コミュニケーションは第一印象から始まる。

友達が増えない、話しかけてもらえない、とコミュニケーションに難を感じる人は、話術に気を取られがち。でもコミュニケーション上手になるには、まず第一印象をよくするべき、と話し方講座の講師を務める渡辺由佳さん。

「素敵な言葉で自己紹介しても、第一印象が悪いとなかなか会話が盛り上がりません。なぜなら、人間は話の内容より見た目の情報を重視するからです」

心理学的にも、第一印象は重要、と心療内科医の吉田たかよしさん。

「動物は、生命維持のためにネガティブな情報を重視します。そのため他人への印象も、一度ネガティブになると覆すのが難しい。友達を増やしたいなら、まず第一印象をよくして、その後の会話へとつなげましょう」

良好な関係を築くまでの3つのSTEP

(1)自分に対して危害を加える人間かどうか「適応的無意識」で判断
(2)協力関係を結べるかどうか
(3)相手との協力関係が自分に利益をもたらすかどうか

キーワード(1)適応的無意識

アメリカの心理学者ティモシー・ウィルソンが提唱した考え方。わかりやすく言うと、“人間は進化の過程で、重視すべき情報を無意識のうちに選択している”ということ。

人間の脳には常に、視覚、聴覚、嗅覚などから無数の情報が入ってくる。それを全て分析していると命の危機が迫ったとき手遅れになるので、反射的に是か非かを判断しているという。初対面の人に会ったときも同じこと。無意識に、瞬間的にその人が敵か味方かをジャッジし、敵と判断したら“なんかあの人苦手”のレッテルを貼ってしまうという。

キーワード(2)メラビアンの法則

“第一印象は見た目が大切”という話をするとき引き合いに出される考え方。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが行った実験の結果を応用したものといえる。

メラビアンが行った実験は、見た目、話し方、話している内容がちぐはぐだったとき、人はどの情報を重視するのか探ったもの。たとえば怒った顔と普通な話し声で「君は素晴らしい人だ」と言われたとき、人はどんな印象を受けるのか。結果、最も重視されたのは見た目の情報。ただし、話し方や言葉はどうでもいい、という意味ではないので注意して。

吉田たかよしさん 心療内科医、医学博士、本郷赤門前クリニック院長。アナウンサーや政治家秘書などを経てクリニックを開設。受験生の脳機能やメンタルの管理、勉強法指導を行う。TVやラジオへの出演も。

渡辺由佳さん コミュニケーションインストラクター、元アナウンサー、大妻女子大学非常勤講師。自分磨きスクール「シェリロゼ」講師。著書に『どんなに緊張してもうまく話せる!』(日本実業出版社)など。

※『anan』2021年10月6日号より。イラスト・サヲリブラウン 取材、文・風間裕美子

(by anan編集部)

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