■「過払い金」私にもあるかも?

お金を借りることを経験したことがある方は、これまで様々な「過払い金」の広告を見てきていると思います。「自分にも過払い金があるのかも」と感じているかもしれません。

2010年6月に改正貸金業法が完全施行され、お金を借りる仕組みが大幅に変わりました。金利の上限も、これまでの利息制限法の範囲内である15%〜20%に統一されて定められました。

そのため、この新しい上限金利と出資法の金利である上限金利29.2%の間の、いわゆる「グレーゾーン金利」でお金を借りていた人は、お金を払い過ぎになっている可能性が高い……ということで、改正貸金業法完全施行前後は「過払い金返還請求」についての広告が法律家の間でもヒートアップしたのです。

もちろん、グレーゾーン金利でお金を借りたことがある方すべてに過払い金が発生するわけではありません。その金利で借りていた期間や借り方、返し方にも影響されます。

だいぶ広告が少なくなってきた今、「過払い金の対象だったかもしれないけれど、もう遅いかも」と思っていませんか。金利の引き直しの対象は10年以内。もしかすると、まだ間に合うかもしれません。

■完済していても、対象になる可能性がある
もうすでに返し終えていて(完済)、対象にはならないかもしれないと思う人もいるかもしれません。でも、完済していても10年以内の取引であれば、過払い金の返還請求は可能です。

取引の明細などが既にない場合でも、借りた会社に取引履歴を請求することで、過払い金が発生しているかどうかを知ることができます。

もしかすると自分にも過払い金があるかも、と思った方は、信頼できる法律家に相談するといいでしょう。自分で取り返すという方法もネット上では紹介されていますが、過払い金で経営を圧迫される結果になった貸金業界では、素人相手にはなかなか履歴を開示してくれないようです。専門家に頼るほうが確実です。

■過払い金返還のデメリット
前ページの最後に述べたように、一人で過払い金返還請求に取り組むことは全く不可能とは言えませんが、かなりの気力・労力や時間を要します。相当の精神力や知識なども必要になるでしょう。なかなか思うように対応してもらえないという場合もあります。これが、一人でやることのデメリットです。

やはり間違いない方法は、法律家(弁護士もしくは認定司法書士)などのプロに相談してみることです。プロに頼むと成功報酬などの費用がかかることがデメリットと言えるのかもしれませんが、プロに頼んだからこそ、過払い金をきちんと返してもらえる場合もあります。

それと、デメリットとは言い切れませんが、2010年以前に過払い金返還請求を行った方はその事実が信用情報機関に記載されている可能性もあります。貸金業者から見ると、いわゆる「ブラックリストに載る」ということです。ですが、過払い金返還請求を行った状況によっては個人信用情報に登録されない、ということが金融庁の方針として明示されています。

■信用情報機関に登録されるケース、されないケース
過払い金請求というものは、債務整理と性質が似ています。2010年までは、過払い金返還請求をした人の個人信用情報に「契約見直し」等の情報が登録され、ブラックリストに載ってしまう状況を引き起こしていました。

そのため、いったん完済し、時間が経過してから過払い金返還請求を行うというやり方が、個人信用情報機関に登録されない方法などとも言われてきました。

ですが2010年より、返済中であっても過払い金返還請求をすることで債務がゼロになり、なおかつ支払い過ぎたお金も返還された場合は、個人信用情報機関には登録されないことになりました。これは金融庁が「信用情報とは支払い能力に関する情報であり、返還請求の有無は信用情報に当たらない」という見解を示し、個人信用情報機関に履歴の登録や提供の停止をさせたためです。

ただし、現在進行形で返済中の方が請求し、金利の引き直しをしても債務が残ってしまう場合、「任意整理」といって債務整理とほぼ同じ状況になるため、個人信用情報に登録されます。

また、個人信用情報機関には登録されないとはいえ、取引のあった業者の独自の情報として過払い金返還請求の事実が残っていきます。そのため、請求を行った業者とは将来的にも取引は難しくなるでしょう。

もし、登録されるはずのない自分の過払い金返還請求の履歴が個人信用情報機関に残っていれば、登録を消してもらうこともできます。記事「ブラックリストから消してください!」で方法を紹介してますので、あわせてご覧ください。

横山 光昭