名作がいっぱい!

【女子的アートナビ】vol. 158

みんな大好きな印象派。展覧会もたくさん開かれていますが、現在開催中の『コートールド美術館展』にも名作が勢ぞろい。かなりオススメです!

コートールド美術館というのは、イギリスの実業家、サミュエル・コートールド(1876-1947)が創設。繊維業で富を築き上げた彼は、印象派の作品収集を1920年代にはじめました。

今展のキュレーターを務めたコートールド美術館絵画部門学芸員のカレン・セレスさんによると、コートールドは美術の勉強をした人ではない、とのこと。コレクションを集めるにあたり、自分の感情に訴える作品や自分が一緒に暮らしたいと思う作品を自ら選んでいたそうです。

会場では、彼の家に絵が展示されている様子を撮った写真も紹介されています。

読み解きがおもしろい!

コートールドが収集した作品と一緒に暮らしたのは数年で、1932年には自ら設立した美術研究所に収集品を寄贈。その研究所の展示施設としてコートールド美術館が誕生しました。

そんな歴史があるので、今回の展覧会では研究の成果を取り入れながら、一部の作品の読み解き方をパネル解説で紹介しています。

例えば、こちらは目玉作品のひとつ、マネ最晩年の傑作《フォリー=ベルジェールのバー》。この絵の読み解き方について、東京都美術館学芸員の大橋菜都子さんが次のように解説しました。

大橋さん 中央にいるのはバーメイド。バーメイドはときに娼婦にもなったといわれていて、彼女の表情が憂鬱に見えたり、見る人によって表情が変わるので、そこが魅力のひとつです。

また、絵の中に額縁のようなものが見えるのですが、そこに気づくと、この絵のほとんどが鏡の中に映った世界だと気づくことができます。そうすると、正面に立つ女性と、鏡に映った女性の後ろ姿の位置がズレているという不思議な構成にも気づきます。でも、このズレによりバーメイドの存在が非常にきれいな三角構図におさまって、より際立って見えることになります。

いかがですか? 大橋さんの解説を聞かなかったら、マネが鏡像を描く際に失敗したのかな…と思ってしまったかもしれません。

実際、この作品をX線で分析したところ、女性の鏡像は完成時よりやや左、つまり自然な位置に描かれた形跡が残っていたそうです。マネの試行錯誤の様子がわかって、おもしろいですね。X線画像の一部も会場のパネル解説で見ることができます。

セザンヌもわかりやすい!

続いて、セザンヌの名作《カード遊びをする人々》の読み解き方も見てみます。注目する部分は、左側のパイプをくわえた男性。肩の位置がかなり低い位置に描かれ、また臀部から膝まで異様に長いのです。これもセザンヌのデッサンが下手なのではなく、あえて意図的に描いているとのこと。

また、遠近法なども正確ではないのですが、これも狙いのひとつ。画家は正しさよりも全体の調和を考え、形や色にさまざまな工夫を加えていることがわかります。

ほかにも、ルノワールやモネ、ゴーガンなどの絵画や彫刻作品あわせて60点と関連資料24点が展示され、見ごたえ抜群。

好きな作品を眺めているだけでも十分ですが、気になる絵があったら、ぜひじっくりと読み解く楽しさを味わってみるのもオススメです。

東京展の会期は12月15日まで。その後、愛知、神戸に巡回予定。

Information

会期:〜12月15日(日) ※休館日は月曜日、10月15日(火)、11月5日(火)
※ただし、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開室
時間:9:30〜17:30 ※金曜日、11月2日(土)は20時まで(入室は閉室の30分前まで)
会場:東京都美術館
料金:一般 ¥1,600/大学生・専門学校生 ¥1,300/高校生 ¥800/65歳以上¥1,000/中学生以下無料
公式HP:https://courtauld.jp
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。

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