■結婚、出産、働き方……女性の人生のストレスポイント
女性の人生には、女性ならではのストレスポイントがたくさんあります。例えば、結婚や出産、夫の転勤などの大きなライフステージの変化によって、それまでの自分の人生が一変しやすいことも、その一つです。

また、ジェンダー(社会的性差)によるストレスにさらされやすいこともそうです。多様な生き方・考え方が認められるようになってきたとはいえ、「女性(妻、母親)はこうあらねばならない」、「女性はこんなことをしてはいけない」という言葉や考え方を受けて、負担に感じることもあるでしょう。

また、家事や育児は夫婦で分担してするべきと言われても、実際にはまだ女性が一人で何役もこなさなければならない場面が多いことも、ストレスの要因となります。特に仕事を持つ女性には、家事や育児、介護との両立が負担となり、心身ともに疲れ切ってしまう人が少なくありません。

■「主婦症候群」とは……夫婦、義実家、育児ストレスも
ワーキングマザーのストレスとは異なり、女性が結婚を経て主婦になると、主婦ならではのストレスを受けて、心のトラブルを抱えてしまうこともあります。こうした心のトラブルは「主婦症候群」などと呼ばれています。

主婦症候群は、夫婦のコミュニケーションの不和、義理の父母や親戚との人間関係の難しさ、家事や育児の身体的・精神的負担など、さまざまなストレス要因が複雑に絡み合って生じます。また、他人と接触する機会の少ない生活を送ることで孤独感に陥り、心の悩みを深めてしまう人もいます。

■ホルモンバランスの乱れも影響する女性特有の心身トラブル
また、女性の身体は月経周期のほか、妊娠・出産、更年期などホルモンの変化に大きな影響を受けます。

こうしたホルモンの変化によって、体調不良を感じたり心の乱れやすさを感じることがあるのです。特に以下の3つは、ホルモンの乱れが関係する女性特有の心身のトラブルの代表としてあげられます。

■月経前症候群(PMS)
排卵・月経によってホルモンのバランスが変化することにより、月経の始まる10日ほど前から心身の状態が不安定になるトラブル。通常は、月経開始後2〜3日で落ち着いてきます。精神症状がひどくなると、「月経前不快気分障害」と診断されることもあります。

■産後うつ病
産後約2週間目から約1年ほどの間にかかりやすいうつ病。産後のホルモンバランスの乱れに加え、出産と育児の疲れ、今後の育児への不安などが大きく影響します。

ちなみに「マタニティブルー」とは、産後約3〜10日ほどの間に産婦の約半数程度の人が経験すると言われる軽いうつ症状のこと。ほとんどの場合、1週間ほどで自然に治まります。

■更年期うつ病
閉経を挟んだ約10年ほどの期間を「更年期」といい、この期間に起こる心身のトラブルを「更年期障害」といいます。のぼせやめまい、多汗、食欲不振、肩こりなどの身体症状とともに、憂鬱感や苛立ち、不安がつのることもあります。

上のようなトラブルに心当たりのある人は、早めに婦人科を受診することをおすすめします。ホルモンバランスを整える薬や精神安定剤などを服用しながら治療していくのが、一般的です。

また、以下のようなポイントを参考にしながら、ストレスをためないようにゆとりをもって過ごすことも大切です。

■女性のストレス対策! うつを回避する5つのポイント
では、女性がうつを避けるためには、日ごろからどんなことに注意したらよいのでしょうか? ここでは、5つのポイントをご紹介しましょう。

1. 1日に30分でも自分の時間をもつ
忙しい女性は、まとまった「自分の時間」をとりにくいものです。そうした場合、「すき間時間」を上手に利用して、好きなことに没頭しましょう。手の空いたときにすぐに取り掛かれるように、リビングやキッチンなどに趣味のアイテムを置いておくとよいでしょう。

2. 周囲の多様な意見に惑わされない
育児や家事について周囲から多様な意見を言われると、どれを信じたらよいのか分からず、不安になる方もいるでしょう。過剰な情報にさらされていると、心の負担が増えてしまいます。自分が納得できること以外の情報は、適度に聞き流すことも大切です。

3. 休めるときにはしっかり休む
睡眠時間を削ってまで、家事などを完璧にこなす必要はありません。「疲れた」と思ったら、ゆっくり体を休ませましょう。また、日々の暮らしの中でも、疲れを感じたときにはティータイムにするなど、根を詰めてがんばり過ぎないようにしましょう。

4. 自分ひとりで抱え込まない
強い責任感によって、上手に他人に頼ることができない人は少なくないものです。すべてを一人でこなそうとせず、夫や家族、ご近所、友人などに「ちょっと手伝って」と呼びかけてみましょう。人の手を借りることによって、周囲とのコミュニケーションの活性化につながることもあります。

5. 自分の中で優先事項をしっかりもつ
「今週はこれとこれをやる」「ほかのことが中途半端になっても、これだけはしっかりやる」というように、優先事項を決めて行動することが大切です。「1日は24時間しかない」ということを、いつも心に留めておきましょう。

大美賀 直子