暮らしのなかで気軽に取り入れられるベーシックな腸活の基本をざっくりご紹介。食事、運動、生活習慣など、毎日行っていることを少し意識するだけで、腸はみるみる変わっていくはず! 教えてくれたのは、消化器内科医の工藤あきさんです。

起きたら水を1杯飲む。

食べ物や飲み物を摂取すると、胃と結腸に反射を起こし、腸に刺激を与えられる。この反応を利用するため、朝起きたらすぐに水を飲むこと。「この反射が一番強く起きるのが朝。朝食を摂るのがベストですが、コップ1杯の水でもこの反射を起こせます。特に夏は、寝ている間に水分を失った体に冷たい水を入れてあげることで、胃腸にスイッチが入りやすくなる。冷水の方が素早く吸収されますが、腸へ負担をかけたくないなら白湯(さゆ)などの温かい飲み物でもOK」(工藤さん)

日光を浴びてセロトニンを分泌。

幸せホルモン「セロトニン」が増えると、排便を促す腸の蠕動(ぜんどう)運動も活発に。そしてセロトニンは、日光を浴びることで分泌される。「光の刺激によって、脳内でのセロトニンの合成が活発になります。特に朝日を浴びると、交感神経のスイッチが入り、体内時計がリセットされるので、起床直後に行うのがおすすめです」。セロトニンには、ストレスから心を守ってくれる効果も。感情をコントロールして、幸福感をもたらしてくれるので、腸も心もハッピーに!

朝、短くてもトイレに行く時間を確保する。

空っぽの胃の中に食べ物や飲み物が入ってくると、腸が動き出すので、朝は格好のトイレタイム。この時間を有効活用するため、決まった時間に便座に座る習慣をつけるとよい。「便意を感じなくても腸は動いているので、とりあえず便座に座ったら腸が反応し、するする出るということも。力みすぎは負担が大きいので、1分間座っていても出なければ諦めてOK」。1日1分、朝のトイレタイムをルーティンにすれば、便意を催す排便リズムが生まれやすくなる。

甘いもの、塩辛いものは程々に。

糖分、塩分は腸が特に吸収しやすく、腸内環境を乱す原因に。「塩は、腸の有用菌である乳酸菌と結合し、腸内環境を乱したり、慢性炎症の原因となることが分かっているので、塩辛いものは控えましょう。また精製された白い砂糖は、悪玉菌のエサになったり、腸で良い働きをする特定の腸内細菌の定着をブロックしてしまうので、糖分の摂りすぎにもご注意」。砂糖代わりに、善玉菌のエサとなるオリゴ糖シロップや、オリゴ糖をたっぷり含んだハチミツがおすすめ。

腸マッサージや適度な運動を取り入れる。

腸の蠕動運動を活性化させるためには、適度な刺激を加えるのが効果的。「交感神経が優位になると蠕動運動が停滞するので、運動するなら激しい運動ではなく、ウォーキングやヨガ、ストレッチなどにしましょう。特に夜は副交感神経が優位になるようにリラックスできることを取り入れるとよいです。例えばひざを立てて仰向けになり、大腸の流れに沿ってマッサージしたり、お腹を触るだけでもOK。寝る前に行えば、翌日のスムーズな排便にもつながります」

寝る3〜4時間前までに夕食を済ませる。

「胃が食べ物を消化するのに3〜4時間かかるといわれています。そのため食後すぐに寝ると、胃が消化不良を起こし、胃腸の働きが低下してしまいます。夕食は、就寝3〜4時間前に食べ終わっているのが理想的です」。消化が一段落すると、散らかった腸内のお掃除タイムが始まる。これをMMC(伝播性消化管収縮運動)といい、就寝中に、殺菌性のある消化液で消化物や悪玉菌を処理。善玉菌の働きを良くしてくれるので、腸内環境が整い、美腸に導いてくれる!

工藤あきさん 消化器内科医、美腸・美肌評論家。地域医療に携わりながら、腸内細菌・腸内フローラに精通。腸活×菌活によるダイエット、美肌、エイジング法にも注力。『老けない人が食べているもの』(アスコム)など、著書多数。

※『anan』2022年8月3日号より。イラスト・フクチマミ 取材、文・鈴木恵美

(by anan編集部)