気温や気圧など環境の変化により自律神経が乱れると起きる、さまざまなカラダの不調。月経前の不調(PMS)、特に便秘もそのひとつで、季節の変わり目の今、悩んでいる人が多いよう。そこで中医学士で漢方薬剤師の大久保愛さんが、月経前になりやすい便秘を解消する簡単な方法を教えてくれます!

月経前、便秘がちになりませんか?

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 179


今週末には、昼と夜の長さがほぼ等しくなる秋分の日が訪れます。秋分の日を過ぎると気候は本格的に秋の気候に落ち着くことがほとんどです。このときを漢方の世界では、『陽』から『陰』のシーズンへと切り替わると考えます。そのためなのか、最近は不安定な気候が続いていますよね。

気圧や気温の変化が大きいと体に対して負担がかかってしまい自律神経が乱れるため、便秘になったり、寝つきが悪くなったり、むくみがひどくなったり、朝のダルさが強くなったりと不調を抱える人は増えてしまうことでしょう。そしてとくに、女性の場合には月経周期に伴う不調を強く感じることが多くなります。

例えば、月経前の便秘、ほてり、胸の張り、イライラ、フェイスラインのニキビ、過食などを感じることがあるかもしれません。そこで、今週は月経前の不調のなかでも秋に増えやすい便秘を軽減する食薬習慣を紹介していきます。

今週は、月経前の便秘を軽減する食薬習慣

日が沈む時間が徐々に早くなっていることを感じ始めるようになってきました。9月23日に秋分の日をむかえ、夜の時間が昼よりも長くなりはじめます。そして、ようやく気候が安定する過ごしやすい秋の気候となります。そして、この時期を漢方では『陰・陽』の変わり目としますが、その前後に不安定な気候がおとずれます。このタイミングで、とくに女性は月経周期にまつわる不調を感じてしまうことがあります。

漢方では、『秋』になると『陰』が不足し便秘になりやすいと考えられています。また、『気』や『血』が不足している女性は、月経前の不調を強く感じやすいため、今の時期には月経前の便秘に悩む方が増えてしまうことがあります。そこで、今週は『気・血・水』を補う食薬をとりいれて、腸を整えつつ月経前の不調を軽減していきましょう。食べるとよい食材・メニューは、【里芋の豚汁】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:里芋の豚汁】

作り方は、いつもの豚汁の根菜類を里芋に変更するだけです。仕上げにごま油ではなくオリーブオイルを器にひと回しかけるのがおすすめ。オリーブオイルは保温性が高く、腸を潤す働きがあるので、お腹から温め、腸の働きを助けてくれます。

【里芋】

ヌルヌル成分のガラクタンが、腸の粘膜を保護したり、腸内の働きをサポートして『水』を補ってくれます。また、イモ類は糖質が多く太りやすいイメージがありますが、里芋はイモ類の中でも糖質とカロリーが低めでダイエット中にもおすすめです。

【豚肉】

タンパク質、ビタミンB群、鉄をはじめとしたミネラルを多く含み、不足しがちな『気・血』を補うために役立ちます。さらに豚汁にニンニクやネギ、ニラなどを一緒にいれると、疲労回復のパワーがアップします。

月経前に不調を強く感じるときは、とくに『血』が不足していることが多いです。イライラしたり、眠気が強かったりして、それを解消するためにお菓子の量が増えてしまい、その影響で食事の量が減ってしまって栄養バランスを乱しているというパターンもよく耳にします。

なんとなく不調を感じている人は、間食から食事まで毎日食べているものを一度把握して、客観視してみましょう。もしかするとカロリーだけしっかりとれていて、体を作る栄養が減っているかもしれません。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。


Information

大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。

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文・大久保愛