■相続が発生したら、どんなことにお金がかかる?
先日、ある方がこうおっしゃっていました。「せっかく残してくれたお金を相続手続きで使い切ってしまった」。その方を含めた相続人たちで相続預金を分けようと考えていたが、何かとお金がかかり、分けられなくなってしまったとのこと。

相続が発生すると様々な費用がかかります。考えていた以上の費用だったり想定外の別の費用も……。今回は相続の際にかかる費用をいくつかご紹介します(記載の他にも細かい諸費用はありますが省略しています)。

■一般的な費用の種類や金額は?
相続の実際の費用はケースによって様々ですので、あくまで目安と考えて下さい。

●葬儀費用
地域によって差があるようですが、葬儀一式、寺院関係、飲食の費用などで、平均200万円位といわれています。最近は家族葬や低価格葬を行う業者もあり、100万円程度で行えることもあるようです。

●仏具の購入
仏壇や位牌などの仏具には、大きさや素材などで差がありますが、平均40万円くらいといわれています。

●お墓
あらたにお墓を購入すると、墓石の種類、墓地の種類にもよりますが、250万円程度が見込まれます。墓石150万円+永代使用料100万円+年間の管理費といった費用がかかります。

●法要
四十九日にかかる費用は出席者数で異なりますが、納骨費用も含めて30万円程度といわれています。

●遺品整理
亡くなられた方が一人暮らしなどで片付けが必要な際に、遺品整理やクリーニングを業者にお願いすることがあります。部屋の数や広さなどにもよりますが、30万円程度が見込まれます。

●相続証明書類
金融機関や保険会社、法務局や税務署など、相続後の手続きで何かと必要になる「相続人を特定するための戸籍謄本など」の書類をいいます。出生から相続までの戸籍一式を1セット揃えると1万〜2万円程度かかることが多いですが、ほとんどの機関で手続き後に戻してもらえ、使い回しが可能ですので何セットも揃える必要はありません。なお相続税の申告が必要な場合、相続証明書類は税務署に提出し戻ってきませんので、この分もう1セット必要ということになります。

●相続税
遺産の金額が基礎控除(相続人の数によって異なります)を超える場合は相続税の申告が必要です。平成26年までは相続税が発生する人は4.2%程度と少数でしたが、相続税の増税の影響から、平成27年は8.0%に増加しました。

●ゴルフ会員権の名義変更手数料
相続人に名義変更する際の手数料です。20万円〜200万円程度のところが多く、なかには1000万円を超えるところもあります。なお相続による名義変更手数料は半額にしているところも多いですが、それでも会員権自体の価格より高いことも少なくありません。

●遺産整理業務
主に信託銀行が商品としている「遺産整理業務」。財産目録の作成や各種の名義変更等の代行・手配、各種士業などの手配を行うもので、報酬は100万円〜となっています。実際に士業や名義変更の際にかかった費用は含まれておらず、これらは別途費用がかかることになります。

■必要に応じて依頼するプロの種類や金額は?
相続の際に必要に応じてプロ、いわゆる「士業」に業務をお願いすることがありますので、その種類と費用をご紹介します。なお士業の報酬は遺産の規模や業務内容で大きく異なりますので、依頼する前に見積りを取ることが大切です。

●行政書士
相続人を特定するための戸籍謄本などの「相続証明書類の代行取得」や名義変更に必要な「遺産分割協議書の作成」「名義変更代行」などを請け負います。ただし不動産の名義変更はできません。報酬は20万円程度〜が一般的です。

●司法書士
行政書士の業務に加え、「不動産の名義変更」も請け負います。遺産に不動産がある場合は司法書士がよいでしょう。報酬は30万円程度〜が一般的です。なお不動産の名義変更(相続登記)の際には、別途、登録免許税(固定資産税評価額×4/1000)がかかります。

●税理士
相続税の申告が必要な場合は、税理士が「相続税の申告書の作成」を請け負います。報酬は遺産額の1%程度が一般的です。相談は無料としているところもあり、相続税がかかるのか否か、まずは相談するとよいと思います。

●測量士、土地家屋調査士
相続する土地を分けたり(分筆)、相続後に不動産を売却するなどの場合は測量が必要です。測量士と土地家屋調査士を兼業していることも多く、報酬は50万円程度〜が一般的です。

●弁護士
遺産分割でもめてしまったりすると、相談先は弁護士になります。報酬は遺産額や経済的利益などで大きく異なり一概にはいえませんが、遺産額の15%程度がひとつの目安になります。

初めての相続だと、何にどれくらいの費用がかかるか、見当も付かない人も多いことでしょう。もちろん状況によって費用は異なりますが、上記は目安にはなると思います。また、自分の相続のことを考える場合でも、将来どれくらいの費用がかかるかを知っておき、残された相続人が困らないようにしておきたいものです。

小野 修