上質なエンタメと盤石なパフォーマンスを披露。

11月20日、札幌で全国ツアー「KANJANI’S Re:LIVE 8BEAT」をスタートさせた関ジャニ∞。11月28日には、快晴の横浜アリーナで公演が行われた。

2019年10月に5人体制となった彼らは、今の自分たちの姿を多くの人に届けようと、同年11月から47都道府県を回るツアーを開催。しかし、新型コロナの影響を受け、中断を余儀なくされた。それから約1年9か月、さまざまな苦しく、厳しい状況を乗り越えて始まったツアーは、ファンはもちろんのこと、メンバー自身にとっても待望のものである。

関ジャニ∞は今年、「Road to Re:LIVE」というテーマを掲げて走ってきた。そこには、止まってしまったエンタメやライブを再びみんなの“当たり前”にするという願い、“またみんなと会うために…”という思いが込められている。

その一環として、会場には、趣向を凝らした感染予防対策も。メンバーを模したキャラクターが楽しく可愛らしく注意喚起を促したり、混雑緩和のため早く入場したファンが楽しめるよう、メンバーからファンへのリアルタイムでのメッセージのやり取りがモニターに映し出されるという演出も行われていた。少しでも楽しんでもらいたいという気持ちが伝わってくる。

そうしたメンバーとファンの努力もあって、横浜アリーナでのライブは収容人数100%での開催が実現。ペンライトの光で埋め尽くされた会場に響き渡るのは、「エイト! エイト!」のコール。これは、コンサートを盛り上げるため、雰囲気を感じてもらうために、事前に募集したファンの声だ。そうした工夫も手伝って一体感が生まれたなか、照明が落ち、メンバーを紹介するVTRが流れると、会場の熱気はさらにヒートアップしていく。そして、1万2000人の前に5人が現れた。



一番最初に見せたのは、ファンの思いを詰め込んだオープニングトラックを真摯に歌い上げる姿。初手から胸を打たれ、感極まった人も多いのではないだろうか。そして、横山裕さんの「暴れるぞー!」という声から始まる、明るく楽しい関ジャニ∞らしい楽曲たちが会場を盛り上げ、一気に引き込んでいく。途中、丸山隆平さんの「どうも〜! 関ジャニ∞で〜す!」の言葉は、ファンが長く待ち望んでいたものだ。

今回、印象に残ったのが、踊る関ジャニ∞。ディスコサウンドから、キラキラとしたポップな楽曲まで、さまざまな音とビートを自分たちのものにして魅せていく。長年培ってきたパフォーマンス力の高さと表現力の幅を感じずにはいられない。

また、5人がハードに踊るさまを感慨深く見守ったファンも少なくないはずだ。2018年に背中と腰骨を骨折するという大きな怪我をした安田章大さんは、思うようなパフォーマンスができず、仕事をやめようと考えたこともあったという。村上信五さんはMCで、「ヤスくん(安田さん)ファンは、ホッとしたんじゃないでしょうか。歌って踊るアイドルヤスくんをみられて皆さん安心されたと思います」と寄り添った。

安田さん自身は「メンバーとファンの方が支えてくれてるからここに立てています」と話す。途中、彼がアコースティックギターを弾き、その周りで4人が歌う場面があったが、そこに、お互いを思い、支え合う関係性が見えたような気がした。



関ジャニ∞が大事にしてきたバンドスタイルも健在。以前に増して磨きのかかった横山さんのトランペットの音に始まり、それぞれがソロを披露していく。5人のバンドスタイルはエモーショナルであり、盤石そのもの。丸山さんはベースを弾きながら花道へと進み、会場を盛り上げる。他の場面でも、できるタイミングはすべてファンサ(ファンサービス)を行う彼は、常に空間をポジティブなムードへと引っ張っていく、かけがえのない存在だ。

MCで安田さんが「もっともっとスキルアップしよう」「できることを増やそう」「これからの関ジャニ∞を楽しみに」と話していたが、とりわけそれを体現していたのが横山さんだ。これまでバンドではパーカッションとトランペットを担当していたが、今回のツアーではギターを弾き、センターに立つ一幕があった。

近年、ボイストレーニングに行き始めたメンバーも多いという彼らの歌は、確実にスキルアップし、聴く者の心をより強くとらえていた。デビュー18年目のグループが新しいことに挑戦したり、自分たちのパフォーマンス力をさらに高めようとする姿は、観る者の胸を熱くする。

彼らの持ち味の一つである楽しいMCも披露。先日、発表された「第72回NHK紅白歌合戦」への出場決定と、村上さんが司会に落選したという話になると、大倉忠義さんは、「横山くんと二人でやってほしい」とリクエスト。「行くかお前、一緒に!」と言う村上さんに対し、「コンビニみたいに言うな!」と返す横山さんという、絶妙な距離感のやり取りに会場が沸いた。また、ツアーに帯同して盛り上げる関西ジャニーズJr.のAmBitiousを紹介する場面でも、二人は積極的に楽しそうに後輩に絡んでいく。

本編、最後に披露する楽曲の前には、5人が一人ずつ挨拶を行った。村上さんは自分たちがやってきたことについて、「素敵な答え合わせをありがとうございます」と述べた。とある曲を歌っている途中、涙を流すシーンもあったが、そのくらい、いろいろなことを想い、ステージに立っていたのだろう。

丸山さんは少し間を置いてから、「昨夜、なかなか眠れなくて。みんなのペンライトの光や拍手が残響のようになって、心地よくて眠れないことってあるんやな」「エンターテインメントを大事にして、続けて、残していく。誰かを傷つけずに戦っていく」「お互い大事にしていこうね」と強く、優しく決意を語った。

「この景色を作ってくれてるのはファンのみなさん。だから一歩先に進むことができるし、もっともっと輝こうと思えます」を笑顔を見せたのは安田さん。横山さんは、「楽しかったわ、めちゃくちゃ。ありがとう」「すべてが報われる気がします」と、真っ直ぐな言葉で感謝を伝える。

そして大倉さんは、「僕ら、なんか間違ってたんかな」と悩んだ日々があったことを話しながら、「それぞれいろんな形のエンターテインメントがありますが、ジャニーズ事務所にできないことはないと思っています」「それを後輩たちに伝えていくためにも、自分たちの活躍が素晴らしいものでなければいけないと思っています」と熱い想いと覚悟を語った。



カッコよさ、かわいさ、面白さ、アーティスト性…と、いろいろなエッセンスで観るものを魅了した関ジャニ∞。カッコ悪いところを隠さない、人間味むき出しの彼らが作るステージは圧巻であり、エンターテインメントの極致であった。さまざまな出来事を乗り越え、それでも前を向き、自分たちを高めていくことに貪欲な5人が示したのは、アイドルの尊さと新たな可能性。

印象に残ったのは、横山さんの、「関ジャニ∞はステージに立ってる時が一番カッコいいと思う」「これから、どんどんカッコよくなるつもりなんで」という言葉。自分たちの未来に期待する彼らの今後には、希望しかないと感じさせられる。最新アルバム「8BEAT」の特典として収録されているライブ映像の中で、安田さんが発した「関ジャニ∞でよかった」という一言はファンの間で大きな話題となったが、観た者を「関ジャニ∞のファンでよかった」と思わせるライブであった。

「KANJANI’S Re:LIVE 8BEAT」
北海道、神奈川、福岡、福井、千葉、愛知、兵庫、宮城の全8か所を巡る。ツアー最終日の仙台公演はライブ生配信を行う。