■J−REITには需給不安が当面残りそう
高配当株と人気を二分してきたJ−REIT(不動産投資信託)の旗色が悪くなっています。東証REIT指数は1年4カ月振りに1700ポイントを割り込むなど、株価とは真逆の動きになっているのです。そこで新たな高利回り商品として注目したいのが「インフラファンド」です。インフラファンドとはどんな商品なのかご紹介しましょう。

J−REITの全上場銘柄の平均利回りは4.0%を超えているものの、その高利回りに着目した投資資金の流入が見られません。2018年以降にオフィスの大量供給が控え、また長期金利に上昇懸念が出ていることなどがその要因と考えられます。

さらに、J−REITを投資対象としている毎月分配型投資信託から、断続的に売りが出ていることも見逃せません。金融庁が毎月分配型投資信託を複利効果が期待できなく、また手数料稼ぎの回転売買の道具に使われていることを非難しているからです。

J−REITは需給関係に当面改善が期待できないことから、需給面に不安がない商品としてインフラファンドに注目したいのです。

■インフラファンドには7.0%を上回る高利回り銘柄も
インフラファンドとは、投資家から資金を募り、太陽光発電所や道路、空港などのインフラ関連施設に投資する金融商品です。太陽光発電所に投資する商品ならぱ、売電収入を得て投資家に分配が行なわれます。

インフラファンドは上場されているため、株式と同じように売買することができます。投資家は、景気に左右されることなく安定した収益が期待できる一方、国や自治体はインフラ事業に民間資金を誘導でき、財政負担を軽減できるという双方にメリットがあるのがインフラファンドです。

2017年7月25日現在、3銘柄のインフラファンドが上場されています。3ファンドともに太陽光発電設備に投資される商品です。太陽光発電は、一定の価格で電力を買い取る固定買取制度により、20年間の買取期間が決まっています。一度確定した買取価格および買取期間は、一定の例外的な場合を除いて満期(20年間)まで変更されることはありません。このため安定した売電収入を得ることができるため、投資家側にも安定した収益が期待できます。

■10年間の長期業績予想を開示している
いちごグリーンインフラ投資法人
安定した収益を得られるため、いちご投資顧問が運用する「いちごグリーンインフラ投資法人」は、10年間の長期業績予想を開示しています。同投資法人は、不動産業を営むスポンサー(いちご株式会社)により建設された強固で安定性の高い発電所に投資されています。

分散の効いたポートフォリオ運用により、地域的なリスクも最小化されています。1日ごとの発電量や、ライブカメラを通じた現地の様子をHP上に表示する積極的な情報開示を行っています。

同投資法人は6月30日が決算だったため、今期から9年間の平均分配金額は7573円。7月25日の終値、9万6500円で平均分配金利回りを計算すれば約7.85%の高利回りとなります。7月3日に新たに2つの発電所を取得したことにより分配金額は17.7%の増額予想となっています。今後も新たに発電所を取得すれば、さらなる増額が期待できそうです。

太陽光発電は政府が決める売電価格が開始当初の2012年から半値近くまで低下したため、成長力は期待できにくいでしょう。このためインフラファンドは、売却益が期待しにくいかもしれませんが、分配金が減額されるリスクはJ−REITや株式よりも低いと考えれることから、売却益狙いよりも分配金(インカムゲイン)狙いの商品と言えるでしょう。

高利回りが期待できますが、3銘柄の上場に過ぎないため、市場規模が小さく、機関投資家の資金が入りにくいという流動性の懸念は拭えません。一方で、機関投資家の決算等絡みの売買、毎月分配型投資信託による売買に翻弄されにくいというプラス面もあります。

高利回り商品として、今後に期待が持てる金融商品の1つとして覚えておいて損のないのが、インフラファンドと言えそうです。

深野 康彦