価値観や個性は十人十色。人数が多いとわかり合うことは難しくなることも。でも、ちょっとしたアクションで心地よい雰囲気を共有できれば、グループの絆は深まるはず。今すぐ実践できる技をレクチャーします!

絆が強いグループの存在は、人生に幸せと活力を与える。

苦楽を共にしたり、笑い合ったり。小さなことの積み重ねで深まるのが絆というもの。特にグループでいることは、自分にも周りにも良い影響があると教えてくれたのは作家の有川真由美さん。

「グループは、クモの巣のように繋がり合って成り立っているので、一対一の関係よりも絆が深まりやすく、切れにくい。長続きしやすいからこそ、質の良い関係を築け、それが人生に充足感をもたらし、前向きに生きる原動力にもなります」

グループの特徴を踏まえた上で、絆を強めるコツを学んでいきましょう。

グループの心地よさをアップさせて絆を深めるには?

グループの目的を共有する。

職場ならば、円滑に仕事を進めるため。プライベートの関係なら、楽しく過ごすため…など、グループが集まった目的を、お互いに分かち合うことが重要。

「自分たちが一緒にいる理由や目的を共有することは、結束力を高めます。まだお互いのことをよく知らない人同士の集まりで、共有するのが難しい場合は『今日は“未知の食べ物を試食する会”』など、何でもいいので集まりの目的を事前に設定すると楽しさや団結力がアップします」(有川さん)

自分のポジションを見つける。

「場を盛り上げようと、自分の話ばかりすると、周りに引かれてしまいギクシャクすることもあります。まずはその場に馴染むために、周りの人の話に耳を傾けてみましょう。話を聞きながら、自分がこのグループでできることは何か、ポジションを探してみましょう」

相手に合わせてばかりでは疲れるので、自分を大切にして無理をしないことも大事。素の自分でいることができ、グループに貢献できるベスポジを見つけることができれば、良い関係が築けるはず。

グループ内で戦わない。

意見が対立することがあっても、戦わないスタンスを持つこと。

「人間は、人と比べながら自分の存在価値を確かめる生き物なので、勝ち負けが大好き。しかし価値観はそれぞれ違うもの。どんなに意見が合わなくても、決して自分が正しいとは思わないこと。戦っても相手の意見を変えることはなかなかできないので、認めてあげることも大事です。一歩引いて、相手への接し方を変えるだけで、あなたに対する周囲の印象は変わり、グループ内の空気は和やかに」

グループ別に伝授します! 絆を深めるアクション。

職場など一緒に頑張るグループ

ほぼ毎日顔を合わせるため、長所も短所も見えやすく、距離が近くなりすぎて、トラブルが起こりやすいのがこのグループ。「上下関係や利害関係で成り立っているので、やっかいなことも多々あります。しかし、仕事を進めるという目的意識がはっきりしていれば、見返りを求めず積極的に行動しやすいはず。そうすれば信頼度が増し、良いチームワークを発揮できるようになります」

【特徴】
・明確な上下関係がある。
・共通の目的で協力し合える。
・お互いに知っている情報が多い。

【今すぐ実践! 絆に効く技】
・年上、リーダー的存在を尊重し、頼る。
目上の人やチームリーダーなど、決断力や影響力がある人を尊重すると、グループはまとまりやすくなる。敬意や尊敬の念が伝われば、自分がグループで孤立しそうな時にも味方になってくれるし、仕事も進めやすくなる。

・プライベートなことを話しすぎない。
隠しすぎるのもよくないが、さらけ出しすぎもトラブルのもと。「特に恋愛話や年収などのお金の話は、不要な対抗意識のもととなり、仕事に悪影響を及ぼしかねません。“私とあなただけの秘密ね”といった内緒話も×」

・こまめに声を掛けてみる。
ホウレンソウだけでなく、挨拶やちょっとした声掛けひとつで、グループの結束力は高まる。「たとえばコンビニに行く時は全員に『何か買ってくるものはありますか?』と聞いたり、みんなにおやつを配るのも」

・断りたい時は、配慮して伝える。
やりたくないことや断りたいことがある時は、NOと言う勇気を持つことも大事。「断る時は伝え方が重要で、協力したい気持ちはあるということをしっかりと伝えておくと、角が立たずに断ることができます」

趣味のサークルなどプライベートのグループ

趣味が同じなので、共通の話題が見つかりやすいグループで、世代を超えて絆を深められる。「お互い知らない部分が多いけれど、好きなことが同じなので仲良くなりやすいと思います。利害関係や上下関係がないからこそ、冷静にいろんな話ができるし、違う立場の意見を交換し合えるので、自分の成長にも繋がるはず。ただし自分の知識をひけらかしすぎるのは自戒しましょう」

【特徴】
・年齢差、職業、立場を超えてフラットな関係。
・一緒に同じものに熱中できる。
・様々な人と出会える。

【今すぐ実践! 絆に効く技】
・年下にも「すごい」「教えて」と声を掛けてみる。
趣味が一緒というだけなので、厳しい年功序列も生まれにくく、フラットな気持ちで付き合える。「わからないことは、年下にも積極的に聞いてみましょう。教えてもらったり褒めたりし合うと、距離が縮まります」

・年上には小さな相談ごとをする。
職場や家庭の悩みなど、近すぎる人には話しにくいことやささいな相談を、年上の人に「実は…」と相談してみて。団結力がアップするだけでなく、思わぬ解決策がたくさん飛び出し、悩みが一気に解消するかも。

・“意外な自分”を披露する。
「実は私こんな仕事をしているんです」「ほかにもこんな趣味があるんです」など、共通の趣味とは違う新たな面を披露すると、知らない人同士でも話しかけやすい環境が作られる。趣味を超えた繋がりが生まれることも。

・会話に入れない人がいたら、助け舟を出す。
あまり話さない人には「さんはどう思う?」など、話を振ってみよう。内容がわからず会話に参加できない人がいたら補足や説明をして、いま何の話をしているのかわかるように内容を教えてあげるのも有効。

同窓会など久しぶりのグループ

幼少期や青春期など、同じ時代を一定期間一緒に過ごしたために、その後長い期間会っていなくても、すぐに打ち解けることができるはず。「同級生というだけで仲間意識が強く、どんな人でも受け入れられやすいし、何を言っても許される関係ができています。ただしみんな同じ年齢で、スタートラインが一緒なので、相手の変化や差を感じやすく、ついつい比べてしまうことも」

【特徴】
・みんなの来歴を知っている。
・相手の変化や差を感じ、比べやすい。
・長く会っていなくても親近感がある。

【今すぐ実践! 絆に効く技】
・昔の印象をきっかけに話しかけてみる。
当時あまり仲良くなかった人とも、「本当はもっと仲良くなりたかった」「いつも本読んでいたよね」などと、相手に対する当時の印象を素直に伝えると、会話がスムーズに。相手に、自分の印象を聞いてみるのもあり。

・カーストには見えないふりをする。
学歴や見た目、仕事など、様々なことで比べられても、同級生なんだから、みんな一緒という気持ちで堂々と付き合うこと。「何か自慢してくる人がいても、下手に取り合わないことが大事。スルーを心がけて」

・自己アピールではなく、近況報告を心がける。
自己アピールはうっとうしがられる原因。自分の幸せをひけらかすような行動は控えること。「ただし、自分は何をしているのか、どんな状況にあるのか、飾らずに近況を報告することは、いまの絆を深めるきっかけに」

・褒めるよりも、「よく頑張ってきたよ〜」とねぎらう。
「すごいね〜」などと褒めすぎると、嫌みに聞こえる場合があるので注意が必要。同志としてねぎらいの気持ちが伝わるような言葉を用いて称えると、相手に響いて受け入れてもらいやすく、場の空気もハッピーに!

パーティなど初めましてのグループ

イベントや異業種交流会など、初対面の人ばかりのグループは、緊張もするし、ついつい壁を作ってしまいがち。「どうせもう会わないから適当に…ではなく、せっかくだからこの一期一会を楽しむスタンスで、前向きに楽しんで。誰も自分のことを知らないからと、自分を取り繕いすぎず、失敗ネタや面白ネタをどんどん披露してみて。グループ全員に同じ質問をするのもあり」

【特徴】
・初対面で、それぞれの情報が少ない。
・共通点が見つかるまで、お互い探り探りに。
・様々な人と出会える。

【今すぐ実践! 絆に効く技】
・リアクションは3割増しを心がける。
表情が読めないと何を考えているのかわからず、相手が距離を置いてしまうので、思いっきり笑ったり、リアクションは少しオーバーなくらいがちょうどよい。親しみを持ってもらうために、適度なノリやツッコミも有効。

・初対面だからこそ、積極的に名前を呼ぶ。
名前さえもわからないグループの場合は、まずは自己紹介を。全員の名前を覚えられない時は、メモする。自分からみんなの名前をどんどん呼んでいくと、相手も呼んでくれるようになるので、距離がグッと縮まりやすい。

・「このお料理、いい香りですね」と、いま共感できることを話題にする。
どんな素性の人かわからず、共通点がなかなか見つけられない時や何を質問すべきか悩んだ時は、会場や料理のことなど、その場その瞬間をみんなで共有できそうなことをネタにしてみる。天気の話や季節の話でもOK。

・盛り上がったらSNSのグループを作ってみる。
初対面のメンバーで打ち解け合えたら、連絡先を交換するチャンス。「楽しい雰囲気ができたら、またこのみんなで集まりたいとSNSのグループを作ることを提案すれば、次に繋がる有望な人間関係となるはずです」

有川真由美さん 作家、写真家。ブライダルコーディネーター、編集者など、多くの転職経験を生かし、働く女性のアドバイザー的存在として、書籍を多数執筆。近著に『女子が毎日トクをする 人間関係のキホン』(PHP研究所)。

※『anan』2019年11月13日号より。イラスト・たきたて玄米 取材、文・鈴木恵美

(by anan編集部)