■おひとりさまが死亡したときにかかるお金をどう用意する?
死亡保障は、おひとりさまが亡くなったときにかかる費用に備えるのが目的。自分のためというより、残される親や兄弟姉妹のための保障です。死亡したときにかかる費用は、お葬式代、法要代(四十九日・新盆・一回忌・三回忌など)、お墓代、永代供養料金があげられます。

お葬式代は、どんなスタイルにするかで金額は大きな差が出ますが、最低限の簡素なお葬式でも50万円くらいは見込んでおいた方がいいでしょう。その後の法要は、三回忌くらいまで営んで欲しいなら、50万円くらいは必要です。

お墓は、「先祖代々」や「○○家」など、遺骨を納めてもらえるお墓があればお墓代の用意は不要です。ただ、兄弟姉妹との関係でお墓に納めてもらえない、納められたくない、死後もひとりでのんびりできるお墓に納まりたいと考える人は、お墓代の準備も必要。お墓代はけっこう高くて、300万円〜500万円くらいは見込んでおいた方がいいでしょう。

これまでの話を整理すると、その人の考え方で、準備しておく死亡保障の額は下記のようになります。

・お墓があるなら、お葬式と法要代で100万円くらい
・お墓が必要なら、お葬式代+法要代+お墓代で500万円くらい。お墓を守ってくれる人がいなければ、永代供養代も考慮を

この程度の金額は、貯蓄でも備えが可能です。従って、すでに、500万円以上の余裕資金があれば保険で備える必要はありません。まだ、そこまで余裕資金が積み上がっていない人は、積み上がるまで保険で準備をしておいた方がいいかもしれません。その場合は、10年満期の定期保険がオススメ。定期保険の最低保障額は500万円の商品が多いので、必要な金額より多くても500万円で契約を。貯蓄が必要額まで積み上がったら必要なくなるので解約してください。

■おひとりさまの入院保障は終身医療保険で!
医療保障は、入院・手術でかかる費用の備えで、自分のための保障です。将来の公的健康保険制度や医療関係商品の保障内容はどう変化していくかわかりませんが、死亡するまで必要なものなので、終身医療保険を利用するのが無難。入院日額は5000円または1万円。保険料と保障内容との兼ね合いで、入院日額はどちらでもかまいません。少なくても、準備してあることが大切だからです。

保障内容は、入院と手術、先進医療があればOKです。保険料払込期間は、若い人は有期払い(60歳・65歳までなど)の方がいいでしょう。寿命は延びつつあり、終身払いにすると、高齢期の保険料負担が大変だからです。有期払いは選べない年齢、終身払いしかない商品は選択肢がないので、死亡するまで保険料を払い続けるしかありません。この場合、収入が減る高齢期でも保険料を払い続けられるかどうかで、入院日額を決めるといいでしょう。

今の医療保険は、日帰りまたは1泊2日以上の短期入院でも入院給付金が出る、日帰り手術(外来でも)でも手術給付金が出る、先進医療保障が標準装備されている商品がほとんどです。過去に医療保険に加入していて、5日以上の入院で5日目から保障される、手術は約款88種に限定されている、先進医療保障がないという内容の場合、最新の医療保険に入り直す、今の医療保険はそのままで追加加入するといいでしょう。すでに、病気にかかっていて通常の医療保険には加入できない場合は、引受基準緩和型医療保険を検討してもかまいません。

■おひとりさまの介護保障はどう考える?
寿命が延びつつある昨今、要介護の程度に差はあっても、他人のケアを受けないと生活できない期間が必ずあると思っていた方がいいでしょう。そうなると、当然、自立した生活よりお金がかかります。おひとりさまは、家族がケアをしてくれることは考えにくいので、お金の用意がないと必要なケアを受けられないかもしれません。介護保険は、その備えができる保険ですが、商品数は少なく、選択肢があまりないのが実情です。貯蓄で備えると考えた方がいいでしょう。

介護は、おひとりさま自身の将来の介護だけではなく、親の介護も問題になります。親と同居のおひとりさまは、親が要介護になるとその担い手になる可能性が。そのため、親に介護保険をかけようと考える人がいるかもしれませんが、おひとりさまが介護保険を利用するのもためらわれるのですから、親のことまで考えることはありません。結論としては、死亡保障と介護保障の優先度は高くないけれど、医療保障の優先度が高いということです。

小川 千尋