数年前から続く縄文ブーム。火焔土器やハート形のかわいい土偶など、縄文時代につくられた造形物の美しさに魅了されている人も多いと思います。現在、両国の江戸東京博物館で開催中の特別展『縄文2021―東京に生きた縄文人―』では、東京エリアの縄文人にフォーカス。遺跡から見つかった道具類や復元模型などの展示を通し、縄文人たちのリアルな暮らしに迫っています。圧巻の“東京産”土偶100点もご紹介!

縄文人の道具がすごい!

【女子的アートナビ】vol. 225

この展覧会では、1万年以上続いた縄文時代に、東京の縄文人たちがどんな暮らしをしていたのか、最新の調査結果をもとに、多くの出土品や模型などを用いて紹介しています。

まず第1章「東京の縄文遺跡発掘史」では、3800か所以上もある都内の縄文遺跡より、大森貝塚をはじめ著名な7つの遺跡から発掘された土器などが展示されています。

続く第2章のタイトルは「縄文時代の東京を考える」。お墓や精緻な土器、さまざまな道具類を通して、東京の縄文時代を紹介しています。

ここでの見どころは、縄文時代のキッチン道具である「植物加工具」。石皿と磨石を使って、縄文人たちはクルミやクリなどの木の実をすりつぶし、蒸したり焼いたりしてパン状にして食べていたそうです。石皿は、使いすぎて真ん中がへこんだり、割れてしまったりしています。クルミパンを食べる東京の縄文人……彼らがどんな生活をしていたのか、道具類を見ながら考えてみるのも楽しいです。

縄文人ネットワークがすごい!

縄文人たちの交流がわかる展示「ヒスイロードとコハク」も見どころのひとつ。

美しく希少価値のあるヒスイには、縄文人も魅了され、ステイタスシンボルとしても使われていたそうです。

日本国内で唯一ヒスイがとれるのが、新潟県の糸魚川。そのヒスイが、各地の遺跡から発掘されているため、日本全国に出回っていたことがわかります。

都内でも70点以上が出土。糸魚川産のヒスイが、長野や山梨を通る「ヒスイロード」で関東に入ってきたようです。

代わりに関東からは、千葉産のコハクや海産物が山梨や長野に運ばれていたとのこと。モノが流通し、当時の縄文人ネットワークが広範囲に広がっていたことがわかります。

土偶100点がすごい!

第3章「縄文人の暮らし」では、縄文時代のムラの様子を再現。縄文人が舟をこいでいたり、土器をつくっていたり、あるいは埋葬している人たちもいて、当時の暮らしぶりがよくわかります。

集落のモデルとなったのは、縄文時代中期の多摩ニュータウンNo.107遺跡です。ムラは平坦な場所につくられ、日当たりも水はけもよさそう。近くには川があって、移動にも便利。縄文人たちにとっても、やはり暮らしやすい土地が人気で、そんな場所に人が集まりムラになったようです。

この章では、東京産の土偶100点も展示されています。ずらりと並ぶ姿は圧巻! 祭祀や安産祈願など、土偶には祈りや願いが込められていたと考えられています。

太古の東京で暮らしていた縄文人たちが、どんな気持ちでこの土偶をつくっていたのか。ぜひ、いろいろ想像しながらご覧になってみてください。

特別展『縄文2021―東京に生きた縄文人―』は12月5日まで開催。

Information

会期    : 〜12月5日(日)※休館日は毎週月曜日
会場    :東京都江戸東京博物館 1階特別展示室
開館時間  :午前9時30分〜午後5時30分(土曜日は 〜午後7時30分)※入館は閉館の30分前まで
観覧料   :特別展専用券 一般¥1,300、大学生(専修・各種専門学校含む)¥ 1,040、小学生、中学生・高校生・65歳以上¥650

※日時指定予約を推奨しています。最新情報などの詳細は公式サイトをご覧ください。