10月といえば、新ドラマが続々とスタートする心躍る時期。話題作がひしめき合うなか、2.5次元舞台のトップスター軍団が勢ぞろいし、荒牧慶彦主演で注目を集めているドラマ『あいつが上手で下手が僕で』がまもなく放送を迎えます。そこで、こちらのおふたりにお話をうかがってきました。

荒牧慶彦さん & 和田雅成さん

【映画、ときどき私】 vol. 416

舞台でも共演の多い荒牧慶彦さん(写真・左)と和田雅成さん(右)が本作で挑んだのは、崖っぷちのお笑い芸人。荒牧さん演じる時浦可偉と和田さん演じる島世紀という2人のピン芸人がさびれた劇場で出会い、「エクソダス」というコンビを組むところから始まります。今回は、撮影の舞台裏やお互いへの思い、そして癒しの瞬間について語っていただきました。

―まずはお笑い芸人という役を演じるうえで、事前に準備をしたことや苦労したことはありましたか? 

荒牧さん コントや漫才など、お笑い芸人さんの動画はいくつか参考に見てから撮影に入りました。なかでも、僕は監督から「又吉直樹さんのイメージで」と言われていたので、又吉さんの「テンションは低めだけど、ここぞというところで差す」みたいな芸風は意識しながら役作りをしています。

和田さん 僕も事前にいろんなバラエティ番組を見て、勉強しました。島はすごく明るい性格のキャラクターだったので、参考にしているのは、ティモンディの高岸宏行さん。あと、漫才のスタイルとしては、NON STYLEさんを意識しています。でも、お笑い芸人という職業を選んだ方にはかなりの覚悟があると思うので、それを演じることへのプレッシャーはすごくありましたね。大阪出身でお笑いが大好きなだけに、怖い気持ちは強かったと思います。

僕にしか見せないまーしーの素顔を知っている

―ちなみに、おふたりがいま個人的にハマっているお笑い芸人さんはどなたですか?

荒牧さん 僕はジャルジャルさんです。毎日動画が投稿されるので、毎日それを見ています。笑いどころが好きなのはもちろんですが、毎日投稿するのもネタを考えるのも、かなり大変なことですよね。にもかかわらず、すごく楽しそうにされていますし、本当におふたりは仲がいいんだろうなというのがわかるので、そういう微笑ましい姿からも元気をいただいています。

和田さん 僕は何周回ったかわかりませんが、改めてダウンタウンさんです。気がついたらおふたりの番組は、ほとんど見てますね。本当に、究極におもしろいおふたりだと思っています。

―なるほど。インターネットでおふたりの名前を並べて検索したところ、予測の最初に「荒牧慶彦 和田雅成 仲良し」と出てきました。いまも本当に仲の良さが伝わってきますが、お互いのどんなところが好きですか?

和田さん 検索予測で「仲良し」が出てくるなんてすごいよね。

荒牧さん 確かに。きっとファンのみなさんが、そういうふうに検索してくれてるってことなんだよね。まーしー(和田さんの愛称)は、誰にでも明るく接することができるタイプなんですが、それでも時々僕にしか見せない顔をするときがあるので、僕はそこで周りに優越感を感じています。

和田さん なんだそれ(笑)。

まっきーの魅力は、あざとくてかわいいところ

―和田さんの荒牧さんにしか見せない顔とは、どんな一面なんでしょうか?

荒牧さん 誰でもそうだと思いますが、いつも明るくいるのって疲れちゃうときありますよね? 基本的に明るいまーしーでも、そうじゃないときがもちろんあるんですよ。でも、その明るくない部分も僕には見せてくれるので、それがきっかけで仲良くなった気がします。

和田さん 確かに、それはありますね。

―では、和田さんは荒牧さんのどんなところが好きですか?

和田さん 僕たちはまっきー(荒牧さんの愛称)がボケで、僕がツッコミという関係性でずっと来ているので、まっきーがボケたときに別の誰かがツッコむとちょっと寂しそうにするんですよ(笑)。ついに、「ちょっと、担当がちゃんとツッコんでくれないと!」と僕に直接言うようになりましたから。あざといなと思いつつ、そういうところがかわいいんですけどね。まっきーのほうが年上なんですが、同い年のような関係性でいられるのもありがたいなと思っています。

―逆に、直してほしいところはありますか?

和田さん そういうところがあっても、それすらも好きになれるくらいお互いにわかり合えているので、僕はないですね。(声大きめで)まっきーも僕に直してほしいところなんて、ないよね? 

荒牧さん もう、声が大きいよ(笑)。そうですね、僕もないです。むしろ、そのままでいてほしいと思っているくらいですから。

―ということは、いままでケンカしたこともない?

和田さん それもないですね。言いたいことがあれば、お互いにちゃんと言える関係なので、ケンカにはならないです。

2人でアドリブをしている時間が楽しかった

―ステキな関係性ですね。劇中では荒牧さんがボケで、和田さんがツッコミですが、先ほどのお話だと普段のおふたりも同じなので、コンビとしては演じやすかったのでは?

荒牧さん そうですね。2人の間のテンポ感とかは、いつも通りなので練習する必要はまったくありませんでした。

―撮影中にテンションが上がったシーンがあれば、教えてください。

荒牧さん 僕のお気に入りは、漫才のシーン。今回は、長回しにも挑戦しているので、1台のカメラで8〜10分続けて撮ったことも。そうすると、だんだんみんなのなかで緊張感が高まっていくんですが、そんなときもまーしーが声を出して、みんなを盛り上げてくれました。そういったことも含めて、僕にとっては思い入れが強いシーンです。

和田さん 7分半を経過すると、だんだんみんなが自分の失敗でやり直したくないというプレッシャーをかなり感じ始めてたよね。でも、そんななかで最後のセリフを言い終わったあと、「カット!」と言われるまでに余白の時間が入るので、使われるかわかりませんが、毎回まっきーとアドリブを入れて遊んでました。

荒牧さん 僕もあの時間好きだったな。

―それは、監督からアドリブの指示があったということですか?

和田さん 特に言われてはいなかったんですけど、僕たちが勝手にしていただけです。

荒牧さん そのまま黙っていてもよかったんですけど、僕たちは沈黙が怖いので、つい普段のノリでアドリブをしてしまいました。実際、台本とはまったく関係ないこと言ってますからね。

和田さん 確かに。あるとき、アドリブしている最中にまっきーが持っていたパソコンを僕の顔の前でパソコンをパンッと閉じたんです。そこで、「俺はパソコン食われんのか!」とツッコミを入れたんですが、そのときにまっきーがめちゃめちゃうれしそうな顔をしていて、そこが僕的には一番うれしかったです。

荒牧さん あはは! もし使われていたら、ぜひ注目してほしいです。

青春の思い出は、幼なじみとケンカしちゃったこと

―使われているかどうかも含めて、楽しみですね。では、今回の現場で、ムードメーカーとなっていた方を挙げるとすれば、どなたですか?

荒牧さん 今回は、みんなけっこうキャラが濃かったからね。いい意味でうるさいやつらというか(笑)。

和田さん 本当に、それぞれ個性豊かだよね。

荒牧さん そんななかで、唯一静かにしてたのは、梅津(瑞樹)ちゃんかな。みんなが騒いでいても、端っこでじーっと集中してたよね。でも、そんな梅津ちゃんをみんなが笑わせようとしていたので、ある意味ではムードメーカーだったんじゃない?

和田さん 確かに、そうかも!

―本作では芸人の青春が描かれていますが、ご自身にも青春時代の忘れられない出来事があれば教えてください。

荒牧さん 僕は小学校4年生のときに、幼なじみと大ゲンカしたことがあって、そのあと中学生になるまで疎遠になってしまった時期がありました。理由は思い出せないんですけど、それまではお互いの家にお泊りしたり、2人で遊んだりしていたくらい仲良かったのに、一切話さなくなってしまって……。その後、中学のときにバスケ部の友達が仲裁してくれて仲直りできたんですけど、いま思うと青春だったなと。

和田さん 僕が青春で思い出すのは、中学3年生の最後の野球大会で負けたときのこと。泣かないつもりだったんですけど、校舎の裏に行って、お互いに「ありがとう」と言い合った瞬間に涙が止まらなくなってしまって、みんなでボロボロに泣いたことがありました。当時は悔しいという気持ちが強かったですが、いま考えると青春してたなと思いますね。あのときのことは、いまでも鮮明に覚えています。

男前が揃っているところも楽しんでほしい

―まさに青春ですね。最近は忙しい日々が続いていると思いますが、いま癒しの瞬間といえばどんなとき?

荒牧さん コロナ禍じゃなかったら、共演者や俳優仲間と飲みに行くのが僕の癒しなんですけど、最近は家でゲームをしたり、睡眠をとったりすることがささやかな幸せです。

和田さん 僕は猫の咀嚼音ですね(笑)。猫を飼っているわけではないので、動画サイトでピックアップしたり、お気に入りをチャンネル登録したりして、疲れているときに見ています。咀嚼音だけじゃなくて、食べている姿を見るのも癒されるんですよね。

―それでは最後に、放送を待っているみなさんへ向けてメッセージをお願いします。

荒牧さん お笑い芸人たちが苦しい状況のなかでもがいている姿や青春を追いかけている姿は、見ている方にとってもかつての自分を思い出したり、いまの自分と比較してみたりするきっかけになると思います。そのうえで、「一緒にがんばろう!」と感じていただける作品になっているので、ぜひそのあたりを楽しんでいただけたらと。

ドラマのなかではスベッているところもありますが、漫才もストーリーもおもしろいので、仕事で疲れたときに元気をもらえるようなドラマになっています。お笑い番組を見るような感覚で、楽しく見ていただきたいです。

和田さん 見ている方が主人公の気分を味わえるような撮り方をしているので、ぜひこの世界を一緒に生きてほしいと思っています。とても明るい作品なので、深く考えずに、幸せな気持ちになっていただけたらうれしいですね。あとは、何と言っても男前ばっかりが出ていますから。僕を含めて(笑)。地元では負け知らずだった僕が、本当に男前が多い現場だなと見とれてしまったので、そのあたりも楽しんでいただきたいです。

インタビューを終えてみて……。

撮影中もインタビュー中も、仲の良かった荒牧さんと和田さん。絶妙なやりとりで、終始笑いの絶えない取材となりました。普段から築き上げられた見事なコンビネーションが、お笑い芸人のコンビとしてどのように生かされているかは必見です。

劇場にいる気分を一緒に体感する!

芸人生命の危機に立たされたお笑い芸人たちが、ときにぶつかり合いながらも、手を取り合って前に進もうとする姿を描いた芸人青春群像劇。笑いがあるのはもちろん、涙も友情もケンカもありと見どころ満載です。


写真・山本嵩(荒牧慶彦、和田雅成) 取材、文・志村昌美 

ストーリー

お笑い界という大海原に揉まれ、漂流した者が最後に辿りつく場所とされているお笑いライブハウス「湘南劇場」。ほとんど観客のいないさびれた劇場に、“島流し”された8人の芸人たち。

「ここを脱出しなければ、芸人としての未来はない…!」彼らは、どんな手を使ってでも抜け出そうと奮闘することに。果たして、相方や仲間たちと一緒に湘南劇場から抜け出すことはできるのか。芸人としてのカウントダウンがいま始まる……。

思わず笑ってしまう予告編はこちら!

作品情報

『あいつが上手で下手が僕で』
放送:日本テレビ2021年10月6日(水)24:59〜
   読売テレビ2021年10月9日(土)24:58〜
 

©カミシモ製作委員会

 

写真・山本嵩(荒牧慶彦、和⽥雅成)