フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第113回目は赤茶長毛のサリー(Sully)さま。
心に穴が空いた飼い主を癒した猫さまの物語
【フレンチ猫さま】vol.113
猫さまの話をもっと聞かせて!
サリーさまは1歳の男性猫さま。

サリーさまが語ります。
僕は都会のアパルトマンに住んでいます。今のところお出かけはしていません。赤ちゃんの時、たくさんの猫達とケージに入れられて窮屈だった記憶が少し残っています。僕の飼い主とは、出会った頃から気が合うと感じて僕のほうからちょっかいを出しました。

この家は快適ですね。特に浴室はきれいに磨かれていて(飼い主はビューティーサロンのマネージャー)鏡を覗き込んだり、蛇口から直接水を飲んだりと、浴室で過ごす時間も多いのです。

あと、気持ちが良いフカフカ毛布があるソファーの上。飼い主たちがテレビを見ている間、僕はここでうたた寝をします。

ご飯は『Franklin』というブランドの子猫用のパテとカリカリです。朝晩はパテ、昼はカリカリを食べています。もうじき大人猫用のご飯も準備しなきゃと飼い主が話しているので、どんな違いがあるかとても楽しみです。
飼い主から見たサリーさま
サリーは私たちの最初の猫です。サリーがやってくる前は犬と一緒に住んでいましたが、残念ながら亡くなってしまいました。それからは悲しみに暮れていたので、もう犬を飼う気持ちにはなれませんでした。それでも、心の空白のためにも動物を飼いたいと考えていて、それなら猫がいいなと思っていました。そして、不幸な猫を救うために動物保護施設に行きました。最初に私たちの元にやって来たのがサリーでした。私の最愛の人(彼氏)が履いていたスニーカー、ナイキのジョーダンで遊び出したので、すぐに私たちはサリーを選びました。彼は大きくてかわいい毛むくじゃらの子猫です。

親切で、愛情深く、私たちにとても似ていますが、少し頑固でもあります。サリーは私たちと話をしたり、写真を撮られるのが大好きです。はい、私たちも同じく、写真が大好きです。毎朝サリーがやってきて来て、私たちが起きる前にベッドで大きなハグをしてくれるのです。サリーがいると、私たちは孤独を感じません。 魅力的な目をしていて大きな存在感を放っています。サリーはこれからも私たちの人生に多くの幸せを与えてくれるでしょう。この幸せな瞬間と、私たちが共に分かちあえる生きかたを教えてくれたサリーにただただ感謝です。

――最愛の犬さまを失った悲しみは計り知れないものだったと思います。しかし、幸運にもキラキラした瞳のサリーさまと出会ったことで、飼い主たちは塞いでいた心が解放されたようです。まだまだ若いサリーさまと楽しい日常を過ごして下さい!
取材、文・松永学
取材、文・Manabu Matsunaga