今、心地いいつながり方って? ananつながり白書2022

※20〜30代の女性100人にアンケート(2021年12月実施/編集部調べ)

Q.リアルなつながりについて、どう感じていますか?

つながり不足だ…36%、ちょうどいい…54%、つながり過多だ…10%

コロナ禍が、人間関係を見直すきっかけに。
ちょうどいいと感じているのは約半数。「以前は“仕事の一環”としての飲み会など本心では望んでいない人付き合いの必要もありましたが、コロナ禍で人間関係が精査されるように。その結果、過多だと感じる人は少なく、大切な人と会えない現実に目が向いた人やとにかく人と一緒にいたい人は不足と感じるのでしょう」(臨床心理士・塚越友子さん)

Q.心の結びつきや絆を感じる相手は何人くらいいますか?

0人…19%、1人…18%。2〜5人…44%、6〜10人…13%、11〜30人…4%、51人以上…2%

絆は比べるものではなく主観的。人数はあくまで目安に。
ボリュームゾーンは2〜5人だが、正解はない。「絆や心の結びつきはあくまで主観的なもの。自分がつながれていると感じられれば、それでいいと思います。ただ、SNSのフォロワーなど、友人や知り合いの数が数値化されがちな時代。それはあくまで人脈や影響力の話なので、絆とは分けて捉えましょう」(宣伝会議TikTokセミナー講師・金丸雄一さん)

Q.もっとつながりを深めたいと感じるのはどんな関係性ですか?

1位:家族…55%、2位:恋人…22%、3位:友人…13%

危機を体験したからこそ家族とつながりを深めたい。
家族と答えた人が半数以上。理由は…? 「絆の強さは、家族、恋人、親友、友人の順となります。パンデミックなど危機を感じている時、絆の強い家族を求めるのは自然な心の動き。また、一人暮らしをしている人が多い年代なので、コロナ禍でなかなか会えなくなったというのも要因だと思います」(塚越さん)

Q.インターネットやSNSを通じたバーチャルなつながりについて、どう感じていますか?

つながり不足だ…16%、ちょうどいい…70%、つながり過多だ…14%

オンラインのつながり方にもスムーズに適応。
実に7割の人が適度につながれている様子。「20〜30代は、Z世代ほどではありませんが、オンラインのつながりに慣れている世代。コロナ禍でオンラインのコミュニケーションが主体になっても、そこまで負担なく過ごせているよう。逆に、上の世代の中にはやりづらさや適応の難しさを感じている人もいると聞きます」(金丸さん)

Q.あなたがつながり、絆を感じるのはどんな要素を持っている相手ですか?(複数回答)

本音が言える…52%、話が合う…46%、価値観が近い…38%、自分のことをよく知ってくれている…36%、付き合いが長い…26%、一緒にいる時間が長い…23%、こまめに連絡をとっている…22%

共感や理解が絆を形作っていく。
接触頻度や時間より、理解や共感など心情的な要素が上位に。「いったん絆や愛着を築ければ、会う頻度が少なくても関係を保てるのが人間。誤解したくないのは、“絆がある=完璧にお互いを理解しなければダメ”ではないこと。違う者同士が手をつないで、理解し合えるところを増やしていく…という感覚が大事です」(塚越さん)

Q.最も大切にしているつながりを教えてください。

【家族や親戚】ある程度深いところまで踏み込める信頼がある。(25歳・会社員)
【ネット上の友人】日常生活での関わりがなく、気兼ねなく本音で話せるから。(33歳・会社員)
【彼氏】最近一緒に住み始めたばかりだから。(25歳・公務員)
【友達】家族と違って、自分で選べる存在だから。(22歳・会社員)
【趣味の仲間】身内ではないので、意識して関係を継続しないと離れてしまうから。(27歳・会社員)
【夫】結局最後に頼れるのは家族だと思う。(32歳・主婦)
【飼っている犬】自分しか面倒を見てやれない存在だから。(26歳・パート)
【恋人】一緒にいると気持ちが安らぐ。(31歳・アルバイト)
【パートナー】子どもが生まれるので、これから二人三脚で頑張りたい。(28歳・主婦)
【妹】性格も趣味の好みも合うし、なおかつ気楽に過ごせる相手。(34歳・会社員)
【母親】一人で暮らしていて、自分が数少ないつながりだから。(30歳・無職)

あなたが思い浮かべるのは、一体誰?
人それぞれ大切にしたい相手も理由もさまざま。回答は多岐にわたった。「コロナ禍で無駄な人付き合いが減ったことで、図らずも自分にとって大切な人が誰なのか、考えやすくなったと思います」(塚越さん)

Q.人とのつながりをありがたく感じるのはどんな時ですか?(複数回答)

落ち込んだり、寂しさを感じている時…57%、話したり、一緒に遊んでいる時…41%、久しぶりに会えた時…29%

より自然体に、人とのつながりを感じている。
人がつながりを求める理由は。「他者とつながろうとする時、親しくしたい“親和動機”・楽しく過ごしたい“安楽的動機”・社会共同体を形成したい“社会的動機”の3つが働いているといわれます。コロナでより本質的な動機に基づいて人とつながれるようになったことが表れた結果かもしれません」(塚越さん)

Q.人とのつながりを煩わしく感じるのはどんな時ですか?(複数回答)

疲れていたり、余裕がない時…46%、無理な頼み事をされた時…42%、連絡がひっきりなしにくる時…35%

メンタル次第でつながりはしがらみにもなってしまう。
精神状態によっては、普段支えになっていた人間関係やつながりも、思わずしがらみに感じてしまうことが多々ある。「自分に余裕がない時は、どうしても相手の立場に立った対応が難しくなりますよね。誰かとコミュニケーションをとったり、距離感を測る際の参考にしたいデータです」(金丸さん)

Q.SNSやインターネット上だけでしか知らない相手に「心のつながり」を感じますか?

YES…40%、NO…60%

【YESの意見】
趣味など好きなものの話ができるから。(27歳・主婦)
SNSのフォロワーは自分に好感を持ってくれていると思うので。(25歳・パート)
よくコメントのやりとりをしていて、人柄が想像つく人なら。(35歳・会社員)
自分のブログをよく読んでくれる人の存在が心強い。(26歳・会社員)

【NOの意見】
いざという時に頼れないから。(27歳・主婦)
いくらでも嘘をつけるので信用できない。(23歳・会社員)
表情が見えたり、声を聞くまではどんな人かわからない。(27歳・主婦)
インターネットだけのつながりを作ろうと思わない。(30歳・アルバイト)

きっかけがオンラインでも次第にオフラインに。
ネット上だけではつながりを感じにくい? 「オンラインはリアルに比べると、圧倒的に多い人数とつながれる可能性がありますが、合わないと思えば関係性を深める必要もなく、容易に関係を断てます。また、オンラインで気の合う人とは、会って関係を深めようとオフラインの関係に発展しがち。納得の結果です」(金丸さん)

塚越さんと金丸さんに聞く、心地よいつながり方のヒント

塚越さんからのヒント

(1)プライベートなつながりと、パブリックなつながりを切り分けて。
(2)孤独と孤立の違いを知ろう。
(3)つながりを感じる対象は人だけじゃない。

私たちは、プライベートな関係性と、パブリックな関係性の両方を持って生きています。社会で生きていくためにはパブリックなつながりも欠かすことができませんが、無理する必要もありません。パンデミックの影響でパブリックな割合が減ってきた今、プライベートで大切な人は誰だろう、その人とどんな関わり方をしていきたいだろうと考えることが、自分にとって心地よいつながり方を見つける近道になるはずです。

コロナ禍で物理的な交流が極端に減りました。社会に居場所がなかったり、誰とも心の結びつきを感じない“孤立”状態は心配ですが、一人で寂しいけれど誰かと心はつながっていると思える“孤独”状態ならきっと大丈夫。孤独であること自体は悪いことではありません。

それに、人間は場所にだって物にだって愛着を感じることがあります。他人から見たらガラクタでも、本人にとっては宝物だったり。つながりというと人間関係を思い浮かべることが多いですが、自分が絆やつながりを感じられるのであれば、それが何であってもいいと思います。

金丸さんからのヒント

(1)オンラインのつながりは、相手のスタンス次第で。
(2)人間関係からは、目的意識を捨ててみる。
(3)期待値コントロールができると気持ちがラクに。

オンラインのコミュニケーションが増えた今、相手のツールの使い方を念頭に置くと円滑かもしれません。例えば30代より上の世代は、オフラインで知り合った人との関係性を継続する感覚でSNSを使っていますが、反対にZ世代などはオンラインで知り合ってからオフラインに発展することもしばしば。オンラインに対する相手のスタンスを知っておくとスムーズです。

それに、心地よいつながり方をするためには、一度“心地よいつながり方をしたい”という考えを捨て去るのがいい気がしています。目的意識を持って人間関係を築こうとすると、型にハマりがち。それよりも、本当の自分の姿を見せていかないと、関係性は深まらないのかなと思います。

また、人間関係が円滑に進まない時って、相手に対する期待値や心理的なハードルを勝手に上げてしまっている時が多いですよね。相手に求めすぎてしまうと、それ以上のことをしてくれないとやる気がないんじゃないかと落胆してしまったり。でも、期待値は自分の気の持ちようでコントロールできるし、それだけでラクになりますよ。

つかこし・ともこ 臨床心理士、公認心理師として、テレビ、雑誌など様々なメディアで活躍中。専門は人間関係のお悩み解決。水希のペンネームで執筆活動も行い、著書多数。

かなまる・ゆういち N.D.Promotion代表取締役、宣伝会議TikTokセミナー講師。Z世代インフルエンサーのマネジメントやマーケティング、コンテンツ制作などを手掛ける。

※『anan』2022年1月12日号より。写真・小川久志

(by anan編集部)