これまで生活を共にし、暮らしを豊かにしてくれた大切な家電だからこそ、何らかの理由でサヨナラするときも、きちんと手放したいもの。状態によってリサイクルが可能だったり、買取に出すことで値段がつき、新しい持ち主のもとで第二の家電ライフを送ることができる場合も。まずは家電の正しい断捨離術を知り、手持ちの家電の状態を確認して、それぞれに合った適切な方法でサヨナラするのがおすすめです。家財の買取経験が豊富な小野倫敬さんに教えていただきました。

1、粗大ゴミとしてサヨナラ

もっとも一般的な方法が粗大ゴミに出すこと。ただ、捨てる際にはさまざまなルールがあるので注意して。細かな規定は自治体によって異なるが、大抵は一辺の長さが30cm以下の家電であれば指定日に不燃ゴミとして出すことができる。それを超えるものは、サイズを計測したうえでシールを購入・貼付し、事前に申し込みのうえ指定日に粗大ゴミへ。「自治体の指定業者が処分するので、適正に処理される安心感は絶大。一方で、大型家電であっても自力で収集所まで運ぶ必要があったり、サイズ計測やシールの購入の手間、回収日が先で引き取りまでに時間がかかるケースも多いので、注意が必要です。また家電リサイクル法に定められた品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機など)やパソコンは、粗大ゴミとして処分することはできません」

2、家電リサイクル法に従ってサヨナラ

家電リサイクル法は通称で、正式には特定家庭用機器再商品化法。エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の家庭用電化製品に関して、再利用可能な材料をリサイクルすることで廃棄物を減らし、資源の有効利用を推進する法律のこと。品目や大きさにより全国共通のリサイクル料金が定められていて、この4品目に該当するものはこれより安く処分することはできない。「購入した店か、買い替えするお店に引き取りを依頼するのが一般的です。購入店が近くにない場合は、地域の自治体に相談を。いずれもリサイクル料金以外に収集・運搬料がかかりますが、この金額は業者により異なるので比較してもよいかも。注意点としては、引っ越しなどで4品目をまとめて処分したい場合でも、それぞれに問い合わせする必要があり手間がかかります」

3、不用品買取業者に依頼してサヨナラ

スピーディに処分したい、引き取ってもらいたいものが大量にあるなど、極力手間をかけたくない場合は、不用品買取業者に依頼するのがスムーズ。リサイクルできないほど古い家電や、壊れて動かなくなった家電も引き取ってくれる。希望の日時を調整できるうえ、搬出もしてくれるので大型家電でも負担なく処分できるのが利点。「リサイクルやリユースではなく、処分することが前提になるので基本的には料金がかかります。なかでも大型家電などは高額な費用が発生するケースも。また、住宅街を巡回する廃品回収のトラックのような飛び込み業者は、無許可営業の場合があるので注意が必要です。いずれも料金設定がわかりやすい業者を選び、事前に見積もりを取るなどきちんと確認してから依頼するとトラブルを防ぐことができます」

4、リユースショップで売却

買い替えや引っ越しによる処分で、使用に差し支えがない家電、ダメージの少ない家電であれば、リユースショップに売却するのがおすすめ。整備、クリーニング後にリユースショップで販売されるため、ゴミになることがなく地球環境にもやさしい。自宅まで引き取りに来てもらえる出張買取に対応する店舗もある。「買取対象になるかどうかの目安は、購入年月や製造年式が10年以内であること。その範囲内なら売却できることが多いです。その際、付属品があれば提示を。付属品が揃っている方が高く売却できる可能性が上がります。注意してもらいたいのは、リユースショップだとフリマサイトの売却額より下回るケースが多いこと。フリマサイトは諸経費や出品・発送の手間を出品者自身が負担しているので、その分高く売れるのです」

5、フリマサイトで売却

大切な家電を納得いく価格で売りたい人や、10年以上使った家電、一部の機能が壊れたジャンク品など、リユースショップだと買取対象にならない家電は、ネットオークションやフリマアプリを利用してみるのも手。ニーズがマッチすれば、思わぬ高値で売れることもある。「有名メーカーのデザイン家電、趣味性の高いオーディオなどの家電は、特に高値で売れやすい傾向に。ただ、すぐに売れるとは限らないのと、売却にはそれなりの手間と労力が必要です。相場を見極めた価格設定や、写真や文章の準備、落札者とのやりとり、梱包作業や発送手配などが発生することを忘れずに。引っ越しや買い替えなどで早く処分したい場合や、忙しい人などには向かないかもしれません。また、大型家電は送料が高くなるので、敬遠されがちです」

家電とのサヨナラ術:処分編

家電とサヨナラする際に重要なのが、適切な方法を選ぶこと。正しい方法で処分することでリサイクルされるパーツもあるから、地球環境に配慮することができる。処分に際しての注意点、迷いがちな分別方法など、押さえておきたいポイントをチェックしておこう。

Q. ハードディスク内蔵型の家電を処分する際の注意点は?

A. そのまま処分はNG! 必ず初期化してデータの消去を。
パソコンやタブレット、スマートフォンなどに代表されるハードディスク内蔵型の家電は、個人情報の宝庫。処分する際は忘れずにデータの初期化を実行したい。「本体が壊れて電源が入らないなど初期化できない場合は、ハードディスクをハンマーで壊すなど、物理的に破損してしまうのが早いです。忘れがちなところでは、FAXや固定電話の電話帳機能も。データだけ手元に残したい場合は、専門業者に依頼してハードディスクを取り出してもらう方法もあります」

Q. ガラス製やプラスチック製の付属品などは分別して処分すべき?

A. 家電と一体化したものはそのまま処分、付属品は分別を。
ガラスと金属が一体化した調理家電や、プラスチックに覆われた美容家電など、最近の家電のほとんどは複数の素材が混在した構造。いざ捨てるとなった際、どう分別すべきか悩んでしまうもの。「取り外しが可能なプラスチックのパーツなどは分別して処分した方がいいですが、基本的には素材を問わずひとつの家電として捉えて、まとめて処分してしまって大丈夫です。無理に分別しようとして分解するとケガなどトラブルの原因に。危険なのでやめましょう」

Q. 家電に付属する電源コードはどう処分すべき?

A. 電源コードも家電の一部。本体と一緒に処分してOK!
「本体と一体型であれ、接続式であれ電源コードまでがひとつの家電と考えて、本体と一緒に処分してしまって問題ありません」と、小野さん。最近の電源ケーブルやアダプターは本体から取り外せる構造のものが多いため、どの家電の電源かわからない……なんて笑えない事態にも。「本体がどれかわからない電源アダプターは、できるだけ使わない方が安心。たとえ問題なく接続できても、電圧や電流、周波数の違いで機器の劣化や破損を招く場合があります」

小野倫敬さん 総合リユースショップ『トレジャーファクトリー』バイヤー、終活・生前整理サービス『Regacy』責任者。家財評価アドバイザーの資格を持つ業界10年超のベテランで、店頭買取や出張買取、画像査定など家財の買取経験が豊富。

※『anan』2022年6月8日号より。イラスト・別府麻衣 取材、文・宮尾仁美

(by anan編集部)