所からの独立を発表するのに合わせて、既婚の俳優、豊原功補さんとの不倫を公表した女優でタレントの小泉今日子さん。自ら立ち上げた制作会社のホームページでコメントを発表した。

『俳優豊原功補氏は同じ夢を追う同士だと思っております。また一部の週刊誌などで報道されている通り恋愛関係でもあります。ですが事実ではない記事も多く、豊原氏の関係者の皆様にはご迷惑お掛けしております。豊原氏にはご家庭があります。』

出典:「小泉今日子からのご報告」2018年2月1日/株式会社 明後日(一部抜粋、原文ママ)

発表翌日には稽古場に現れ、「結婚とかそういうことではなく、今の事実をお伝えしたかった」と話した。コメントによれば、豊原さんは離婚しておらず、家族とは別居中だそうだ。この件に関しては、さまざまな感想が飛び交っている。

「略奪宣言?と思った」
「わざわざ発表する意図がわからない」
「こそこそするのがイヤだったのでは?」
「男がなかなか煮え切らないから、彼女が先に公表したのでは?」
「豊原さんの奥さんに、公表しなさいと言われたのかと思った」

などなど、もちろんいずれも憶測の域を出ないのだが、複雑な思いにかられた女性たちも多いようだ。

■信頼できる仕事仲間……でも、ここ数年は恋愛関係に
「芸能界では通用するのかもしれないけど、一般社会ではむずかしいですよね。公表できたら気が楽になると思うけど」

そう話すのは、サヤコさん(46歳)だ。彼女は人材派遣関係の会社を経営している。自分の右腕として活躍してくれているトオルさん(45歳)とは、仕事で20年来のつきあいがあり、ここ5年は恋愛関係にもある。

「仕事のつきあいで信頼関係ができ、私が会社を作ったときに他社から引き抜いて副社長に就任してもらったんです。毎日顔を合わせているうちに恋に落ちてしまった。私はバツイチの独身で、彼は再婚した女性との間に10歳と8歳のお子さんがいます。私は奥さんのことも知っていますから、いつも裏切っている罪悪感にさいなまれている。一緒に仕事をしていかなくてはならない人と恋愛関係に陥るのはつらいですよ」

一緒にいても周囲に不自然だと思われないメリットもあるが、仕事に恋愛感情を持ち込んではいけないと必要以上の緊張感でいつも張りつめているとサヤコさんは言う。

「この業界で、社長と副社長が不倫関係にあるなんていう噂が飛んだら、会社存続の危機ですね」

だからサヤコさんは、仕事のときは意図的に脳内のスイッチをオンにする。トオルさんとは「男女ではなく、長年つきあいのある仕事上の仲間」であることを肝に銘じているのだ。

「私たちのつきあいが長いのはみんな知っているので必要以上に事務的になるのも変だし。そのあたりは仲間意識が強いということで通していますが、ときどきふっと自分の中のオンナがでてきてしまうことがあって自戒しています」

■公表はできないけど、疑われてもかまわない
小泉今日子さんの公表で、ふと思い出されるのが衆議院議員・山尾志桜里さんの件。既婚の彼女が、やはり既婚の弁護士男性と不倫関係が噂となった。

山尾さんは男女の関係をきっぱり否定したものの、選挙で当選したあとは彼を政策顧問に任命。仕事で二人三脚をアピールしたが、男性側は離婚話が進んでいるという報道もある。

不倫は当人が認めない限り、あくまでも疑惑にすぎない。だからわざわざ認めないのだ。公表して得をすることがあるとは思えないから。

「公表したい気持ちはわかります」

スズコさん(49歳)はそう言う。彼女はとある企業の役員秘書。15年近く秘書を務めているが、ボスとは10年ほど恋愛関係が続いている。ボスは既婚、彼女は未婚だ。

「秘書は下手すると家族より一緒にいる時間が長いですから、恋に落ちやすい環境ではあるかもしれません。いろいろ秘密も共有していますし。ただ、私が秘書になってからボスはどんどん出世していってる。それがうれしい。一方で、彼にはいつでも待っている家族がいるのに、私はひとり。寂しさはありますね」

社内でふたりの関係が噂されたこともある。彼女は笑い飛ばし、ボスは馬耳東風を貫いた。出世競争にはつきもののリークもあるので、ふたりは細心の注意を払っている。

「彼が私の家に来ることもありますが、私は数年に一度は引っ越しています。長い間、同じところに住んでいると、近所で彼の姿を見られる可能性もあるので。あとは都内のホテルを利用して、時間差で出入りしています」

公表するなんてとんでもないことだが、疑われてもかまわないとスズコさんは腹をくくっているという。

「どちらかが認めない限り、噂は噂ですから。私の役目は彼をもっと出世させること、そのためには仕事でどれだけ彼のサポートができるか、です。仕事がうまくいかないと恋愛もダメになると思っています」

仕事というベースがあった上での恋愛なのだ。噂や疑惑などを怖がっていたら自分たちがつぶされると彼女は真顔で言った。

不倫を公表できる人は数少ないが、男女の関係には、「不倫」とひとくくりにはできないさまざまな事情がある。今まで「不倫叩き」一辺倒だった世論も、小室 哲哉さんの引退会見や小泉さんのコメントに揺れ、賛否が分かれていく傾向にある。

実際、不倫はあくまでプライベートな問題。恋愛話のひとつだと、認識されはじめているのかもしれない。

亀山 早苗