2014年10月から拡充された教育訓練給付制度。従来と同様の「一般教育訓練の教育訓練給付金」に、新たに「専門実践教育訓練の教育訓練給付金」が加わって、2本立てになりました。条件に合えば、離職後のママも利用できます!

■ママだって国の補助でスキルアップ
教育訓練給付制度をご存知でしょうか?「雇用の安定と再就職の促進を図る」目的でつくられた雇用保険の制度で、つぶしの利くスキルや資格を身につけましょう、というもの。

利用するには一定の条件をクリアしなければなりませんが、該当するなら雇用保険の補助を受けながらスキルアップや資格取得ができるので、上手に活用したいものです。

「どうせ私には関係ないでしょ」と思った主婦ママや、これから妊娠・出産で仕事を辞めるかもしれないと考えているアナタ。あきらめるのは早いです。この制度、条件さえ合えば、会社を辞めた主婦でも利用できる可能性があります。

■対象となる講座は意外と幅広い
条件を満たす雇用保険加入者(在職者)や離職者が指定の教育訓練を修了した場合に、支払った費用の一定割合(上限あり)について、ハローワークから支給を受けられる制度です。

利用できる講座は、雇用保険加入期間が原則3年以上(初回1年)の「一般教育訓練」と、原則10年以上(初回2年)の「専門実践教育訓練」では異なります。

●一般教育訓練
情報処理、語学、簿記、社会保険労務士、宅建、ホームヘルパー、インテリアデザイナーほか、幅広い講座が対象になっています。通学のほか、通信教育が該当するものもあります。対象講座は厚生労働省の講座検索サイトで検索することができるほか、ハローワークでも閲覧できます。

●専門実践教育訓練
・業務独占資格、名称独占資格の取得を目指す養成施設の課程(訓練期間1〜3年) 看護師、介護福祉士、保育士、建築士など、専門的職業に就業するための教育訓練 ・専門学校の職業実践専門課程(訓練期間2年):工業、医療、商業実務など、専門学校の専門課程のうち、企業などとの連携により、最新の実務知識などを身につけられるよう教育課程を編成したものとして文部科学大臣が認定したもの ・専門職大学院(訓練期間2〜3年):高度専門職業人の養成を目的とした課程こちらも、対象講座は厚生労働省の講座検索サイトで検索することができるほか、ハローワークでも閲覧できます。

■教育訓練給付の支給額?
講座の受講を修了すれば、ハローワークより教育訓練給付が支給されます。金額は次のとおりです。

【金額】
指定された教育訓練を受けて修了した場合、その受講のために受講者本人が教育訓練施設に対して支払った教育訓練経費の一部が支給されます。一般教育訓練給付か専門実践教育訓練給付かで支給額も異なります。

●一般教育訓練給付:20%相当額(10万円が上限)
4000円を超えない場合、教育訓練給付は支給されません。

●専門実践教育訓練:40%相当額(1年の上限額32万円)
訓練期間は最大3年間のため、最大96万円が上限。4000円を超えない場合、教育訓練給付は支給されません。

専門実践教育訓練を修了後、定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に一般被保険者として雇用されたかすでに雇用されている人には、教育訓練経費の20%を追加支給。つまり、合計60%に相当する額が支給されます(上限額は、訓練期間が3年の場合は144万円、2年の場合は96万円、1年の場合は48万円)。

■条件を満たせば「教育訓練支援給付金」ももらえる

専門実践教育訓練の給付金を受給できる人のうち、受講開始時に45歳未満で離職している、初めての給付であるといった一定条件を満たす場合は、「教育訓練支援給付金」も支給されます。

教育訓練支援給付金は、平成30年度までの時限措置。詳細については居住地域のハローワークで確認してください。

【対象となるもの】
・入学金
・受講料(教科書代等は含む)
※割引制度が適用された場合は割引後の額

【対象とならないもの】
・検定試験受験料
・補助教材費
・補講費
・交通費
・パソコン等器材 等

■教育訓練給付の申請先と申請の締切は?
受講修了後、ハローワークに必要書類を提出(簡易書留も可)して手続きをします。ただし、修了後1カ月以内がリミットです。これを過ぎると申請を受け付けてもらえませんので注意!

■教育訓練給付を利用できる人は?
教育訓練給付金の支給対象者は、次のいずれかに該当し、国が指定する教育訓練を修了した人です。

●一般教育訓練給付
受講開始日現在、雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めての支給の方は1年以上)で、前回の教育訓練給付金受給から3年以上(※)経過しているなど一定の要件を満たす雇用保険の被保険者、または被保険者であった離職者(離職日の翌日以降、受講開始日まで1年以内)。

※平成26年10月1日前に教育訓練給付金を受給した場合は、この取り扱いは適用なし

●専門実践教育訓練
受講開始日現在、雇用保険の被保険者期間が10年以上(初めて支給の方は2年以上※1)で、前回の教育訓練給付金受給から今回の受講開始日前までに10年以上※2経過しているなど、一定の要件を満たす雇用保険の一般被保険者、または一般被保険者であった離職者(離職日の翌日以降、受講開始日までが1年以内)。

※1 平成26年10月1日前に旧制度の教育訓練給付金を受給した場合、初めて専門実践教育訓練を受給する場合は2年、同年10月1日以降に旧制度の教育訓練給付金か一般教育訓練給付金の支給を受けた場合は10年以上

※2 平成26年10月1日前に教育訓練給付金を受給した場合はこの取扱いは適用なし

■妊娠・出産で退職時に教育訓練給付の延長も

「主婦ママでも教育金連給付金を利用できる場合があります」と冒頭に書きましたが、前項の「離職者」の条件では、退職後1年までしか利用できないように読めます。

実は、ここに書かれていないのですが、妊娠・出産、育児等やむを得ない理由で退職する場合は、教育訓練給付の受給の延長も可能です。実際には離職後30日以内に、雇用保険の延長申請を行い、それと一緒に教育訓練給付の延長を申請することで、最長3年まで延長できます。

つまり、雇用保険加入年数などの受給条件が合えばですが、会社を辞めて1年以内だけでなく、退職から4年以内であれば、教育訓練給付を受給しながら資格を取ったり、スキルを磨くこともできます。通信講座などで該当する講座もありますので、ぜひ活用したいですね。

妊娠・出産、育児などで退職する際は、延長手続きは必須といえますね。

■ガイド豊田からのアドバイス
・給付金を受給できるのは講座修了後ですので、それまでは自腹となることはお忘れなく!
・修了後はすぐに手続き済ませましょう。
・本当に自身が該当するかどうか心配なときは、あらかじめハローワークで確認してから利用しましょう。
・不正受給はNGです。2倍の罰金がかかるうえ、場合によっては詐欺罪として刑罰を受けることもあるので、絶対に行わないこと!

豊田 眞弓