10月1日、東京の丸の内に静嘉堂文庫美術館が移転・開館しました。現在、開館記念展Ⅰ『響きあう名宝―曜変・琳派の輝き―』が開催中です。この新しい美術館は、なんと建物も重要文化財! 内装も展示物もステキで、見どころがいっぱいの展覧会をレポートします。

名建築の中にオープン!

【女子的アートナビ】vol. 267

これまで東京都世田谷区にあった静嘉堂文庫美術館が、東京・丸の内にある重要文化財「明治生命館」の1階にギャラリーを移転。そのオープニングを飾る展覧会では、国宝《曜変天目(稲葉天目)》をはじめ、所蔵するすべての国宝7件を前・後期に分けて公開しています。

美術館が入る明治生命館は、1934年に竣工した古典主義様式の最高傑作。日本を代表する近代洋風建築といわれています。戦時中、東京大空襲による被害は免れましたが、戦後はGHQが接収。1945年から1956年までは、アメリカ極東空軍司令部として使用されていました。

1枚目の画像は、静嘉堂文庫美術館の中央部にある吹き抜けの広い空間「ホワイエ」です。大理石が多く使われた大変美しい場所で、そこを取り囲むように4つの展示室が配置されています。

日本の宝を守った…! 静嘉堂の感動ストーリー

『響きあう名宝―曜変・琳派の輝き―』展示風景

まずは、静嘉堂の歴史をざっくりご紹介。

130年もの歴史をもつ静嘉堂は、岩﨑彌之助 (三菱第二代社長)が創設。その息子、岩﨑小彌太 (三菱第四代社長)がコレクションを拡充し、現在では国宝7件、重要文化財84件を含む多くの古典籍と美術品を所蔵しています。

岩﨑父子は、廃仏毀釈により文化財が海外に流出していくなかで、日本の宝を守るために美術品や古典籍の収集を開始。さらに彌之助は、静嘉堂の創設当初からビジネス街に美術館を建て、作品を多くの国民に見てもらいたいと考えていました。

130年ぶりに創設者の夢が実現した新しい美術館は、まさにビジネス街の中心部にあり、東京駅からも徒歩5分で行くことが可能。丸の内にお勤めの人なら、ランチタイムに立ち寄ることもできそうです。

前期の必見作は、国宝の屛風!

国宝 俵屋宗達 《源氏物語関屋澪標図屛風》澪標図 江戸時代・寛永8年(1631)(展示期間10月1日〜11月6日)

本展は4章で構成。静嘉堂が誇る名品を見ながら、コレクションの歴史やストーリーも楽しめるようになっています。

前期展示の必見作は、俵屋宗達の国宝《源氏物語関屋澪標図屛風》。光源氏と女性たちが偶然出会う場面を描いたきらびやかな作品です。デフォルメされた橋などの各モチーフもユニーク。近くでじっくりと鑑賞したい名宝です。

ちなみに、ギャラリーに入ったら内装もぜひチェックしてみてください。

例えば、ギャラリー2の入口にはレトロなエレベーターがあります。米国オーチス社製のもので、扉には銅板に木目模様が手描きされ、シックな雰囲気。現在は動いていませんが、当時は1階と地下階の連絡用として使われていました。

国宝が意外なグッズに…!

国宝 《曜変天目 (稲葉天目)》南宋時代(12〜13世紀)

最後の展示室では、静嘉堂の至宝、国宝《曜変天目 (稲葉天目)》が登場。現存するのは世界で3つしかないといわれている曜変天目は、深い瑠璃色が大変美しいお茶碗です。まるで満天の星のようで、永遠に見ていたくなります。

曜変天目は偶然に焼きあがったもので、再現も不可能といわれる名宝ですが、ミュージアムショップで見事に再現(?)したグッズを発見。まさかの「ぬいぐるみ」です! すでにSNSでも話題沸騰の人気商品。国宝のぬいぐるみをモフモフすると癒されそうですね。(※11月3日現在、生産が追いつかないため、予約販売受付を中止しています。詳細はミュージアムショップへお問い合わせください)

開館記念展Ⅰ『響きあう名宝―曜変・琳派の輝き―』は12月18日まで開催。(※国宝7件が揃うのは前期展示11月6日まで。後期は国宝4件を展示)

Information

会期    :〜12/18(日) 途中展示替えがあります
休館日   :月曜日、11/8(火)、11/9(水)
会場    :静嘉堂文庫美術館
開館時間  :10:00 – 17:00 (入館は16:30まで) 金曜日は18:00 (入館は17:30)まで
       ※最新情報などの詳細は展覧会公式HPをご覧ください
観覧料  :一般 ¥1,500、大学生、高校生¥1,000 ※日時指定予約制(空き枠がある場合のみ当日券も販売)