『ジョーカー』『アイリッシュマン』と、2019年に出演した2作品がアカデミー賞の作品賞にノミネート。いぶし銀の存在感を見せつけたロバート・デ・ニーロ。主演最新作は、2作品とはガラッと雰囲気が異なる、ファミリー向けのコメディ。昨年、アメリカで公開された際、あの『TENET テネット』のV6を阻止して興収ランキングの1位を獲得し、大きな話題を呼んだ『グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告』です。

デ・ニーロ爺vs部屋を奪われた孫、プライドをかけた壮絶なバトルを描く。

デ・ニーロ演じるエドは、妻に先立たれた頑固なおじいちゃん。ある日、スーパーのセルフレジにブチ切れて警備員と乱闘騒ぎを起こしたことがきっかけで、娘夫婦の家に居候することに。コウモリやネズミが棲む屋根裏部屋に追いやられた孫のピーターは、エドに宣戦布告。ふたりは部屋をめぐって熾烈なバトルを開始します。

ひげそりクリームを泡状シール剤にすり替えられて烈火のごとく激怒したり、ベッドに放たれた蛇にビビりまくったりと、デ・ニーロの顔芸がこれでもかと冴えわたる! 脇役も彼に負けてはいません。エドの娘サリー役は、『恋に落ちたら…』でデ・ニーロの恋の相手を艶っぽく演じ、実生活でも交際のウワサがあったユマ・サーマン。そんな彼女がバトルの巻き添えとなり、ピーターが辛ソースを仕込んだコーヒーを間違って飲んで豪快に噴き出したり、エドが誤操作したドローンに攻撃されて派手にすっころんだりする姿に衝撃。振り切ったコメディエンヌぶりは必見です。エドの親友役は、デ・ニーロと『ディア・ハンター』以来の共演となる、クリストファー・ウォーケン。ウォーケンはエドのバトルをサポートする悪友の役どころ。屋内トランポリンパークを舞台にしたドッジボール対決にも嬉々として参戦。体を張った演技で笑わせます。

面白いだけでなく、ハートウォーミングなところもしっかり。いたずらがエスカレートしていくピーターに対し、「戦争はゲームじゃないんだ。たとえ勝ったとしてもみんなが傷つく」と諭すエド。ピーターがエドとのバトルを通して、お互いを深く理解していくところに思わず涙がこぼれます。ラストはハリウッドお約束のハッピー・エンディングとはひと味違う、技ありの結末。さらに、エンドロールでは、あのデ・ニーロがNGを出す、お宝シーンが! エンドロール前の退席は厳禁ですよ。

『グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告』 妻を亡くしたエドは、娘サリーの家族と同居を開始。孫のピーターは、エドに取られた部屋を奪還すべくバトルを仕掛ける。4月23日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開。©2020 Marro WWG LLC. All rights reserved.

※『anan』2021年4月28日号より。文・田嶋真理

(by anan編集部)